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バラ

バラ

2023/04/25

好みが多様化した現代であっても「お好きな花は何ですか?」と問いかけると、多くの方がバラの名前を挙げられます。バラと一言で言っても、研究や育種・交配が進み、さまざな種類や系統があります。バラの品種数は増え続けており、今回紹介するバラ園にもそれぞれオリジナルの品種があります。初夏に向け、この季節のバラは、徐々に高まる気温を感じて勢いよく花盛りを迎えます。今年の春は、サクラやチューリップなどの花々が例年と比べ、やや急ぎ足で開花を迎えています。バラも気候により早めに見ごろが訪れてしまうかもしれません。ここでは例年の見ごろをもとに、これからシーズンを迎えるバラ園をご紹介いたします。
※2023年4月の情報です。お出かけの際は、事前に公式ホームページなどで最新情報をご確認ください。

花巻温泉 バラ園

花巻温泉バラ園とホテル3館が共演する6月、春のバラが最盛期の写真。夜はナイトローズガーデンとして楽しめます。

花巻温泉バラ園は、花巻の詩人であり童話作家の宮沢賢治氏が設計した「南斜(なんしゃ)花壇」があった場所に、昭和33年に着工し、2年後の昭和35年に開園しました。園内に、賢治氏が設計した「日時計花壇」を体感いただけるほか、総延長100mの「バラのトンネル」やフォトスポットとして「恋人の聖地サテライト」「バラの泉」などの見どころがあり、5000坪の敷地に約450種6000株のバラが植栽されています。世界のバラをはじめ、同園オリジナル品種のバラが観賞でき、バラとともに季節の花々が咲いています。バラのシーズンは大きく分けて年3回あり、春のバラは5月下旬~6月下旬に見ごろを迎えます。5月下旬~10月中旬は「ナイトローズガーデン」として夜間の園内を公開しており、幻想的な風景をお楽しみいただけます。冬季は、温室でクリスマスローズの展示販売などをしており、年間を通してさまざまな花をお楽しみいただけます。

花巻温泉バラ園のオリジナル品種「ホット花巻」。 この品種が花巻温泉で初めて作られたオリジナル品種で、1996年に誕生した。病気に強く、丈夫で初心者にもおすすめのバラ。

花巻温泉のオリジナル品種「ハッピーローズ88」。花巻温泉創業88周年を記念して2015年に誕生した品種。花弁の縁は濃いローズ色で、オレンジから赤色のグラデーションで開花が進んでいく。

総延長 100m の「バラのトンネル」は、色とりどりのバラに彩られたアーチ状のトンネル。噴水に向かう道など園内各所に点在しています。

360度ローズビューなフォトスポット「バラの泉」。まるで映画のワンシーンのような撮影ができ、夜は光が水面を演出。幻想的な空間を楽しめます。

施設概要

〒025-0304
岩手県花巻市湯本1-125
電話番号: 0198‐37‐2111(花巻温泉総合予約センター9:00~19:00)
休園日:なし
開園時間:8:00~17:00 ※時季により開園時間が変わります。ご来園前にお確かめください。「ナイトローズガーデン」は、18:30~21:00(最終入場20:30)です。
入園料:大人 5月下旬~6月下旬(バラの最盛期)1,000円/6月下旬~10月中旬 500円/それ以外は無料 ※宿泊者割引あり、小学生以下無料
駐車場:無料駐車場600台
見ごろ:シーズンは年3回。①5月下旬~6月上旬、②8月上~中旬、③9月中旬~10月中旬。
イベント:上記見ごろのシーズン①と➁に「バラまつり」を開催(年2回)。「ナイトローズガーデン」は、 5月下旬~10月中旬に実施。

敷島公園門倉テクノばら園

例年、春のバラが見ごろを迎える5月中旬~6月上旬に「ばら園祭り」を開催。

敷島公園門倉テクノばら園は、前橋市敷島町の利根川流域にある、総面積37.6haという広大な敷地に約2700本の松が植樹されている「敷島公園」の松林を抜けた西奥に位置します。同ばら園は、約4.5haの面積にモダンローズ、オールドローズ、イングリッシュローズなど世界各国のバラ約600種7000株を植栽しています。緑の芝生広場、そして周囲の松林と咲き誇るバラが織りなす印象的なばら園として愛されています。見どころは、世界中で愛されている「殿堂入りのバラ」全種をはじめ、バラの産地である前橋市のオリジナル品種「あかぎの輝き」など珍しい品種のバラが多く鑑賞できることです。

