トマト、ナス、ピーマン、キュウリ、ゴーヤー、ミニメロンなど、多くの春夏野菜の苗が入手しやすくなります。しかし、温暖地でもゴールデンウィーク頃までは遅霜の心配があります。ビニールのトンネルやキャップで苗を防寒するとよいのですが、急に暑くなった時の日中には換気が必要。菜園に何度も通えない、慣れない初心者の方は植えつけをもう少し待ちましょう。種まきの目安でもよく言われる「八重桜が散ってから」は、温暖地だと5月中旬頃。気温が安定するので、より苗の生育時の失敗が少なくなります。
人気の春夏野菜についてポイントを。キュウリなどつる性野菜はもちろん、トマトやナスも苗の植えつけと同時に支柱を立てて誘引すると、風などに対して苗が動かずに根が安定し、生育がよくなります。苗には、成長にしたがって麻ひもなどで支柱に茎を結んで誘引し、余分なわき芽を摘む整枝が必要です。つる性野菜では支柱やネットにつるを伸ばし、茎葉が重ならないようこまめに誘引、整枝します。追肥は野菜の種類と生育の具合によりますが、植えつけ1カ月後くらいから施します。速効性の肥料を用いて、与えすぎないよう注意して施します。
ジャガイモは新しくできたイモに日が当たらないよう、土寄せが必要です。土寄せは2回行います。1回目が草丈5~10cmに伸びた頃、2回目は蕾の見え始めた頃。高さ5~6cmほど株元に土をかぶせます。土寄せと同時に追肥を行います。化成肥料を1平方メートル当たり約20gが目安です。マルチをしている場合は、土寄せは不要で追肥だけ行います。
秋に苗を定植したタマネギが、ようやく収穫時期を迎えます。5月に収穫できるのはやわらかな食味の早生種。家庭で生食や新タマネギとして利用したければ、茎が倒れる前に順次収穫してもよいでしょう。貯蔵性が高い晩生種では6月から収穫になります。収穫後貯蔵する場合、全体の約8割の茎が倒伏したら、天気のよい日にすべて掘り上げます。雨の当たらない場所で1~3日乾かしてから、数株ずつ束ねて風通しのよい場所につるすと、翌年の1月まで保存できます。タマネギは長い栽培期間を要しますが、その間に比較的、手間がかからないのが家庭菜園での魅力です。