文・編集
園芸通信編集部
サクラ
2017/03/01
あと半月もするとサクラの開花予測やお花見弁当の予約が始まり、春の到来を感じずにはいられなくなりますね。サクラといえばソメイヨシノ(「染井吉野」)を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、ソメイヨシノは明治期に広まった比較的新しい品種で、エドヒガンとオオシマザクラの雑種といわれていますが、まだ詳しいことが分かっていない品種です。ここではこのソメイヨシノを中心にお花見できる公園のほか、ソメイヨシノよりも遅く咲く八重ザクラを中心にお花見できる施設、ソメイヨシノより花色が少し赤みを帯びたタカトオコヒガンザクラをお花見できる公園を取り上げました。サクラといえども何百品種もあります。この春は何品種のサクラと出合えるでしょうか。
飛鳥山公園
飛鳥山は明治6年、太政官布達によって、上野・芝・浅草・深川とともに日本最初の公園に指定されました。江戸時代中期、徳川吉宗が享保の改革の一環として整備を行い、行楽の地として江戸庶民に開放したのが飛鳥山公園の始まりです。江戸城内からヤマザクラなどが移植されたこともあり、江戸っ子たちの行楽の地としてサクラの名所になりました。当時、上野の山など他のサクラの名所では禁止されていた「酒宴」や「仮装」が容認されていたため、庶民に人気となり、さまざまな趣向を凝らして楽しんだといわれています。現在も約600本のサクラの名所として賑わうほか、ツツジやアジサイの時期にも多くの人出があります。園内には北区飛鳥山博物館、紙の博物館、渋沢史料館があり、自然にも文化にも親しめる公園になっています。
施設概要
〒114-0002
東京都北区王子1-1-3
電話番号:03-3908-9275
祭り期間:北区さくらSA*KASOまつり 2017/4/1、4/2
定休日:無休
開園時間:終日(一部閉鎖区域あり)
入園料:無料
駐車場:有料駐車場あり
見ごろ:3月下旬~4月上旬
高遠城址公園
長野県伊那市にはサクラの名所になっている公園が多々あるほか、学校や堤防などにも多くのサクラが植えられ、伊那市全体が桜の里となり、長い歴史に関わってきた花としてサクラを「伊那市の花」としています。その代表が高遠城址公園に植えられた約1500本のタカトオコヒガンザクラです。古いもので樹齢140年を超えるものもあり、その規模の大きさと小ぶりで赤みを帯びた可憐な花は「天下第一のさくら」と称されます。一帯はかつて馬の姿がサクラの花に埋もれて隠れたという高遠藩のサクラの馬場でした。明治8年、荒れたままになっていた高遠城址を何とかしようと旧藩士たちが馬場のサクラを城址に移植したのが公園の始まりです。4月には園内がピンクに染まり、さくらまつりが開催。期間中は約20万人の観光客で賑わいます。
施設概要
〒396-0213
長野県伊那市高遠町東高遠
電話番号:0265-78-4111(代)(一般社団法人 伊那市観光協会)
祭り期間:高遠さくら祭り 2017/4/1~4/30
定休日:無休
開園時間:8:00~17:00(サクラの最盛期は6:00~22:00)
入園料:一般500円、小・中学生250円(有料期間/開花宣言翌日~散り終わりまで)
駐車場:有料駐車場あり
見ごろ:4月上旬~中旬
造幣局 桜の通り抜け
サクラの開花時期に合わせて、大阪にある造幣局構内旧淀川沿いの全長約560mの通路が一般花見客のために1週間開放されます。これは明治16年に開始され、昭和58年には100年を迎え、浪速の春を飾る風物詩として人々に愛されています。造幣局のある北区天満の旧淀川沿いは、昔から景勝の地として名高く、春はサクラ、夏は涼み舟、秋は月見など四季折々の賑わいを見せていました。特に春のサクラは有名で、対岸を桜ノ宮と呼ぶのにふさわしく、この地一帯にサクラが咲き乱れていたといわれています。通り抜け通路には約350本のサクラが植えられ、その大半が八重ザクラであることから、ぼんぼりのような豪華な花姿を楽しむことができます。
施設概要
〒530-0043
大阪府大阪市北区天満1-1-79
電話番号:050-5548-8686(ハローダイヤル 8:00~21:00)(開催日決定日から開催終了まで)
桜の通り抜け期間:4月中旬ごろ(3月中旬ごろ開催日決定予定)
定休日:桜の通り抜け期間中は無休
開催時間:平日は10:00~21:00、土・日曜日は9:00~21:00(予定)
ぼんぼりの点灯:開催期間中の日没~21:00(予定)
入園料:無料
駐車場:なし
見ごろ:4月上旬~中旬