小杉 波留夫
こすぎ はるお
サカタのタネ花統括部において、虹色スミレ、よく咲くスミレ、サンパチェンスなどの市場開発を行い、変化する消費者ニーズに適合した花のビジネスを展開。2015年1月の定年退職後もアドバイザーとして勤務しながら、花とガーデニングの普及に努めている。
趣味は自宅でのガーデニングで、自ら交配したクリスマスローズやフォーチュンベゴニアなどを見学しに、シーズン中は多くの方がその庭へ足を運ぶほど。
どんぐり ころころ[その13] 特別編1
2021/01/05
2021年が巡ってきました。素直に新年を祝うことのできない世相ですが、始まったものは、いつか終わるものだと思います。世界が閉ざされ、いつになったら、日本以外の国で植物旅を再開できるのか見通しが立ちません。でも、身近な植物を見つめ直すよい機会かなとも思います。
どんぐりとその木を見つめて12週目となりましたが、もう少しシリーズの連載は続きます。私がどんぐり好きの病気にかかって、その周りにもどんぐり病が広がってしまいました。どんぐりが嫌いという人はなく、皆さん好きな様子です。なぜ、人は皆どんぐりが好きなのでしょう?
さまざまな樹種のどんぐりをストラップにしてみました。今まで作ったものは100個を下りません。人にあげるのはなぜかうれしいのです。もらった人も一様にうれしいみたい。だれもが上機嫌で、もう一つ二つとせがむ人ばかり。世間的にどんぐりを好ましいと思う人は多いと実感できます。
どんぐりのストラップを職場に持っていったら、皆、「私も欲しい、私も!」の大合唱。結局、全員の分を夜なべして作りました。私のどんぐり病が全員に感染した模様です。
せっかくなので作り方をレクチャーします。まず材料を用意します。
1、お気に入りのどんぐりを殻斗とマッチングしておきます。
2、電動ドリルとビット
3、ハサミと木工用ボンド
4、糸と糸通し
5、ストラップ
ドリルとビット、お気に入りのどんぐり以外は、100円ショップで手に入るはずです。
電動ドリルで殻斗の中央付近に小さな穴を開けます。どんぐりと殻斗を接合するときに、内側にできるひもの結び目が邪魔になる場合があります。そのときは、少し大きなビットでどんぐりのお尻に穴を開けておきます。
殻斗に開けた穴にまず、糸通しを上から通し、ひも先を掛け引っ張ると結び目でひもが止まり、右側の写真のようになります。ここまでできれば、後は簡単です。
殻斗とどんぐりの接合は、木工用ボンドで行います。深い殻斗があれば、ボンドだけでどんぐりは、殻斗の中に収まります。
殻斗が浅く外れやすい場合は、どんぐり側にも穴を開けて、殻斗側のひもの結び目をボルトのようにどんぐり側の開けた穴に収まるようにします。
後は、乾くのを3時間ほど待つだけです。
太っちょなナラガシワQuercus alienaのストラップの完成です。どんぐりは、樹種ごとにさまざまな形状があり趣が異なるので自分の好きなどんぐりで作りましょう。
ストラップの作り方を応用すれば、どんぐりのイヤリングも簡単に作ることができます。
子どもたちを集めて、何かを作っています。どんぐりの殻斗だけを使ったある工作です。さあ、何ができるのでしょうか?
オー! 気味が悪いと思う方がいれば、ごめんなさい。リアルなイモムシの出来上がり。これを手のひらにのせてあげると大概の人は飛び上がって驚きます。でもどんぐりの殻斗なのでご安心を!!
穴の開いたハボタンの上に置くと、今にも動きそうですね。殻斗に穴を開け、シリコンのゴムひもを中に通してありますのでウネウネと動きます。こんなことをして、大人げないといわれますが、面白いので仕方ありません。
作り方は、簡単です。殻斗だけを15~20個程度用意して、中心に穴を開け、伸縮性のあるテグス状のひもを中に通すだけです。イモムシの顔とお尻は木工用ボンドで固定しそれらしく設えます。
ヤジロベエにどんぐりごま。どんぐり人形におままごと。子どものころ、誰だってどんぐりと遊んだはずです。野山に行けば、誰だってポケットにどんぐりを入れたはずです。どんぐりはいつでもそばにいて遊んでくれたのでした。
私たちがどんぐりが好きなのは、誰かに教わったからでしょうか? 法律で決められているわけでもありません。人はなぜどんぐりが好きなのか、次回の続編にて、もう少し掘り下げたいと思います。
次回は「どんぐり ころころ[その14] 特別編2」です。お楽しみに。