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開けた野原に咲くユニークな野生マメ 狸豆と野小豆

小杉 波留夫

こすぎ はるお

サカタのタネ花統括部において、虹色スミレ、よく咲くスミレ、サンパチェンスなどの市場開発を行い、変化する消費者ニーズに適合した花のビジネスを展開。2015年1月の定年退職後も嘱託として勤務しながら、花とガーデニングの普及に努めている。
趣味は自宅でのガーデニングで、自ら交配したクリスマスローズやフォーチュンベゴニアなどを見学しに、シーズン中は多くの方がその庭へ足を運ぶほど。

開けた野原に咲くユニークな野生マメ 狸豆と野小豆

2014/11/21

今週は、薄暗い林縁ではなく開けた野を好む、ちょっと変わった野生のマメを紹介しましょう。

マメ科クロタラリア属のタヌキマメ(Crotalaria sessiliflora)、このマメは単葉の尖った葉でマメ科独特の複葉を持たないため、一見マメ科に見えません。花が咲けば独特の蝶形花なのでそれとわかります。青く澄んだ美しい花を咲かせ、その後、ガクが果実を包むとタヌキの毛皮に見えて、とても面白い風貌になります。

マメ科ダンバリア属のノアズキ(Dunbaria villosa)は、葉は小さい葛のようで、1.5~2cmの黄色い蝶形花を付けます。この花は中心弁(竜骨弁)がねじれていて形が整っておらず、左右対称に慣れている私は軽いめまいを感じます。漢名を“野扁豆”というのは、この植物をよく現していると思います。

両種とも、日当たりのよい環境を好む東アジア原生の一年草ですが、暖地性で日本の東北南部からアジアモンスーンの影響を受ける広範囲に分布します。ですが、湿地や水田に隣接する“草地”に生えるため、除草剤の影響を受けやすく、また、容易に開発されやすい環境に生えるため、今ではお目にかかるのが難しい植物になってしまったのが残念です。

花はお盆の頃に咲きます。なるほど、「狸豆」と名付けた命名者の感性に拍手したいと思います。

葉が細長く尖った単葉で、花が咲かないとマメの仲間だとは気がつきません。関東で見かけることは稀ですが、これは千葉県で撮影しました。

竜骨弁がねじれているのがわかりますか? 千葉県では湿地に隣接した草地で見かけたノアズキ。

岡山のローカル線の線路際にたくさん咲いているのを見かけました。関東で見かけなくなっても、暖地ではまだまだ見る機会は多いと思います。

JADMA

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