初心者向け!キュウリの栽培方法・育て方のコツ
2017/09/28
夏野菜の一つ「キュウリ」は、採れたてがおいしく家庭菜園でも人気の野菜。今回はキュウリの栽培方法・育て方のコツをお伝えします。
家庭菜園で初心者におすすめのキュウリの苗とは
キュウリは夏野菜の中でも特に病気のリスクが高い野菜。初心者の方は、病気に強い耐病性のある品種を選ぶことが大事です。特に、うどんこ病やべと病は必ずといっていいほどかかる病気で、放っておくとすぐに株全体に広がって枯れてしまうこともあるので、これらの病気に強い耐病性のある品種を選ぶことで、キュウリの栽培を長く楽しむことができます。
キュウリによく出る主な病気
べと病
梅雨時に葉の表面に角ばった黄色い斑点が現れます。
うどんこ病
粉を吹いたような白い斑点が葉の表面に現れます。
初心者におすすめのキュウリの品種
節成りタイプ
フリーダム
「よしなり」よりもうどんこ病に強い品種。節成りタイプですが、株が疲れにくくたくさん実が付くので、たくさん収穫できます。いぼなしでシャキッと歯切れがよく、みずみずしくて爽やかな甘みがあります。サラダや浅漬けに適したキュウリです。
飛び節成りタイプ
よしなり
べと病、うどんこ病という二大病害に極めて強い品種。育てやすいので、初めての方にもおすすめです。歯切れのよい、おいしいキュウリができます。
夏バテ知らず
うどんこ病などの病気にかかりにくく、丈夫なので、家庭菜園におすすめです。梅雨明け後もバテにくく、長期間収穫できます。
実のなり方で選ぶキュウリのタイプ
キュウリには「節成りタイプ」と「飛び節成りタイプ」があります。収穫のタイミングや収穫量は異なりますが、栽培方法に大きな違いはないので、お好みで選んで問題ありません。
節成りタイプ
全ての節ごとに雌花が付いて、実がなります。早くたくさん収穫したい方におすすめ。株が疲れやすくあまり長持ちしないので、水と肥料を切らさないことがポイントです。
飛び節成りタイプ
各節ではなく飛び飛びの節に雌花が付いて、実がなります。親づるよりも子づるにたくさん実が付くので最初の収穫は遅れますが、長期間の収穫が楽しめ、最終的な収量は節成りタイプより多くなります。
その他に、つるを地面に這わせて成長させる「地這いキュウリ」もあります。暑さに強く、ほったらかしでもよく育ちますが、広めのスペースが必要になります。
初心者におすすめのキュウリの苗
キュウリの苗には「自根苗」と「接木苗」があります。
自根苗
種をまいて芽が出たものをそのまま大きく育てます。
接木苗
地下で根となる植物(台木)と地上部になる植物(穂木)の茎をつなぎ合わせて(接ぎ木)できた苗です。自根苗に比べると少し値段は高めですが、病気や連作に強くて、生育旺盛です。
初心者の方は病気に強く丈夫で、失敗などのリスクも低い接木苗がおすすめですが、自根苗に比べると少し価格が高めなので、購入時に確認するようにしましょう。
キュウリの育て方とコツ
ここでは、キュウリの栽培で失敗しないためのポイントを中心に、家庭菜園の流れをご紹介します。キュウリは5月上旬~6月中旬ごろまでに植え付け、7月ごろから収穫が可能です。
事前準備のポイントと注意点
プランター
1株に対して直径30cm以上、深型タイプの大型プランターを用意します。
土
野菜用の培養土を使用します。安価な土は避け、園芸専門店などで売られている安全で品質のよい土を使いましょう。
支柱
1株なら長さ180cmくらいのしっかりした支柱を1本用意します。2〜3株植え付ける場合は、支柱と合わせてネットもあると便利です。
1. 苗を購入します
5月上旬ごろに苗を購入します。苗は節の詰まったしっかりしたものを選びます。
2. 苗を植え付けます
5月上旬から遅くても6月中旬ごろまでに植え付け、支柱を立ててしっかりと苗を根付かせます。仕立て方は1本仕立てです。キュウリは乾燥を嫌うので、土が乾いたら早めに水をやり、乾燥させないようにしましょう。肥料は2週間おきくらいに与えます。また、キュウリは寒さに弱いので、気温が20℃以下になるときは早めに防寒対策を行いましょう。
