文・編集
園芸通信編集部
スイセン
2016/11/24
甘い香りと優しい花色で私たちを和ませてくれるスイセン。ここでは12月ごろよりひと足早く咲く、日本スイセンの群生地をご紹介いたします。厳冬の花の少ない時期に咲くスイセンは、早春の訪れを感じさせ、古くから親しまれてきました。日本スイセンの群生地が海岸沿いに多くあることも注目のポイント。地中海沿岸地方が原産地といわれ、シルクロードを経て中国に伝わった日本スイセンは、海流によって日本各地に漂着したともいわれています。海水に長期間浸っていても生きているなんて、その生命力に驚きますね。冷たい空気の中、凛と咲く日本スイセンを眺めに出掛けてみませんか。
越前岬水仙ランド
福井県にある日本海を望む越前岬水仙ランドでは、冬の日本海の荒波に耐えて凛と咲く越前スイセンを堪能できます。厳冬期に見頃を迎えるスイセンは、6へクタールの畑に約1500万本。日本海の青色と白亜の灯台、越前岬灯台をバックに清楚な花を一面に咲かせます。また、水仙ランドでは開花時期以外でも楽しめるよう、水仙の館内に通年開花したスイセンを配置した水仙鑑賞庭園を設けたり、特殊栽培により開花させたスイセンを販売。年間を通じてスイセンに親しむことのできる施設です。毎年、越前海岸一帯で開催される水仙まつりは、水仙娘によるスイセンプレゼントのほか、学芸員によるスイセンガイド、語り部による越前水仙群生地ツアーなど多様なイベントが盛りだくさんです。
施設概要
〒916-0422
福井県丹生郡越前町血ヶ平27-1-2
電話番号:0778-37-2501(越前岬水仙ランド)、0778-37-1234(越前海岸観光協会連合会、越前町観光連盟内)
水仙祭り期間と時間:第42回水仙まつり2016年12月17日~2017年1月23日
定休日:木曜日(ただし11月~翌年3月までのスイセン開花期間は無休)
開園時間:9:00~17:00
入園料:無料
駐車場:無料駐車場あり
見ごろ:12月中旬から1月下旬
神奈川県立城ヶ島公園
神奈川県南東部に位置する三浦半島の最南端にある城ヶ島公園。太平洋の怒濤(どとう)によって刻まれた岩礁が美しく、房総半島や伊豆大島、伊豆半島が広く眺望できる自然豊かな公園です。厳冬のころからスイセンが咲き始め、神奈川県内でも屈指のスイセンの名勝地として知られています。スイセンは八重咲きスイセンが約30万本、散策路沿いに優しい香りを漂わせて咲き競います。例年多くの人が訪れる水仙まつりでは、三浦ダイコンをはじめ三浦の新鮮野菜の販売や地の食材をふんだんに使った温かい「陣屋汁」のサービス、相州三浦海防陣屋太鼓の演奏などが予定されています。
施設概要
〒238-0237
神奈川県三浦市三崎町城ヶ島
電話番号:046-881-6640(県立城ヶ島公園管理事務所)、046-888-0588(一般社団法人三浦市観光協会)
水仙まつり期間と時間:第9回城ヶ島水仙まつり 2017年1月7日~1月22日 10:00~15:00
定休日:無休
入園料:無料
駐車場:有料駐車場あり
見ごろ:1月中旬~2月中旬
灘黒岩水仙郷
瀬戸内海に浮かぶ淡路島は、真冬のスイセンの群落美が素晴らしく、日本スイセン三大自生地の一つとして知られています。島の南部に位置する諭鶴羽山から海に続く急斜面の一帯、約7ヘクタールに500万本もの野生のスイセンが咲き誇ります。灘黒岩水仙郷に咲く花は一重咲きの日本スイセンを中心に、わずかに八重咲きのスイセンも混じり、遊歩道の周りを埋め尽くしています。この水仙郷は、1820年代に付近の漁民が海岸に漂着した球根を山に植えたのがだんだん繁殖したとされており、純白のじゅうたんのように一面にスイセンが咲くさまは感動を与えてくれます。
施設概要
〒656-0551
兵庫県南あわじ市灘黒岩2
電話番号:0799-56-0720(灘黒岩水仙郷)、0799-52-2336(淡路島観光協会)
開園期間と時間:2016年12月22日~2月下旬 9:00~17:00(最終入園16:30)
定休日:無休(12/31は終日休園、1/1は午前休園)
入園料:大人(16歳以上)500円、小人(5~15歳)300円
駐車場:無料駐車場あり
見ごろ:1月中旬~2月下旬