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招霊木の仲間 カラタネオガタマ、オガタマノキ、ギンコウボク

小杉 波留夫

こすぎ はるお

サカタのタネ花統括部において、虹色スミレ、よく咲くスミレ、サンパチェンスなどの市場開発を行い、変化する消費者ニーズに適合した花のビジネスを展開。2015年1月の定年退職後も嘱託として勤務しながら、花とガーデニングの普及に努めている。
趣味は自宅でのガーデニングで、自ら交配したクリスマスローズやフォーチュンベゴニアなどを見学しに、シーズン中は多くの方がその庭へ足を運ぶほど。

招霊木の仲間 カラタネオガタマ、オガタマノキ、ギンコウボク

2014/05/16

長江以南の東アジアには、さまざまなモクレン科オガタマノキ(Michelia)属の常緑樹が自生している。中国の昆明でホームステイした家の周りには、ギンコウボク(Michelia alba)が街路樹として植えられていた。朝になると周囲によい香りを漂わせ、果物系の香りでありながら清浄な雰囲気を感じさせる。その香りは住民たちに好まれ、朝早く散歩しながら満喫するのだった。

4月下旬、横浜の自宅周りを歩いていると覚えのある香りがする。見渡すとそこにカラタネオガタマ(Michelia figo)が咲いていた。3~5mになる常緑樹で、1つの花の命は短いが次々と咲き、花びらは肉厚で、咲いた花に手を触れるとハラハラと落ちてしまう。雄しべ、雌しべはマグノリア独特の形をしているので、モクレン科と理解できる。この種は中国南部原生と思われるが、自生地が釈然としない。古い時代に日本に渡来したとされ、生垣や神社に植栽されている。

日本にはオガタマノキ(Michelia compressa)、1種が暖地に自生している。常緑で葉先がとがって神聖な香りを漂わせるので「オガタマ(招霊)の木」といい、神前に供えるという。周辺に強く甘い神秘的な香りを漂わせるMichelia属は、実に魅力のある植物だと思う。

中国の昆明で、マンションの下に植えられているギンコウボク(Michelia alba)。朝、周囲によい香りを漂わせる。

こちらは日本でみかけるカラタネオガタマ(Michelia figo)。中央の先端にたくさんの雌しべがつき、その下のほうに雄しべがついたこの形で、モクレンの仲間とわかる。

カラタネオガタマはバナナマグノリア、バナナブッシュとも呼ばれ、甘く熟したバナナのような香りと例えることも多い。

JADMA

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