3. 株をしっかりと作ります
キュウリは株をしっかりと育ててから着果させます。株を育てるのは大体8~10節くらいまで。株元から4節までの子づるは取り除き、8節までは花が咲いても取るなどして株を育てることに専念します。5節目以降の子づるは伸ばしますが、つるの伸びはとても早いので、つるの先に葉を2枚残してその上の部分を手で摘み取るか、ハサミで切ります(摘芯)。古い葉は順次葉かきを行い、通気性をよくします。
整枝・葉かきのポイント
節成りタイプは親づるに、飛び節成りタイプは子づるの1節目に実がなるので、実がなった先のつるに葉を1枚付けて2節目で止めるのがポイント。1節目で止める方法もありますが、初心者の方は2節目がよいでしょう。
また、花の咲くタイミングは品種によって違いますが、目安としては大体葉が10枚前後のころ。節成りタイプのキュウリの場合は下段から連続で実が付いてしまうので、株元から8節目くらいまでに実ったキュウリは早めに採るようにしましょう。
4. 病害虫対策をします
キュウリの栽培で一番大切なのが、病気の早期発見と予防です。キュウリは何よりも病気に注意が必要。うどんこ病やべと病などにかかったら症状のひどい葉を取り、薬剤で防除して、病気の広がりを抑えるなど早めに対処します。
また、気を付けた方がいい害虫はアブラムシ、ウリハムシなどです。特にウリハムシは集中すると被害が大きくなるので、見つけたらすぐに捕殺しましょう。補助的に薬剤の散布も効果があります。
5. 収穫します
キュウリは花が咲いて1週間ほどで収穫することができます。また、収穫適期になると朝は実が小さくても、夕方には収穫できるサイズになっていたり、数日見なかったらヘチマサイズになってしまっていたなどとても成長が早いので、こまめにチェックするようにして、株に負担をかけないように適正サイズで収穫するようにしましょう。
水やりや肥料の管理でも変わりますが、節成りタイプも飛び節成りタイプも夏の終わりごろまでが収穫時期の目安です。
キュウリの栽培を成功させるポイント
病気を防除します
キュウリの栽培で失敗してしまう一番の原因は病害です。病気で葉の表面の色が変わってしまったら、その葉はもう育たないので、病気の広がりを防ぐためにもその葉はすぐに取りましょう。
また、病気の葉を取ることで対処はできますが、葉が少なくなると株の成長に影響が出てしまうので注意が必要です。 病気は見逃さずに早期発見、広げないことが大事です。判断できず不安なときは、該当の葉を持ってお近くの園芸店にご相談ください。
人工授粉は必要に応じて行います
キュウリは、花の下がふくらんでいないのが雄花で、花の下に小さなキュウリのようになっているのが雌花で、雌花と雄花が別々に咲きます。最近のキュウリは受粉しなくても着果するように改良されている品種が多くなっているようですが、株の勢いが弱く全体的に花が少ない場合や、雄花と雌花の数に極端に差があるなどなかなか実が付かない場合は、人工授粉が必要になります。
人工授粉のやり方は、雄花の花びらを全て取り、花粉をむき出しにして、雄花の花粉を雌花の中心にある柱頭に軽く何回か触れさせます。
購入するよりもおいしいキュウリを家庭菜園で
キュウリの栽培方法・育て方のコツをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。 水やりや整枝、病害虫対策などお世話することはたくさんありますが、ポイントを押さえれば立派なキュウリを育てられます。採れたてを食べられるのが家庭菜園の醍醐味です。家庭菜園で収穫した新鮮でみずみずしいキュウリをぜひご自宅でお楽しみください。
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