文・編集
園芸通信編集部
サザンカ
2018/12/04
秋の深まりとともに咲く花の種類は少なくなり、景色に色が減ってきます。そんな季節の中で咲き始めるのはサザンカです。サザンカは、ツバキ科ツバキ属の常緑小高木。日本原産種で九州、沖縄など西南地域に自生します。ツバキが花ごと散るのに対し、花弁が1枚ずつ散るので簡単に区別が付きます。サザンカは江戸時代に大きく発展し、サザンカの園芸品種は300品種以上といわれています。ツバキとの長い期間にわたる雑種交雑により、本来のサザンカの開花期と異なるさまざまな品種が生まれました。サザンカ群(開花期10~12月)、カンツバキ群(11~3月)、ハルサザンカ群(11~4月)に分けられます。今回紹介する施設でも、さまざまな品種を植えているので、秋~春まで観賞することができます。寒くなる季節ですが、楚々と咲くサザンカをめでに出掛けましょう。
国営武蔵丘陵森林公園
埼玉県比企郡にある国営武蔵丘陵森林公園。東京ドーム約65個分という広大な土地には、さまざまな植物が植えられ四季の変化を楽しめる自然豊かな公園です。同園には、希少な古典江戸椿をはじめとする、約500品種1800本のツバキ、サザンカ類のコレクションが植栽されています。秋から開花が始まり、品種が入れ替わりながら咲き続け、サクラが咲く春に最盛期を迎えます。サザンカもツバキも珍しい品種を確認しながら椿園を散策してみましょう。お気に入りの品種に出合えるはずです。
施設概要
〒355-0802
埼玉県比企郡滑川町山田1920
電話番号:0493-57-2111
休園日:1月の第3と第4月曜日、年末年始(12月31日、1月1日)
開園時間:9:30~16:00(12月1日~2月末日)、月によって変動するので事前に確認が必要
入園料:大人450円、65歳以上210円、中学生以下無料
駐車場:有料駐車場あり
サザンカの見ごろ:11月中旬~12月下旬(開花状況は気温により変動するため事前にご確認ください)
国立歴史民俗博物館 くらしの植物苑
千葉県佐倉市にある国立歴史民俗博物館内には、人々の暮らしに関わってきた植物を展示する「くらしの植物苑」があります。同館では、11月27日から特別企画「冬の華・サザンカ」が開催され、約140 品種のサザンカが展示されます。展示テーマは、「くらしの中のツバキとサザンカ」。中国南部におけるチャとツバキの産地を示した分布図、江戸時代前期に上流階級の間で普及したツバキとサザンカの図譜や巻物、大衆化の中のツバキとサザンカ、肥後ツバキの盆栽の写真をそれぞれパネルで紹介しています。美しい花の観賞とサザンカの歴史を学びにぜひお出掛けください。
施設概要
〒285-8502
千葉県佐倉市城内町117
電話番号:03-5777-8600(ハローダイヤル)
休苑日:毎週月曜日(ただし、祝日の場合は翌日が休苑)、年末年始(12/26~1/4)
開苑時間:9:30~16:30 (入苑は閉苑の30分前まで)
入苑料:高校生以上 100円
駐車場:無料駐車場あり
イベント期間:季節の伝統植物「冬の華・サザンカ」2018/11/27~2019/1/27
亀戸中央公園
東京都江東区に亀戸中央公園があります。同園は、日立製作所の亀戸工場の跡地を整備したもので、A、B、Cの3ゾーンに分かれています。A地区は、時計塔やアスレチック風の遊具が設置され、子どもたちに大人気の遊び場となっています。B地区には広々とした芝生広場と夏には子どもが水遊びができる人工池があり、C地区には運動広場として整備された多目的球技広場やテニスコートなどがあります。遊具や施設が充実している同公園ですが、「サザンカの名所」としても親しまれています。園内には31品種約4000本のサザンカが植えられており、10月下旬から観賞できます。開花状況はブログで随時更新され、季節になると専門家によるサザンカツアーも行われます。サザンカのほかにも、自然を生かした楽しいイベントもたくさん企画されています。ホームページを確認してぜひ遊びに行きましょう。
施設概要
〒136-0071
東京都江東区亀戸8・9丁目
電話番号:03-3636-2558(亀戸中央公園サービスセンター)
休園日:年中無休、サービスセンターおよび各施設は年末年始は休業
入園料:無料(一部有料施設あり)
駐車場:なし
サザンカの見ごろ:10月下旬~1月下旬(開花状況は気温により変動するため事前にご確認ください)