家庭菜園に適した場所とは?【家庭菜園初心者ガイド/場所編】
2016/08/04
家庭菜園を始めるにあたり、最初に選ぶべきは「場所」。今回は、家庭菜園に必要な場所の条件と注意点についてご説明します。
家庭菜園を行う場所に必要な条件
家庭菜園を行うには、十分な日光が当たる風通しの良い屋外が最適です。初心者の方は、この2つの条件を満たす場所を選ぶことが失敗しないポイントです。
日当たりの良さ
家庭菜園で最も大切なのは日当たり。野菜の成長に日光は欠かせません。日当たりが良くても窓ガラス越しの室内よりは、やはり直射日光が当たる屋外の方が元気に育ちます。
風通しの良さ
野菜作りには風通しの良さも必要です。遮るものがなく、自然な風が直接当たる広い場所が適しています。屋外でも、軒や庇(ひさし)などがある場所は風通しが悪い場合があるので、注意が必要です。
家庭菜園に適した場所とそれぞれの注意点
ベランダ
ベランダは初心者の方でも気軽に家庭菜園を始められる場所。日当たりと風通し、この2つの条件がどのくらい満たされているかにより、育てやすさや成長の度合いが変わります。
また、ベランダの家庭菜園で大切なのは、植物の大きさに合わせた鉢のサイズ選びです。大きく育つ野菜は、植える鉢も大きなサイズが必要となるので、鉢のサイズを間違えなければベランダでも庭と同じように野菜を作ることが可能です。
注意点は、屋外なので虫が付くということ。1階は虫が付きやすく、高層階になるにつれて虫の被害は少なくなります。ただし高層階は強風の問題があり、風対策が必要に。風で葉がこすれ合い傷つくと光合成が不十分になり、成長に支障をきたすので、支柱を立てて誘引する(支柱に沿わせて茎を止める)ことにより、葉が傷つくのを防ぎましょう。
屋上
ベランダとほぼ同じ環境ですが、直射日光と風がダイレクトに野菜に当たるので、ベランダより成長が早いのが特徴です。
屋上緑化にはゴーヤやキュウリなど、つる性の野菜を植えてカーテン状にする「グリーンカーテン」もおすすめ。これらは足元が枯れやすいので、サンパチェンスなど周囲の温度を下げる花で目隠しをすると、景観を保ちながら打ち水と同じ効果が得られます。
こちらも、建物の高さによっては高層階のベランダ以上に風対策が必要となります。日常的に強い風が吹き付けている場所はおすすめできません。
また、屋上はコンクリートの照り返しが強く、土の中の温度が上がりやすいため、鉢の下にレンガを置き、熱くなったコンクリートに直接鉢を置かないような工夫が必要です。土も乾きやすいので、朝水やりをしても日中に土が乾き、翌朝まで持たないようなら夕方にも水やりをしましょう。
暑い季節は、夜になってもコンクリートの熱が下がらないため、打ち水をして、気温を下げる工夫を。打ち水は乾燥や病害虫対策にも効果があります。
庭・畑
植物は葉や枝が張った分、根も同じ面積を必要とします。日当たりと風通しが良い場所であればベランダでも十分に家庭菜園は楽しめますが、鉢の大きさには制限があるので、より広い面積で土を確保できる庭や畑は、多くの種類の野菜を育てることに適しています。もちろん、ベランダや屋上と同じく、日当たりと風通しが悪い場所は適していませんので注意が必要です。
庭で初めて家庭菜園を行う場合は、土作りが大切です。特に新しい住宅の庭の土は園芸に向かない土であることが多いので、まずは家庭菜園を行うスペースの土をしっかりと耕し、土を入れ替える必要があります。
畑の場合も、まずは土がどのような状態なのかを確認しましょう。最近人気の貸農園(レンタルファーム)では、以前何を作っていたかが分かる作物記録などもあるので、連作障害による失敗を防ぐことができるでしょう。
注意点は、庭も畑も虫が付きやすく、虫による被害が多いということ。虫は追い払うだけではまたすぐに付いてしまいますので、事前の予防や捕殺することが必要となります。
キッチンやリビングなど室内での家庭菜園
屋内でも家庭菜園はできますが、適しているとはいえません。観葉植物などと違い、野菜は育成に必要な条件が多いからです。
例えば日照不足であれば成長に制限を与えることになりますし、室内は空気が滞留し風通しが悪いので、ハダニなどの虫が付いたり、病気が発生しやすくなります。また、エアコンなどの風は冷えたり乾燥したりするため、植物は苦手としています。
基本的に、室内は家庭菜園に適さない場所ですが、初心者の方でも比較的育てやすいのがハーブや葉野菜。早めに収穫できるベビーリーフは失敗も少ないのでおすすめです。
ただし、これらの野菜も日光や風通しは必要なので、日中は外に出したり、日当たりの良い窓際に置いたり、窓を開けて風を当てるなど工夫をしましょう。
また、屋内ほど良い野菜はできないことも留意しておきましょう。
日当たりの悪い場所で家庭菜園をするなら
ベランダや庭はあるけれど日当たりが悪い、というときは、日光をあまり必要としない野菜を栽培してみましょう。育てやすいのはミョウガやシイタケ(ほた木を置けば栽培可能)です。
まとめ
家庭菜園をするにしても場所によってさまざまな注意点があります。日当たりの良さ、風通しの良さの違いが生まれることはもちろんのこと、病害虫の発生などにも影響があることが分かったかと思います。
これから家庭菜園を始めようと考えている方は、育てる環境をチェックしてからチャレンジしましょう。