文・編集
園芸通信編集部
ハナショウブ
2016/04/27
初夏を迎えた5月。若葉が色濃くなり、花々も一層映える季節ですね。今月は優美な雰囲気をもつハナショウブに注目していきます。ハナショウブは日本庭園の池に合う、と思われる方も多いと思いますが、実は水生植物ではなく、普通の花と同じように花壇で育てることができる花なのです。それでも、和風のイメージを受けるのは、日本原産であることや日本で古くから品種の育成が盛んだったことがあるからでしょう。山里にしっとりと咲くハナショウブをご紹介しますので、訪れてみてはいかが。
加茂荘花鳥園
2015年8月より「加茂花菖蒲園」から「加茂荘花鳥園」へ呼称変更し、いっそう多くの方に楽しんでいただける独自の花やアイデアがつまった園。約1haに1000種100万株のハナショウブが咲き乱れ、江戸時代からの庄屋屋敷と里山を背景にゆったりとした時間を過ごすことができます。花菖蒲園一帯は無農薬での管理が進められ、人に優しい、合ガモ農法による無農薬花園、さらには食用発酵菌の土壌微生物群による有機農園など、癒し農園が目指されています。
ハナショウブのほかにも同時期には独自の育種技術によりアジサイも楽しめるように。このほか、雨でも楽しめる3000平方メートルの花鳥温室内には、インパチェンスやストレプトカーパスなどの吊花が展示されるほか、シギ、オカメインコなどが放鳥され、ふれあいの場にもなっています。
施設概要
〒436-0105
静岡県掛川市原里110
電話番号:0537-26-1211
開園時間:イベント期間は8:00~17:00(受付は16:30まで)。6/20~4/22は10:00~16:00
定休日:ハナショウブ期間(4/23~6/19)は無休。6/20~4/22は木曜日定休
入園料:ハナショウブ期間(4/23~6/19)は大人1500円、シルバー(65歳以上)1200円、小学生以下無料。6/20~4/22は大人1000円、シルバー(65歳以上)800円、小学生以下無料
駐車場:無料駐車場あり
見ごろ:5月~6月上旬
みなみかた花菖蒲の郷公園
約5haにおよぶ回遊式大庭園に、300種80万株のハナショウブが咲くみなみかた花菖蒲の郷公園。見ごろは6月中旬から7月上旬までの約1カ月間。園内では、平安初期の古今集にも詠われ、松尾芭蕉も陸奥の各地を訪ねて探したといわれる幻の花「花且美(はなかつみ)」は必見。純白と薄紫色の6枚の花弁は特に美しいです。公園内には日本庭園や現代彫刻も配置され、一年中散策を楽しむことができます。
施設概要
〒987-0445
宮城県登米市南方町翌沢70
電話番号:0220-58-2112(登米市南方総合支所市民課地域係)
開園時間:9:00~16:30
定休日:月曜日(祝日の場合は翌日)。まつり期間中は無休
入園料:無料
駐車場:無料駐車場あり
見ごろ:6月中旬~7月上旬
柳生花しょうぶ園
剣豪柳生十兵衛の柳生陣屋跡近くにある柳生花しょうぶ園は、1万平方メートルの広大な園地に80万株にもおよぶハナショウブが栽培されています。ここが花しょうぶ園として開かれるのは期間限定で、見ごろの約1カ月。この期間に約460種のハナショウブが山里で咲き競います。棚田であったところを花しょうぶ園にしたので、畔道を歩けば、のどかな気分でゆったりと過ごすことができます。同時期に咲くアジサイも多数植栽され、ハナショウブとともに楽しむことも。緑の斜面を背景にすると、ハナショウブもアジサイもいっそう鮮やかに映え、心に残る花となるでしょう。
施設概要
〒630-1237
奈良県奈良市柳生町403
電話番号:0742-94-0858(期間中のみ)。0742-94-0002(奈良市柳生観光協会)
開園期間:2016/5/28~7/3(日程は変更になることがあります。詳細は奈良市柳生観光協会にお問い合わせください)
開園時間:9:00~17:00
定休日:開園期間中無休
入園料:大人650円、小人350円、団体20~40人:550円、団体40人以上:450円、障がい者手帳をお持ちの方は割引あり
駐車場:無料駐車場あり
見ごろ:6月