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サクラ

サクラ

2023/02/28

サクラの見ごろは、満開の報道がされると共に、天気予報に雨マークが現れて…慌ただしくお花見に出掛けるようなことも多いです。満開の姿を観賞できる期間が短く、はかない花だからこそ、人々は夢中になり、魅了されるのかもしれません。
そのサクラの歴史は、奈良時代以前といわれています。観賞していた記録が、多くの詩歌や絵画になって残っていることから、日本人との結び付きの深さがうかがえます。サクラ類の園芸種は「オオシマザクラ」を主に、野生種から育成されたものが多くあります。品種改良の歴史も古く、江戸時代に始まり、時を経て明治時代に入ると「ソメイヨシノ」が東京を中心に日本各地で親しまれるようになりました。今となっては、サクラ前線の基準になるほど、サクラといえば「ソメイヨシノ」といわれるほどサクラを代表する品種になりました。今回は、シーズンに先駆け春の訪れを知らせてくれる各地のサクラをご紹介いたします。

※2023年2月の情報です。お出かけの際は、事前に公式ホームページなどで最新情報をご確認ください。

白石川堤一目千本桜

大河原町を代表する絶景スポット「韮神堰(にらがみぜき)」

「白石川堤一目(しろいしがわづつみひとめ)千本桜」は「さくらの名所100選」の地に選ばれている宮城を代表するサクラの観賞スポットです。例年4月上~中旬に見ごろを迎え、宮城県大河原町から柴田町にかけて、白石川堤沿いに8㎞にわたって1200本の桜並木が続き、県内外から多くのお花見のお客様が訪れます。
特に「韮神堰(にらがみぜき)」は人気が高く、白石川の清流、残雪頂く蔵王連峰と共に「一目千本桜」が一望できるスポットです。地域の方からも好評で、満開時期は早朝から写真撮影をするために多くの方がいらっしゃいます。また、生活道路にもなっている土手沿いは、散歩・散策コースとして親しまれています。
2023年は、大河原町出身の実業家である髙山開治郎氏が1923年(大正12年)に、この地に多くのサクラを植樹してから100周年を迎える貴重なメモリアルイヤーです。「一目千本桜」の景色は、先人たちや地元の方々に愛され、こんにちまで大切に守られてきました。その100年のストーリーに思いをはせながら、サクラを楽しめます。これからも県内外の多くの方から、満開のサクラが咲く季節を心待ちにされているサクラの名所です。

清流、白石川に映り込む「逆さ桜」

桜まつり期間中に開催される夜桜ライトアップ

土手沿い一面に広がるサクラのじゅうたん

青空に映える満開のサクラ

施設概要

宮城県柴田郡大河原町大谷字町向地先 白石川公園(おおがわら桜まつり会場)
電話番号: 0224-53-2659(大河原町商工観光課)
休園日:なし
開館時間: 24時間(深夜のお花見はご遠慮ください)
入館料:なし
駐車場:臨時駐車場あり(有料) ※桜まつり会場までJR東北本線「大河原」駅から徒歩3分
見ごろ:4月上~中旬
イベント:おおがわら桜まつり

台東区立隅田公園

東京都のシンボルタワーの一つである東京スカイツリーとサクラのコラボレーションが楽しめる

台東区立隅田公園は、東京・台東区の浅草駅より徒歩およそ5分、隅田川沿いに位置します。当園の一部である隅田堤は、古くは江戸時代よりサクラの名所として、広く市民に親しまれています。園内には「ソメイヨシノ」を中心に、約20種・約450本のサクラが植えられています。例年「河津ザクラ」が2月ごろに咲き始め、多くのサクラは3~4月ごろに見ごろを迎えます。また、当園では“緑と水辺を活かす隅田公園づくり”の一環で「隅田公園千年桜プロジェクト」を推進しています。国の天然記念物に指定されている銘木「三春滝桜」の子孫木である「千年桜(ベニシダレ)」を公園のシンボルツリーとして守り・育て、次世代へ受け継いでいくプロジェクトです。
さらに、園内にはサクラの他にも、ウメやアジサイなどの四季折々の花が咲き誇り、来園者を楽しませています。東京スカイツリーが近くにあることから、四季を感じながら景観を楽しめるスポットとして注目されています。

福島県の国天然記念物指定の「三春滝桜(千本桜)」を原木とする「ベニシダレ」。3月ごろの様子 ※現在は菜の花の植栽を実施していません

「オオシマザクラ(大島桜)」は、4月上旬に葉が開くとともに純白の一重の花を咲かせる

サクラの最盛期には大勢の方が駆け付け、3月恒例の「花まつり」も賑(にぎ)わいを見せる

夜になると、ライトアップされたスカイツリーと共に夜桜が楽しめる

施設概要

〒111-0032
東京都台東区浅草7-1ほか
電話番号:03-5246-1324(公園課公園計画担当)
休園日:なし
開園時間:終日
入園料:なし
駐車場:なし
見ごろ: 3月中旬~4月中旬
イベント:花まつり 3月

大阪城公園

満開のサクラとともに大阪城の天守閣が観賞できる

大阪城公園は、園内各地に約3000本のサクラが植えられており、関西屈指のサクラの名所として親しまれています。天守閣をはじめ数々の重要文化財を擁する一方で、梅林や西の丸庭園が四季の装いを見せ、緑あふれる森に包まれた都会のオアシスです。音楽やスポーツを楽しむ人々が絶えず訪れ、市民の憩いの場として豊かなたたずまいを見せています。
サクラの見どころの中心となる西の丸庭園は、天守閣の西に位置し、その広さは約6.5ha。「ソメイヨシノ」を中心に約300本のサクラが植えられており、サクラの名所として親しまれている庭園です。大阪府の「サクラの標準木」も、この西の丸庭園の中に設置されています。標準木の咲き具合を観測し、大阪府の開花宣言を行っています。「ソメイヨシノ」の他には、玉造口(たまつくりぐち)に遅咲きの「八重桜」を植えており、シーズン後半を華やかに盛り上げてくれます。大阪城天守閣とともにサクラを観賞できる絶景のスポットです。

夜間はサクラがライトアップされ、限られた季節の夜にしか味わえない天守閣が楽しめる

外堀に沿って桜並木が続いており、撮影スポットとしても人気が高い

南外堀から眺めるのも一興

例年「ソメイヨシノ」のピークを終えると、遅咲きの「八重桜」が見ごろを迎える

施設概要

〒540-0002
大阪市中央区大阪城
電話番号:06-6755-4146(大阪城パークセンター)
休園日:なし ※一部施設を除く ※西の丸庭園は月曜定休(月曜が祝日の場合は翌平日)、年末年始(12/28~1/4)。ただし、サクラの見ごろは臨時開園あり
開園時間:終日 ※一部施設を除く ※西の丸庭園は9~17時(3~10月)、最終入園は閉園時間30分前まで
入場料:なし ※一部施設を除く ※西の丸庭園は大人200円、中学生以下・大阪市内在住の65歳以上(要証明書提示)・障がい者手帳 をお持ちの方は無料
駐車場:有料駐車場あり
見ごろ:3月下旬~4月中旬
イベント:サクラに関するイベント情報はホームページにて随時更新

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