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やませ ニッコウキスゲ

小杉 波留夫

こすぎ はるお

サカタのタネ花統括部において、虹色スミレ、よく咲くスミレ、サンパチェンスなどの市場開発を行い、変化する消費者ニーズに適合した花のビジネスを展開。2015年1月の定年退職後も嘱託として勤務しながら、花とガーデニングの普及に努めている。
趣味は自宅でのガーデニングで、自ら交配したクリスマスローズやフォーチュンベゴニアなどを見学しに、シーズン中は多くの方がその庭へ足を運ぶほど。

やませ ニッコウキスゲ

2014/08/01

キスゲ属のニッコウキスゲ(Hemerocallis middendorffii var. esculenta)は、日本に自 生するキスゲの中でもかなり美しいほうだと思う。花は一日花だが、次々開花するので開花期は長く、花の少ない夏の野山に彩りを添える。

日本では本州中部以北に自生し、東アジア北部に分布するニッコウキスゲは、高原に咲くイメージが強いが、東北に至ると海岸付近の草地にも自生する。

三陸には、オホーツクから吹き出す冷たい北東風が湿気を含んで霧になり、陸地に吹きつける“やませ”がある。これが吹くと気温が下がり、山の植物が平地で咲くゆえんになるのである。やませは三陸沿岸の厳しい気象条件の一つになっている。

写真の宮城県気仙沼湾は、現在は三陸復興国立公園に指定されているが、周りの景色を見る限り、復興への道のりが遠いことを痛感せずにはいられないのが残念だ。

一日花が次々と開花するニッコウキスゲ。各地の群落が花の名所となっている。

三陸の海岸ぎりぎりにも咲いていた。太平洋をバックに花色がひときわ鮮やか。

東日本大震災復興に貢献するため、三陸海岸一帯は昨年5月に国立公園となった。花ものびのび成長できることだろう。

まだまだ震災の爪痕が見られる。設備の補修や整備にはパークボランティアも参加しているそうだ。

JADMA

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