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家庭菜園初心者の病害虫対策〜病気・害虫の予防と対処方法

2017/03/16

家庭菜園初心者にとって、失敗の大きな原因となるのが病害虫による被害。今回は、病気・害虫の予防と対処方法についてご紹介します。

家庭菜園における病害虫の予防と対策

病害虫の予防には、まずは以下の4点をきちんと行うことが大切です。

風通しをよくする

家でも湿気の多いじめじめした場所に害虫が発生するように、風通しが悪いと蒸れて、害虫やカビが繁殖する病気になりやすいので、野菜と野菜の株の間隔や、枝や葉が混み合ったら剪定するなど風通しがよくなるようにしておきます。

泥跳ね対策をする

土の泥跳ねは病害虫の発生源となりやすいので、株元に敷わらやシートを敷くなど泥跳ね防止専用のグッズを使用し、泥跳ねを防ぎます。

予防用の農薬を散布する

トウガラシを使用した食品成分や天然成分の薬剤を使用して、病気や害虫を予防します。中には病気と害虫両方を予防できる商品もあります。

野菜を観察する

葉の裏に虫がいることも。カマキリは虫を食べてくれる益虫です

普段から野菜の様子をしっかり観察することも重要です。水やりの際には、株元だけでなく、葉の裏に異常がないか、虫が付いていないかなど、必ず野菜全体を観察するようにしましょう。きちんと観察していれば、病害虫被害にあったとしても、被害が広がる前に異常に気づくことができるので、被害を最小限に食い止めることが可能になります。

家庭菜園における代表的な病害虫とは

次に、家庭菜園で代表的な病気・害虫を紹介します。

代表的な病気

うどんこ病

キュウリをはじめ、野菜が最もかかりやすい病気です。葉の表面にカビが生え、白い粉が吹いたように白くなります。多湿で風通しが悪くなる梅雨前後に発生しやすいので注意しましょう。食品成分の薬剤で対処可能です。

ウイルス病

モザイク病など、虫などが媒介してウイルスに感染し発症する病気。葉が縮れたりモザイク状になったり、黄色くなるなど、明らかに異常な症状が現れます。効果のある薬剤がなく、ウイルス病になってしまうと、農家など菜園を行っている多くの方に迷惑をかけることになります。

ウイルス病と分かった時点でその野菜はすぐに株元から切って処分するようにしてください。ウイルス病と判断がつかない場合は、葉と虫を袋に入れたり、写真を撮ったりして、園芸専門店などに相談しに行くようにしましょう。

代表的な害虫

アブラムシ

新芽に付きやすく、新芽を刺して汁を吸うことで、ウイルス病などの病気を媒介します。特に付きやすい野菜はナスやピーマンです。食品由来の農薬を散布し、根気強く対処しましょう。

カイガラムシ

種類が多いのが特徴で、アブラムシと同じように吸汁されることにより、葉や茎が変色したり、排泄物にカビが生えてかび病を併発したりします。幼虫期・成虫期では効果がある薬剤が変わることもあります。動かない種類のカイガラムシは歯ブラシで取り除くのもおすすめです。

ハダニ

葉や花などを刺して吸汁するので、吸われた部分が白色や褐色などの斑点になったり、ウイルス病などの病気を媒介して、植物の生育が悪くなります。多く寄生すると、ハダニの出す糸で植物にクモの巣を張ったようになることもあります。食品成分の薬剤などで対処することができます。

家庭菜園における病害虫の対処法

それでは、実際に病害虫の被害にあった場合、どのように対処すればよいのでしょうか。栽培を失敗しないための対処法をご紹介します。

症状に合った農薬の使用

病害虫の防除や駆除には、害虫や野菜の病状に適した農薬の使用が一般的です。農薬は使用できる野菜や使用できる散布回数が決まっているので、薬剤を選ぶときは商品のホームページなどを確認するようにしましょう。また、農薬によって使用時期や使用方法、使用用量なども違いますので、使用方法をきちんと守り、薬剤を散布することが大事です。

園芸専門店などの活用

毎日野菜をきちんと観察し、元気な状態を覚えていれば、病害虫被害にあっても早期発見と対処が可能です。けれども野菜の病気にはさまざまな症状があるので、初心者の方には診断が難しい場合もあるでしょう。

野菜の病害虫被害にあっても原因が特定できなかったり、対処法が分からない場合は、独断で対処せずに、専門店などの園芸相談を活用しましょう。園芸相談を行っているところには園芸相談専門のスタッフが常駐しています。例えば、葉が黄色くなってしまった場合でも、原因が病害虫ではなく、根詰まりなどの生理障害から起こっている場合もあるので、適切な対処をするためにも、専門家へ相談することをおすすめします。

また、相談をする際は、可能であれば実物を持っていくようにしましょう。虫の場合であれば、虫と一緒に虫が付いていた葉も取り持参します。虫を持っていくのが難しければ、虫や葉を写真に撮り、持っていくという方法もあります。電話やメールでの相談を受け付けている専門店であれば、電話では詳細説明が難しく、正しい判断や対処ができないこともあるので、撮った写真をメールに添付して相談するとよいでしょう。

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まとめ

家庭菜園の病害虫対策は、何よりもまず事前の予防と観察が大切です。ただし、どんなに防除を行っていても、大流行している年には防げないこともありますので、観察を怠らず、異常の早期発見・早期対処に努めましょう。また、特定の病気に強い品種もありますので、育てる野菜を選ぶ際のポイントにしてもよいと思います。

JADMA

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