文・編集
園芸通信編集部
キク
2018/10/02
秋を彩る代表的な花といえば、やはりキクが最初に思い浮かびます。この季節には日本各地でキクの品評会や展示会が開催され、職人や愛好家の方々が丹精込めて仕立てた見事なキクが目を楽しませてくれます。キクと日本人の付き合いは長く、平安時代に中国から伝わったことに始まります。江戸時代にはキク栽培が熱を帯び、数多くの品種や仕立てが誕生したといわれています。究極を求めたその技術の高さには驚きを隠せません。今回紹介した施設では、長い年月かけて日本で育まれたキクの美しさを観賞することができます。秋風が気持ちのよい季節、ぜひキクの観賞に出掛けてみてはいかがでしょうか。
文京菊まつり
東京都文京区では、四季折々の花をテーマにした「文京花の五大まつり」が催されます。その中の一つ、文京菊まつりは学問の神様として広く知られる湯島天満宮で盛大に開催されます。都内では珍しい菊人形や、崖から垂れ下がるような形に仕立てられた懸崖作り(けんがいづくり)、1株から多数の花を咲かせ1輪の花のように見せる千輪咲き(せんりんざき)など、約2000鉢が一堂に展示されます。専門家、名人、愛好家が丹精込めて仕立てた見事なキクをぜひご堪能ください。電車でのアクセスもよい立地なので、気軽に訪れることができます。
施設概要
〒113-0034
東京都文京区湯島3-30-1(湯島天満宮)
電話番号:03-3836-0753
文京菊まつり:11月1日~23日
開催時間:6:00~日没まで
拝観料:無料
駐車場:近隣に有料駐車場あり
本ページに掲載した5枚の写真提供元:東京都文京区
相楽園
神戸市中央区にある相楽園(そうらくえん)は、元神戸市長 小寺謙吉氏の先代小寺泰次郎氏の本邸に営まれた庭園です。昭和16(1941)年以降、神戸市の所有となり、中国の古書『易経』の一節にある「和悦相楽(わしてよろこびあいたのしむ)」からとって「相楽園」と名付けられ、一般に公開されるようになりました。現在は、神戸市の都市公園で唯一の日本庭園として親しまれています。同園で開催される「神戸菊花展」は、今年で67回目の開催となる神戸市の秋を代表するイベントです。大菊、懸崖作り、福助、ダルマ作り、千輪菊(せんりんぎく)など、丹精込めて育て上げられた約2500鉢のキクを堪能できます。期間中は、さまざまなイベントを開催予定です。ホームページを確認してぜひお出掛けください。
施設概要
〒650-0004
兵庫県神戸市中央区中山手通5-3-1
電話番号:078-351-5155
休園日:神戸菊花展開催中は無休、通常は毎週木曜日(祝日の場合は開園、翌日休園)、年末年始(12月29日~1月3日)は休業
開園時間:9:00~17:00(入園は16:30まで)
入園料:大人300円、小人(小・中学生)150円
駐車場:なし
神戸菊花展:10月20日~11月23日
太宰府天満宮
太宰府天満宮は、天神様(菅原道真公)をお祀りする全国約1万2000社の総本宮と称えられ、「学問、至誠(しせい)、厄よけの神様」として、崇敬を集めています。キクを愛でられた天神様にちなみ、キク愛好家の集い「秋芳会(しゅうほうかい)」会員の出品による展示会です。期間中は延べ40万人を超す参拝者が訪れ、見事に咲いたキクの花は見る人々の心を癒やし魅了します。また、七五三参りのご家族が、このキクを背景に記念撮影を行う姿は、この時季の風物詩ともなっています。展示されるキクの種類は、大輪をはじめ小菊の福助、懸崖作り、盆栽、スプレー菊、肥後菊、嵯峨菊、江戸菊、一文字菊などの力作、約1500鉢が御本殿前をはじめ回廊、天神ひろばなどに展示されます。なお、期間中は苗の販売も行っています。
施設概要
〒818-0117
福岡県太宰府市宰府4-7-1
電話番号:092-922-8225
休観日:年中無休
拝観時間:6:30~19:00(月によって変動するので事前に確認が必要)
拝観料:無料
駐車場:有料駐車場あり
菊花展:11月1日~下旬