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百目の木 Cyclocarya paliurus

小杉 波留夫

こすぎ はるお

サカタのタネ花統括部において、虹色スミレ、よく咲くスミレ、サンパチェンスなどの市場開発を行い、変化する消費者ニーズに適合した花のビジネスを展開。2015年1月の定年退職後も嘱託として勤務しながら、花とガーデニングの普及に努めている。
趣味は自宅でのガーデニングで、自ら交配したクリスマスローズやフォーチュンベゴニアなどを見学しに、シーズン中は多くの方がその庭へ足を運ぶほど。

百目の木 Cyclocarya paliurus

2014/07/25

ギリシア神話に出てくる一つ目の巨人は確かCyclops、英語読みで“サイクロプス”という名前だったと思う。属名のCyclocarya(サイクロカリア)の由来が一つ目を意味するのか定かではないが、Cyclocarya paliurusの花はそれを想像してしまう奇妙な形をしている。

中国の人は、この木の翼の付いた実がお金に見えるらしく、漢名は青銭柳(セイセンリュウ)という。お茶にして高血圧予防の妙薬としている。しかし、柳とついていてもヤナギ科ではなく、クルミ科の落葉樹で、かなりの高木だ。

40cm程度に連なった実を鈴なりにつけるのだが、この特異な形状を判で押したかのような化石が、北米、ヨーロッパ、中央アジア、日本から見つかっていて、新生代第三記には、北半球の広範囲に自生していたことがわかっている。

しかし、一つの属が永続して繁栄することは難しいのだろう。地球環境の変化によって、今ではこの1属1種だけが、中国の温暖な地域、しかもモンスーンがもたらす豊富な降水量のあるところに残存している。

花一つだけを見る限り、それほど“目”を意識させることはないが......、

これでは、たくさんの目に監視されているかのよう。

見上げるほどの高木。悪いことはできないぞと、見下ろされている気もしてくる

JADMA

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