文・編集
園芸通信編集部
紅葉
2018/11/06
一年の終わりが近づくころ、日本列島が北から少しずつ赤や黄色に色づき始めます。毎年見ているにもかかわらず緑色の葉が色づく様子は心を奪われる美しさです。一年の締めくくりに植物からのねぎらいといった感じでしょうか。「もみじ」は、子どもの手のひらのようなイロハモミジのことを意味すると思っている方も多いと思います。実は、カエデの木、カエデが紅葉した様子、カエデ属の野生種のことをいいます。日本に自生するカエデ属の植物は約20種あり、もみじは、その紅葉のことを指すのです。古くは植物が色付くことを意味する「もみつ」という動詞からきている言葉で、『万葉集』には紅葉が散るのを惜しんだ歌が並んでいます。今も昔も紅葉に気持ち揺さぶられる人の心は変わらないのでしょう。秋晴れのもとぜひ紅葉狩りに出掛けください。
殿ヶ谷戸庭園
JR国分寺駅から徒歩2分の場所に殿ヶ谷戸庭園はあります。大正時代初期に江口定條(後の満鉄副総裁)の別荘として整備され、その後、三菱財閥の岩崎家の別邸となりました。現在は都立庭園となり、地域の憩いの場として親しまれています。同園は、武蔵野の段丘の崖にできた谷を巧みに利用した「回遊式林泉庭園」です。崖の上の明るい芝生地から竹林、崖下の湧水池、樹林で雰囲気が一変する造園手法が見どころの一つ。園内にある茶室「紅葉亭」からは、池にかかる見事なイロハモミジの紅葉が見下ろせます。年間を通じさまざまな行事が催されており、特に「紅葉を楽しむ会」をはじめとする、秋冬の行事が人気です。
施設概要
〒185-0021
東京都国分寺市南町2-16
電話番号:042-324-7991
休園日:年末年始(12月29日~1月1日)
開園時間:9:00~17:00(入園は16:30まで)
入園料:大人150円、65歳以上70円、小学生以下および都内在住、在学の中学生は無料
駐車場:なし
紅葉の見ごろ:11月下旬~12月上旬(色づきの状況は気温により変動するため事前にご確認ください)
本ページに掲載した5枚の写真提供元:殿ヶ谷戸庭園
香嵐渓
愛知県豊田市にある香嵐渓(こうらんけい)は、巴川がつくった渓谷です。春には芽吹き、初夏にはまぶしいほどの新緑、夏には木陰、そして秋には色とりどりの紅葉と、四季の移ろいを楽しむことができます。香嵐渓の紅葉は、香積寺(こうじゃくじ)の三栄和尚が、江戸時代初期に植樹したのが始まりといわれています。三栄和尚は「美しい自然を、より美しく」との願いを込めて、巴川沿いの参道から香積寺境内にかけてカエデ、スギなどを般若心経一巻を唱えるごとに、1本1本植えたといわれています。現在、香嵐渓にはイロハモミジ、ヤマモミジ、ウラゲエンコウカエデ、オオモミジ、コハウチワカエデなど、11種類のカエデがあるといわれています。見ごろの11月には「香嵐渓もみじまつり」が開催され、和太鼓の演奏、お茶会など、さまざまなイベントが行われます。また、日没~21時までライトアップも行われ、幻想的な光景が楽しめます。
施設概要
〒444-2424
愛知県豊田市足助町飯盛
電話番号:0565-62-1272(足助観光協会)
定休日:年中無休
入場料:無料
駐車場:有料駐車場あり
香嵐渓もみじまつり:11月1日~30日
イベント開催時間:9:00~21:00(ライトアップあり)
紅葉の見ごろ:11月中~下旬(色づきの状況は気温により変動するため事前にご確認ください)
御船山楽園
御船山楽園(みふねやまらくえん)は、鍋島藩第28代領主の鍋島茂義が、1845(弘化2)年に完成させた15万坪を誇る壮大な池泉回遊式庭園(ちせんかいゆうしきていえん)です。広大な敷地には、数十万本の草木が植栽され、四季折々の変化を楽しませてくれます。特に有名なのは、11月中旬から始まる紅葉。標高210mの御船山を借景に広がる紅、だいだい、黄色に染まった美しい紅葉は、まさに絵巻物のような美しさです。また、日が暮れると日本最大級といわれる庭園のライトアップが始まります。闇に浮かび上がる紅葉は、夜だからこそ見られる静かな秋景色です。昼間とは一味違う紅葉をぜひお楽しみください。
施設概要
〒843-0022
佐賀県武雄市武雄町大字武雄4100
電話番号:0954-23-3131
定休日:年中無休
開園時間:8:00~17:00
入園料:大人400円、小学生200円
紅葉まつり:11月3日~12月9日
紅葉まつり開園時間:8:00~17:30(昼の部)、17:30~22:00(夜の部、ライトアップ)
紅葉まつり入園料:大人600円、小学生300円
駐車場:無料駐車場あり
紅葉の見ごろ:11月中~12月上旬(色づきの状況は気温により変動するため事前にご確認ください)