また、ばら園内に“糸の町”前橋を思い起こさせる「蚕糸記念館」、ばら園が位置する敷島公園内に「萩原朔太郎碑」があり、本市の歴史や文化に触れられます。自然と歴史、文化が織りなす同園は市民をはじめ県内外の方から親しまれている憩いの場となっています。

ばら園の入り口正面では「愛をつなぐアーチ」がお出迎え。

「あかぎの輝き」は、平成22年3月に前橋市オリジナル品種として定められ、同年10月に公募により名付けられました。同種は、蕾の黄色からオレンジ、そして満開の赤へ開花の段階で色の移り変わりを楽しめる珍しい品種です。

園内には多種多様のバラが植栽されており、年2回見ごろを迎えます。

イベント期間中は、夜間のライトアップを実施。日中とは違う園内の表情を楽しめます。

施設概要

〒371-0036
群馬県前橋市敷島町262
電話番号: 027-232-2891(ばら園管理事務所)
休園日:年末年始(12月29日~翌1月3日)
開園時間: 24時間 ※正門西の通用門は常時開門しています。正門(南門)および北門は9:00~17:00のみ開門。
入園料:無料
駐車場:無料駐車場あり。第一駐車場140台、第二駐車場161台、第三駐車場600台(臨時) ※大型バスの駐車は第ニ駐車場のみです。
見ごろ:春バラは5月上旬~6月上旬
イベント:例年「ばら園まつり」を開催。 ※詳細は公式サイトよりご確認ください。

※ばら園内は、令和4年10月1日より補助犬を除きペットの入園は禁止となりました。(キャリーバッグやゲージに入れての入園も禁止)

島田市ばらの丘公園

円形バラ園より一望した園内の景色。バラの最盛期、 5月中旬の様子。丘陵地を生かした庭園ということがよく分かります。

島田市ばらの丘公園は、切り花栽培が盛んでバラの産地としても有名な静岡県島田市に平成4年に開園しました。 1.9haの敷地に、世界各地のバラ約500品種5200本が植栽されています。園内に、趣向を凝らした庭園と大温室があり、雨の日でも気にせずに楽しめます。春と秋のバラが見ごろのシーズンにフェスティバルを開催し、バラ苗の販売や音楽イベント、体験教室などを催しています。
同園は、毎年、新設の花壇を企画しており、年々園内の見応えが増しています。近年では、フランスのデルバール社のバラに特化した花壇や和バラの花壇などを増設し、来園されたお客様から好評です。さらに今年の初めに新設した花壇は、世界バラ会議で選出される「殿堂入りのバラ」を集約し、期待のエリアとして注目されています。また、ここでしか見られない「ミスシマダ」「メモリーオブシマダ」「帯姫」といった、島田にゆかりがあるバラを見られるのも同園の魅力です。お立ち寄りの際は、ぜひご観賞ください。

この他にも公園前に併設している「ばらの館」にあるバラ雑貨専門店「ハートローズ」は、バラの雑貨や「ばらソフト」が人気のスポットになっています。

5月下旬に正面ばら園に咲き誇る「ジュビレ デュ プリンス ドゥ モナコ」は、ばらの丘バラ人気投票で幾度も1位を獲得した人気の品種。

5月下旬の温室内の様子。温室内のバラは、屋外より一足早く咲き始めるので、ゴールデンウイークごろから楽しめます。大温室、トンネル温室を合わせると約100mのバラの通路になります。

5月下旬、3連のアーチの下で、多くの方が写真を撮られます。つるバラは春の一季咲きが多いので、春ならではの光景です。

島田市ばらの丘公園のシンボルローズ「ミスシマダ」は、オレンジがかった鮮やかな赤で、果実を思わせる芳香が特徴です。5月中旬に開花し、公園入り口をはじめ、園内の各所に植栽されています。

施設概要

〒427-0007
静岡県島田市野田1652-1
電話番号: 0547-37-0505
休園日:火曜日 ※5~6月、10~11月は無休。
開園時間: 5~11月は9:00~17:00、12月~翌4月は9:00~16:00
入園料:一般300円、小・中学生150円 ※未就学児無料。季節により変動あり。
駐車場:無料駐車場あり。普通乗用車約500台 ※隣接する中央公園と共用です。
見ごろ:5~6月、10~11月
イベント: 2023年5月13日(土)~6月11日(日)「2023年 春 島田ばらの丘フェスティバル」を開催

※園内はペットのお散歩ができませんが、併設の「ばらの丘ドッグラン」(ドッグラン利用料1匹100円)をぜひご利用ください。

JADMA

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