初心者向け!オクラの栽培方法・育て方のコツ
2018/01/25
栄養価が高く、夏のネバネバ食材として人気のオクラ。ビタミンB1・B2・C、カロテン、カルシウム、リン、鉄、カリウムなどを多く含みます。
オクラは比較的育てるのが簡単で収穫量も多く、ハイビスカスに似た黄色の花を楽しむこともできるため、家庭菜園でも人気がある野菜です。今回は、オクラの栽培方法・育て方のコツをお伝えします。
家庭菜園で初心者におすすめのオクラの品種
オクラには角オクラや丸オクラなど、さまざまな品種があります。育て方に違いはないので、お好みで選んで大丈夫です。
オクラは露地栽培では人の背丈よりも大きく成長します。ベランダなどの限られたスペースで家庭菜園を行う場合は「ピークファイブ」など、草丈がコンパクトでプランター栽培向きのオクラを選ぶと育てやすいでしょう。
角オクラ ピークファイブ
葉が小さいので密植でき、狭い場所でも栽培可能。草丈が低く倒れにくく、下の方からどんどん収穫できて生育も旺盛なので、長くたくさん採れます。
丸オクラ みどり丸ノ助
角莢オクラに比べて柔らかく、採り遅れても硬くなりにくいので、小果から大果まで長期間収穫できます。
角オクラ 満天(R)
背丈が低く、家庭菜園やベランダなどで扱いやすいオクラです。果長7~8cmで収穫します。
種と苗、どちらが初心者向き?
オクラは、種から始めても苗から始めても育てやすさにあまり変わりはありませんが、初心者の方はポット植えの苗から育てる方がより育てやすいでしょう。気温が安定する前に種をまいて失敗するケースが多いので、急がず、気温が十分に上がってから種をまくようにしましょう。
オクラの育て方とコツ
ここではオクラの栽培で失敗しないためのポイントを中心に、家庭菜園の流れをご紹介します。オクラはその年の気候によりスタート時期が異なりますが、大体5月中旬~6月末ころまでに苗を植え付け、または種まきを行います。
事前準備のポイントと注意点
プランター
1ポット(苗3〜4株を分けずに植えます)につき直径30cm以上、深さ30cm以上の深型タイプの大型プランターを用意します。長型65cm幅プランターの場合は2ポット(6~8株)を植え付けることができます。
土
園芸専門店などで売られている安全で品質のよい野菜用の培養土を使用します。
支柱
花が咲いたら株を支えるために使用します。150㎝程度のしっかりした支柱を花が咲くまでに用意しておきましょう。
1. 種まき、または苗の植え付けをします
種まきは、気温が安定する5月中旬以降に行います。9cmポリポットまたは直(じか)まきいずれも直径4~5cm、深さ1cmくらいの穴を作り、4~5粒をまいて1cmほど土をかけ、手で軽く押さえて水やりします。
苗の植え付けは、5月中旬から遅くても6月下旬くらいまでに行います。オクラの苗は4月下旬ごろから販売が始まります。5月中旬以前に植え付ける場合は、オクラにとってはまだ寒いので、不織布などで覆うか、ホットキャップをしてしっかり保温します。
2. 害虫対策をします
プランター栽培の場合は病気の心配はあまりありませんが、害虫対策が必要です。定期的に葉の裏などをチェックして、食品成分由来の薬剤などで防除するようにしましょう。
3. 花が咲いたら支柱を立てて追肥をします
発芽、または植え付け後、1カ月くらいで花が咲き始めます。オクラは株が倒れやすいので、花が咲いたら支柱を立てて苗を支えましょう。また、同じタイミングで追肥をします。追肥は、花が咲いたころから10日~2週間ごとに定期的に行ってください。追肥には、固形肥料と液体肥料を使います。活力剤は不要です。
4. 整枝をします
実がなるころにはだいぶ株が大きくなっているので、葉が混み合っている場所は葉を取り、風通しをよくしましょう。
実を採り続けて上の方に実がなるようになってきたら、オクラの実の下の葉1枚を残して他の葉を全て取り、株姿を整えます。
5. オクラを収穫します
花が咲いて3~4日ほどで収穫できるようになります。オクラは成長が早く、収穫が遅れると実が硬くなり、食べられなくなってしまいます。採り遅れないように気を付けましょう。露地栽培は9月ぐらいまで、プランター栽培は8月いっぱいぐらいまで収穫できます。
初心者が家庭菜園でオクラの栽培を成功させるポイント
オクラは比較的手間がかからなくて、放任栽培できる野菜ですが、以下のポイントを押さえておかないと失敗することもあるので、必ず押さえておきましょう。
発芽適温を守る
気温が低いと種をまいても芽は出ません。種から育てるときは、必ず気温が安定してから種まきをしましょう。発芽に必要な温度は、25~30℃です。八重桜が咲くころを目安にするといいでしょう。種まきは6月ごろまでできるので、焦らず、気温が安定してから始めるようにします。
購入した苗は株分けせずにそのまま植え付ける
移植を嫌うので、苗から育てるときは双葉や本葉が2~3枚程度のあまり育ち過ぎていないものを選びます。
オクラの苗は3~4株が1つのポット苗として売られているので、苗を株分けしてしまいがちですが、根鉢を崩したりして移植に失敗すると枯れてしまうので、購入した苗はそのまま植え付けるようにしましょう。
害虫対策は早めに行う
害虫対策は早めに行うことが大切です。食品成分由来の薬剤などを散布したり、定期的に葉の表や裏などをこまめにチェックして、早いうちに見つけて対処するように心掛けましょう。初期はアブラムシやガの幼虫、ヨトウムシなどに、後半はカメムシなどに注意が必要です。
収穫適期を逃さないように気を付ける
オクラは1日でも収穫が遅れると成長し過ぎて実が硬くなり、食べられなくなってしまいます。収穫適期を逃さないように気を付けましょう。実がなっていることに気付かず見逃してしまうことも多いので、花が咲いたら、毎日よく観察してください。収穫の目安は、莢の長さが5~8cmくらいです。
また、収穫の時期も後半になると、オクラの実が曲がる、いぼが出るなどの症状が出ることがありますが、収穫のタイミングさえ遅れなければ問題はないので、収穫して食べることができます。
ネバネバ食材「オクラ」で夏を元気に乗り切って
オクラの栽培方法・育て方のコツをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
オクラは夏バテ対策にもよい栄養価の高い食材ですが、購入すると意外と高いもの。家庭菜園で育てれば次々と収穫できるので、重宝します。
家庭菜園で作ったオクラの持つ栄養とパワーで、夏を元気に乗り切ってください。
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