タネから広がる園芸ライフ / 園芸のプロが選んだ情報満載

連載

園芸植物の故郷の一つ 石竹、アイスランドポッピー等

小杉 波留夫

こすぎ はるお

サカタのタネ花統括部において、虹色スミレ、よく咲くスミレ、サンパチェンスなどの市場開発を行い、変化する消費者ニーズに適合した花のビジネスを展開。2015年1月の定年退職後も嘱託として勤務しながら、花とガーデニングの普及に努めている。
趣味は自宅でのガーデニングで、自ら交配したクリスマスローズやフォーチュンベゴニアなどを見学しに、シーズン中は多くの方がその庭へ足を運ぶほど。

園芸植物の故郷の一つ 石竹、アイスランドポッピー等

2015/02/13

石竹は有名なナデシコ科の植物なのですが、何故石竹と言われるのか不思議でした。その植物は岩の多い草地の斜面に生えていて葉が笹のように細いのです。なるほど石から生えた竹とは言いえて妙です。

ナデシコ科ダイアンサス属 Dianthus chinensis セキチク は、北東中国 モンゴルに自生し蒙古ナデシコ 唐ナデシコの和名があります。丈が低く比較的大きな花を咲かせ、四季咲き性をDianthus chinensisはもっており矮性でよく咲く性質を園芸種にもたらすため、この種が果たした役割は計り知れません。切り花界のスターであるカーネーションにもその血脈が生きていると言います。

ケシ科パパベル属 Papaver nudicaule シベリアヒナゲシ、別名アイスランドポッピーと言い園芸植物として有名な植物です。この野生種は、アイスランドと言う国では無く、シベリア モンゴル 中国東北部の辺境に原生します。
日当たりと水はけが良い事が生育の条件で、草地に自生は無く、他の植物が生えない岩場や荒れた斜面に生えます。他の植物との競合を嫌うのでしょう、工事現場や路傍のなど裸地にも生えていました。

ユリ科リリーム属 Lilium pumilum 糸葉百合。種小名のpumilaとは、小さい事を意味し可愛らしい花姿をしています。シベリア モンゴル 中国北部等の山岳地帯に自生すします。現地ではこの百合の球根を食糧にするそうです。荒野には肥料分が無いのでしょう。見かけたイトハユリは皆、一輪しか花を咲かせていませんでした。

アブラナ科ミヤマナズナ属(通称アリッサム) Ptilotrichum canescens 和名はありません。私達がスイートアリッサムとよぶ、Lobularia maritima ロブラリア マリティマに近縁の植物でこの仲間は結構ワイルドな環境に自生しています。

Dianthus chinensis が自生していた斜面です。 岩の割れ目に生えていました。

チャイニーズピンクとも言われる、Dianthus chinensisは草斜面の中でもよく目立ちます。 葉が小さな竹のように見えるから中国名を石竹と言います。

ケシ科ケシ属Papaver nudicaule シベリアヒナゲシ 良く知っているアイスランドポッピーの野生種です。

丈は30cm程度、花の大きさは7cm程度です。私が見かけた花色は黄色だけでした。工事現場等で人の手が入る荒地に好んで生えていました。

ユリ科リリーム属Lilium pumilum 糸葉百合。斜面に転々と咲き、群落は作らないようです。

葉は細く糸葉百合の名前があります。日本には自生しません。6枚ある花被片は。外側に反り返り丸い形で大きさは6cm~7cmくらいでしょう。花に斑紋が無いのですっきりした色映えになります。

Ptilotrichum canescensは草原の岩だらけの丘に生えていました。よく見ると銀色の葉を持つスイートアリッサムのように見えました。

JADMA

Copyright (C) SAKATA SEED CORPORATION All Rights Reserved.