Vol.10 パセリ|暮らしを彩るハーブのはなし
2016/10/20
存在自体はなじみがあるけれど、苦みがある付け合わせの緑の葉っぱ、とちょっと脇に追いやられがちなパセリ。でも、最近はその栄養価の高さに改めて注目が集まっています。自宅で育てたパセリを使って、パセリのおいしさを実感してみませんか。
パセリってどんな植物?
セリ科特有の爽やかな香りが特徴のパセリ。一般的にサラダや料理の付け合わせのイメージが強いのですが、カロテンや鉄分、ビタミンC、Kが多く含まれる栄養満点のハーブ野菜なのです。独特の苦みやえぐみが苦手…という方も加熱すると苦みが取り除けるので、自宅で育てたパセリをお料理に取り入れてみましょう!
パセリの硬い食感がどうしても苦手な方には、葉が柔らかくて苦みの少ないイタリアンパセリがおすすめです。
これだけ押さえておけばOK!栽培のコツ
発芽までじっくり見守る
タネをまく時期は、温暖地標準で4~5月または9~10月ごろがおすすめです。
パセリは好光性種子(発芽に光を必要とする植物のタネ)なので、タネまきの後に薄く土をかけます。タネをまいてから発芽するまでだいたい10日程度と、少し時間がかかりますが発芽までじっくりと見守ってやりましょう。
ここで失敗しないための一工夫。タネをまいた後、水やりでタネが流されてしまわないように手のひらを土に軽く押し付けて土を平らにします。また、乾燥しないように、いくつか穴を開けたシャワーキャップをタネをまいた鉢にかぶせるのもおすすめ。
タネを深く埋めないので、水やりは常にジョウロのハス口を上に向けて優しいシャワーになるようにして、まいた水が水たまりにならないように数回に分けて丁寧に行います。
日当たりが良すぎる場所は苦手
パセリは乾燥に弱く、真夏に強い日差しが当たり続けるような場所で育てると、パセリの香りは強くなりますが葉が乾いて硬くなってしまいます。
明るめの半日陰のような場所で育てるか、早めに摘み取って柔らかいパセリを味わいましょう♪
収穫時期の目安は?
葉数が13~15枚になったころから、下の方の葉から順次かき取って収穫します。ただし一度にたくさん採ってしまうとその後の成長が鈍ってしまうので、1株に10枚ぐらいは葉を残すようにしてください。
もしも一度にたくさん採れたら…
フレッシュな状態で使うなら必要な分だけ収穫するのが基本。それでも、使い切れなかったパセリは冷凍保存することができます。水できれいに洗って水気を切ってから、葉柄をつけたまま冷凍庫へ。使う直前に取り出して、軽く手でもんで細かくすれば、いろいろなお料理に便利に使えます。
おすすめのパセリレシピ
超簡単!ウマすぎパセリ
パセリは硬さがどうしても気になる…ということで、それを解消するとっても簡単な方法をご紹介します!
材料:パセリ(葉のみ)
作り方:強火で予熱したフライパンに少々の油とパセリの葉を入れてふたをします。そのまま強火で30~40秒加熱するだけ!
※焦げないように注意してください
硬い食感が和らいで、じんわりと甘みが感じられます。これならちゃんと食べられるパセリとして、肉や魚の付け合わせにぴったり☆
ぜひお試しください。
スタッフおすすめ!パセリのおひたし
栄養満点のパセリをたっぷりおいしく食べるためにおすすめなのがおひたし。意外にもしょうゆとの相性がいいです。
塩ゆでして、水分をしっかり絞ってざく切りにしたら、しょうゆをかけるだけ。お好みで少量の砂糖とゴマを加えても。
初めて食べたとき、パセリって、こんなにおいしかったのね…!!と実感しました。
自家製ドライパセリ
収穫したパセリの太い茎は取り、よく水洗いします。
キッチンペーパーを敷いたお皿にパセリが重ならないように並べます。600Wで2分程度加熱して、様子を見ながらカリカリに乾燥するまで追加で加熱します。
できあがった乾燥パセリをキッチンペーパーに包んでギュッと手で握って細かくします。
ビンなどに入れて保存すれば完成!
パスタやオムレツ、ポトフや煮込み料理に一振りすれば見た目も栄養価もアップしますね♪
まとめ
今まで紹介したハーブの中でも、一般的なイメージとしてはひときわ「脇役感」の強いパセリ…。今回、その存在を見直していただけたらうれしいです。
春にパセリを栽培してドライパセリにしてみましたが、シチューやオムレツ、パスタなどの料理に使うたびにパセリへの愛着が増しました!
パセリは栄養価がとても高いので、ぜひ一手間加えておいしく食べてみてくださいね♪
(文:園芸通信編集部)
次回はいよいよ最終回。「ローズマリー」をご紹介する予定です。お楽しみに!