文・編集
園芸通信編集部
ヒガンバナ
2024/08/27
残暑が10月まで続く近年、秋を味わえる期間が短くなったようにも感じます。そんな中でも日本の秋を満喫したいものです。秋を代表する草花はさまざまありますが、思い起こすのはヒガンバナ(別名 曼殊沙華 まんじゅしゃげ)。夕焼けとヒガンバナが赤く染める景色は、ノスタルジックな秋を味わえるのが魅力です。ここでは9月に見ごろを迎えるヒガンバナの名所をご紹介いたします。
※2024年8月の情報です。お出かけの際は、事前に公式ホームページなどで最新情報をご確認ください。
権現堂公園(幸手権現堂桜堤)
埼玉県営権現堂公園は、敷地内に4カ所の公園があり、その一角に曼殊沙華(以下、ヒガンバナ)の名所「幸手権現堂桜堤(さってごんげんどうさくらつつみ)4号公園」があります。幸手権現堂桜堤は、春にサクラと菜の花でにぎわい、秋にはガラッと一変、真っ赤なヒガンバナが咲きほこって赤いじゅうたんになるのが見どころです。
幸手権現堂桜堤のヒガンバナは、地元のボランティア「幸手権現堂桜堤保存会」によって植えられ、 2006年に「第1回曼珠沙華まつり」を開催し、これまで秋の恒例イベントとして開催されてきました。現在では、堤の約2万7000平方メートルののり面に約300万本の花を咲かせます。ヒガンバナといえば一般的に真っ赤をイメージしますが、赤以外にも白、ピンク、黄などの花も咲くことでちょっとしたアクセントとなって彩りを添えています。
施設概要
〒340-0103
埼玉県幸手市内国府間(うちごうま)887番地3
電話番号: 0480-44-0873
休園日:年中無休
開園時間:4~8月 8:30~19:00、3月と9月 8:30~18:00、10月~翌年2月 8:30~17:00
入園料:無料 ※桜まつり期間中は駐車料金(1,000円)
駐車場:400台
見ごろ:9月中旬~10月上旬
関連イベント:幸手桜高校演劇部のチンドンパフォーマンス、キッチンカーや物産品の販売も予定しています。
新美南吉記念館
愛知県半田市にある「新美南吉記念館」の北を流れる矢勝川では、例年9月下旬~10月初旬に東西1.5kmにわたって300万本ものヒガンバナが咲き誇ります。その様子は、まさに新美南吉の童話「ごんぎつね」に「ひがん花が、赤い布のようにさきつづいていました」と描かれているような景色です。
1990年(平成2年)のこと、南吉と同じ岩滑(やなべ)に生まれ育った小栗大造さんは「南吉がよく散策した矢勝川の堤をキャンバスに、ヒガンバナで真っ赤な風景を描こう」という、壮大な計画を思い立ちました。ただ1人で草を刈り、球根を植えるその姿に、1人また1人と手伝う人が現れ、やがてその活動は「矢勝川の環境を守る会」(現在の「矢勝川の彼岸花を守る会」)へと発展しました。こうして今に至り、秋のお彼岸のころになると令和の世でもなお、童話の里を300万本のヒガンバナが彩るようになりました。
施設概要
〒475-0966
愛知県半田市岩滑西町1-10-1
電話番号:0569‐26‐4888
休園日:毎週月曜・毎月第2火曜日・年末年始(「ごんの秋まつり」期間は無休)
開園時間: 9:30~17:30
入園料:矢勝川堤の散策は無料 ※新美南吉記念館・展示室は観覧料が220円。中学生以下、障がい者手帳をお持ちの方ご本人と付き添いの方1名まで無料。
駐車場: 「ごんの秋まつり」期間中は周辺に有料駐車場あり。新美南吉記念館の無料駐車場は、「ごんの秋まつり」期間中の土日祝日はバスと障がい者専用になるため一般車は駐車できません。公共交通機関のご利用を推奨しています。
見ごろ:9月下旬~10月初旬
関連イベント:ごんの秋まつり 例年9月20日~10月4日に開催。詳しくは下記URLよりご確認ください。
ヨシビ棚田の彼岸花
「ヨシビ棚田」は、福岡県八女市黒木町の大淵地区にあるヒガンバナが群生する棚田です。秋になると、ヒガンバナが色鮮やかな赤い花を次々に開花し、棚田のあぜや土手一面を赤く染めます。その景色は、地元の人から「秋の訪れ」を感じさせる風物詩として親しまれています。
施設概要
〒834-1202 福岡県八女市黒木町大淵
※付近に民家がないため、住所はありません。
電話番号:0943-42-1112(八女市黒木支所地域振興係)
休園日、開園時間:なし
観賞料:なし
駐車場:なし ※数台は、路肩に止めてご観賞いただけます。マナーを守ってご利用ください。
見ごろ:9月下旬
関連イベント:開花期間中は、地元の方による物産販売が行われます。