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秘密の儀式 ホオノキ

小杉 波留夫

こすぎ はるお

サカタのタネ花統括部において、虹色スミレ、よく咲くスミレ、サンパチェンスなどの市場開発を行い、変化する消費者ニーズに適合した花のビジネスを展開。2015年1月の定年退職後もアドバイザーとして勤務しながら、花とガーデニングの普及に努めている。
趣味は自宅でのガーデニングで、自ら交配したクリスマスローズやフォーチュンベゴニアなどを見学しに、シーズン中は多くの方がその庭へ足を運ぶほど。

秘密の儀式 ホオノキ

2014/06/20

落葉高木のホオノキ(モクレン科モクレン属、Magnolia obovata)を観察していて、面白いことに気が付いた。開花1日目は♀(メス)で、2日目からは♂(オス)になるのだが、1日目と2日目の間の性別はいったいどうなのだろうか?

実はこの植物、♀になった夜から次の日の朝までは、いったん花を閉じてしまう。女の子から男の子に生まれ変わるのに、お色直しの儀式が必要なようなのだ。男の子になったら再び花を閉じることはないというのに、この白いベールの中でいったいどのような儀式が行われているのか?

……それはホオノキの秘密、としておくことにしよう。

Photo1
開花1日目。中央の雌しべが開き下の方の雄しべは開いていない。女の子♀の状態。

Photo2
1日目の夜から2日目の朝はこんな感じ。中で何がいったい行われているのか!?
しいて言うなら中性の状態。

Photo3
2日目以降は雄しべが全開、雌しべは閉じて、すっかり男の子♂の状態に。

JADMA

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