写真・文
奥田 實
おくだ・みのる
北海道東川町在住。2010年、樹木の生命美をとらえた写真集『生命樹』を出版する。また、自宅の菜園で育てる野菜を『生命樹』と同じ視点で撮影し、作品を構成した『野菜美』を2014年に出版。
【第1回】イチゴ
2016/01/26
我が菜園のイチゴの収穫は、木の実を探すような感覚
角張ったホームベース形や細身、寸胴タイプ。緑がかった未熟ものやニキビ面のボコボコまでも。これらは我が菜園で朝採りし、手籠に盛ったイチゴの面々である。ほかにも、虫食いや腐りかけ、小さな飴玉ほどのただ赤いだけのものなどなど。たまに、大きく格好のよいものを見つけると、店先に並ぶイチゴのようだと、しばらくは食卓に飾って目で楽しむことになる。
長年、おいしいイチゴを食べるために、伸びたランナーの中からよい苗を選び、お盆頃に畝をすいて植え替えていた。結構、手間ひまがかかる一日仕事である。最近、この作業がわずらわしくなり、植え替え後はほったらかしになってしまった。そのことで、雑草交じりの葉をかき分け、食べられそうなイチゴを探すことになった。フィールドで木の実を探すような楽しい感覚である。
コラージュするための素材の撮影は白い背景紙を用いる。パソコン作業で背景から素材をきれいに切り抜くための基本だ。新鮮でおいしく見せる工夫も必要だ。特にイチゴの熟した実は重く、地面に垂れて格好がつかない。これを防ぐ相応の手立てを講じての撮影になった。
次回は「ギョウジャニンニク」を取り上げる予定です。お楽しみに。