初心者向け!エダマメの栽培方法・育て方のコツ
2017/11/16
夏が旬のエダマメは、手軽に食べることができて栄養価も高い野菜。ご家庭でも比較的作りやすいため、家庭菜園でも人気です。今回はエダマメの栽培方法・育て方のコツをお伝えします。
家庭菜園で初心者におすすめのエダマメとは
エダマメとは、ダイズを成熟させる前の青いうちに収穫したもののことで、7月から9月ごろに食べる早生、極早生の品種のダイズをエダマメと呼んでいます。しょうゆやみそ用のダイズでも収穫のタイミングによってはエダマメになります。
エダマメの早晩性
エダマメにはさまざまな品種があり、各品種には「早晩性」があります。早晩性とは、作物の開花や収穫に至るまでの栽培期間の長さを基準とした性質のことです。開花や収穫に早く達するものから極早生(ごくわせ)、早生(わせ)、中生(なかて)、晩生(おくて)に分けられます。
初心者の方へのおすすめは、栽培期間が短い早生種。晩生種は栽培期間が長くなるため失敗のリスクが高まりますが、ゆっくりと育てる晩生種のエダマメの中にも独特なおいしさを持った品種があります。
種と苗の成功率の違い
エダマメには種から育てる方法と苗から育てる方法があります。マメ類は移植を嫌うので、苗の植え付けがうまくいかないと枯らしてしまう可能性があるため、初心者の方は種から始めると安心です。
また、苗から始める場合も、小さな苗を植え付ける方が失敗しません。目安は芽が出て本葉が出始めたくらいの苗。苗が育ち、大きくなるほど定植しづらくなります。定植するときはなるべく根を動かさないようにして、植え傷みさせないことがポイントです。
プランター栽培と露地栽培の成功率の違い
エダマメはベランダなどでプランター栽培することも、庭や畑などで露地栽培することも可能です。
露地栽培の場合は種まき時の鳥害や、肥料のやり過ぎで窒素過多になって花が咲かなくなったりしないよう注意が必要です。プランター栽培では水やりさえ不規則にならなければ、株は小ぶりながら失敗は少ないので、初心者の方は、プランター栽培から始めるとよいでしょう。
初心者におすすめのエダマメの品種
おつな姫(R)
一番おすすめの品種。見た目は普通の白毛のエダマメですが、食べると茶豆のような香り、甘み、コクが口いっぱいに広がります。丈夫で育てやすく、収量も抜群。
天ヶ峰
極早生で早く種まきのできる品種です。種まきの時期をずらせば採れたてを毎日楽しめます。早く収穫できる割に3粒莢がたくさん収穫できます。
夏の装い
香りよく、甘みが強く、抜群においしい黒豆。風味と甘みとモチッとした食感が織りなす独特の味は、一度食べるとやみつきになります。6月上旬までまくことができる早生種。収穫期の目安は、莢がパンパンに膨れる一歩手前くらい。何莢か試食しながらタイミングを計ってください。
エダマメの育て方とコツ
ここでは、エダマメの栽培で失敗しないためのポイントを中心に、家庭菜園の流れをご紹介します。エダマメは4月上旬から5月上旬に種まきをして、一番早い品種で約75日、時期としては7月の中旬ごろからの収穫が可能です。
事前準備のポイントと注意点
プランター
深さ25cmくらいの標準プランターを用意します。
土
安価な土は避け、園芸専門店などで売られている安全で品質のよい野菜用の培養土を使います。
1. エダマメの種をまきます
4月上旬から5月上旬に種まきをします。一般的に夏野菜は寒さに弱いため、初心者の方には5月上旬くらいがまきやすい時期ではありますが、暑さによる乾燥で実が付きにくくなるなど、エダマメは種まきの時期によってその後の成功率が変わってくるので、できれば4月中の種まきがおすすめです。
寒さが心配な方は、4月下旬でも大丈夫です。4月中に種まきをしたら、不織布などで防寒対策をしっかりと行いましょう。
2. まいた種の保護をします
エダマメは鳥害があるので、露地栽培の場合は、防寒も兼ねて不織布などで種をガードした方がよいでしょう。ベランダなどでのプランター栽培の場合は、そこまで心配する必要はありません。
3. 芽が出たら花が咲くまで成長を見守ります
芽が出たらひと安心。病気はほとんど出ないので、害虫の防除をしながらエダマメの成長を見守ります。
4. 花が咲き始めたら水切れと害虫に注意します
種をまいてから50~60日くらいで花が咲きます。水切れを起こすと実が育たないので、花が咲いたら、水やりを忘れないようにしましょう。露地栽培の場合は花が咲くタイミングで追肥と土寄せをします。
また、同じタイミングで害虫が卵を産み付けにやってくるので、防虫ネットなどを使って防除しましょう。
5. エダマメを収穫します
エダマメは、花が咲いてから30~40日くらいで収穫できます。品種の違いと株の状態にもよりますが、一般的には6月下旬~8月中旬ごろまで楽しめます。
初心者が家庭菜園でエダマメの栽培を成功させるポイント
エダマメを育てる上で大切なポイントは「水やり」と「害虫対策」です。
花が咲いたら水を切らさないようにしましょう
花が咲いて実が育つ間に水切れを起こすと、株は大きく育っているのに莢が付かず、エダマメの実がならない状態になってしまいますので、水やりを忘れないようにしましょう。水やりのタイミングは、土が乾いたら、たっぷりとやるようにしてください。
露地栽培の場合は、基本的に水やりは天候次第で、タイミングよく雨が降ることが成功の条件となります。花が咲くタイミングを梅雨に合わせて種まきをすることで実がなる成功率を上げられますが、前述したように、初心者の方はプランター栽培の方が安心です。
プランター栽培の場合も、土が乾いたら、水をたっぷりとやるようにして水を切らさないように気を付けましょう。
ネットなどを使用して害虫から守りましょう
エダマメは害虫による被害が多く、特にカメムシがよく付きます。種類によって、葉をかじるもの、実に付くものがいます。
また、花が咲き、莢が育つころに卵を産み付けにやってくるマメシンクイガにも注意が必要です。マメシンクイガの幼虫は卵からかえった後に莢の中に食入して育つため、気づかないこともあるので、食品成分由来の薬品などで防除するとともに、早い時期からネットを掛けておくとよいでしょう。ネットを固定しておくことで、虫がネット内に侵入するのを防ぐことができます。
夏の栄養補給に!家庭菜園で育てたエダマメを味わう
エダマメの栽培方法・育て方のコツをご紹介いたしました。エダマメは、水やりと害虫対策に気を付ければ、比較的手間をかけずに育てられます。
旬の時期に食べる、採れたてのエダマメは、栄養価も高く本当においしいもの。今年の夏は自分で育てたエダマメを収穫して、ぜひ味わってみてください。エダマメは採れたてが一番おいしいので、収穫したらゆでてすぐに食べるようにしてください。
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