草花をタネから育て、芽が出て、やがて花が咲く。この上なく楽しいことです!
初めてのタネまきでも失敗が少なく、自分流のアレンジも自在なパンジー・ビオラ。春の風にそよぐ花姿を楽しみに、タネまきから始めましょう。
秋から冬、そして春までの長い期間、色彩豊かな花を咲かせ続けてくれるパンジー・ビオラは、日本のみならず、世界の花壇で愛されている秋まき一年草です。本来のパンジー・ビオラはヨーロッパの冷涼な地方が原産地で、冬の寒さで花芽を付け、日が長くなると開花してくる性質を持っています。そのためパンジーは春のシーズンしか楽しむことができませんでした。
サカタのタネが育成している品種の多くは、秋から冬、そして春までの3シーズン開花し続ける特性を持っています。個性的な品種が次々と開発され、どの品種を育てようかと迷うほど多種多様になりました。バラエティー豊富な品種の中から、お好みの花をぜひ見つけてください。年内から開花させるのなら「ピエナ」や「フルーナ」、「よく咲くスミレ」などが特におすすめです。少し遅めにタネをまいて、春早くに最もきれいに咲く「虹色スミレ」や「モルフォ」なども春の華やかさを演出してくれます。
現在では3シーズン楽しめるパンジー・ビオラですが、やはり最も輝きを増すのは日が長くなり気温が上昇してくる3月以降です。物思いにふけったように小首をかしげた花弁が、春風に優しく揺れる姿はとても愛らしいものです。
タネまきの計画には、やはりパンジー・ビオラを外すわけにはいきません。早速タネまきの準備、品種選びを始めましょう。
秋、冬、そして春と長く楽しめ、色の種類も豊富なパンジー・ビオラです。花壇草花として人気の高い花を、タネから育ててみませんか。
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彩り鮮やか よく咲くミックスとにかくよく咲き、花盛りのガーデンが長期間楽しめます。ビオラの性質を受け継ぎ、花付きや株張りも抜群!明るい花色で寒い季節の庭を華やかに彩ります。
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個性派パンジーの決定版!輝くような花色、表情豊かな色幅で人気です色幅のある個性豊かな人気の「虹色スミレ」を、バランスよくミックスしました。
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パッと目を引く濃淡のコントラストが魅力!秋から冬を越えて春まで咲き続ける、サカタのタネ自慢の定番パンジー。
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定番人気!ブロッチ(斑)がとってもキュート!誰でも上手に咲かせられて、夏の猛暑を越えたころにタネまきしても、秋から咲きます。
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クリアな花色が集合!明るい花色が映える中輪種鮮やかで美しいラインアップから色を組み合わせました。
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フリンジの強い花がゴージャスフリンジが美しいユニークな花色の混合です。春咲き系。
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目を引く究極の花色! 上品なブルーとイエローモルフォ蝶が群れ飛ぶさまを思わせる明るいブルーが特長。株によって色幅のあるブルーや黄色の花が咲き、個々に美しく人気です。
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サカタのタネの情熱と技術の結晶!自信を持っておすすめする傑作パンジー高温期でも草姿が乱れずコンパクト。クリアでカラフルな上向きに咲く大輪花です。
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まとまりのよい株にきれいな花が次々と咲き続けるいろいろなカラーを一度に楽しめるミックス。従来品種と比べ開花が早く、株張りがよく、かつコンパクトな草姿になります。高温期の栽培でも縦方向に伸びにくく、花立ちがよいです。
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花つき抜群!個性豊かでユニークな花色開花が早くコンパクトにまとまります。寒い時期でもたくさん花が咲く優れものです。
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透明感のある魅惑の花色ピンクからアプリコット、ローズまでの色幅が魅力。
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カーペットのように広がりあふれるように咲く!株が這うように成長するので、大きな鉢に苗を定植すると、鉢からあふれるように咲き、見事な鉢植えになります。クリーピングタイプのビオラの中では開花の早さが特長。まとめて植えるとカーペットのように広がって美しいです。
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丈夫で花持ち・花付きよいビオラ花弁の厚い黄色の花が、ガッチリした草姿に咲きます。開花が早く耐寒性があり、冬の間も花が咲く性質の強い品種です。
発芽適温は20℃前後、秋の彼岸ごろがまきどきですが、秋から咲かせるためには、夏まきします。夜温が下がり始める8月中旬以降、冷房の効いた室内で発芽させるとよいでしょう。
まき土は、病気や害虫の心配がない新しい用土を使うようにします。市販のタネまき専用土を使うか、赤玉土5:川砂1:ピートモス4の配合土を使うようにします。ピートバンを利用してもよいでしょう。まく容器は、小鉢や、アイスクリームの空きカップなどの底に穴を数カ所開け、よく洗って使うようにします。
用土を入れたら、表面を平らにならし、タネが重ならない程度の密度にばらまきし、バーミキュライトでタネが隠れる程度に薄く覆土します。発芽するまでは、鉢受け皿を使い底面かん水にしておけばタネが流失しません。
暑い時期ですので、万一、発芽に失敗したリスクを考え2~3日ずつずらし、数回に分けてタネをまくことをおすすめします。
タネまき後5~7日ほどで発芽するので、苗が徒長しないよう徐々に朝夕の日光に当てます。日中の晴天時はまだ光線が強いので、寒冷紗などで日よけをし、涼しくします。また、苗が小さい間は強い雨風に当てないよう注意が必要です。本葉が2~3枚になったら6cmポットに植え込みます。育苗用土は市販の培養土に腐葉土2割を混ぜたものか、赤玉土(小粒)、腐葉土を半々に混合したものに、ピートモスを3割混ぜたものを使うようにします。鉢内に根が伸びだしたころから、10日に1度の割合で液肥を与えます。
移植した苗は活着するまでの2~3日は日陰で養生してから、徐々に日に当てます。幼苗の間は乾燥に弱いので、細かいハス口のあるジョウロで、表面が乾いたら静かに水やりし、温度管理に注意します。
ポットに根が回ったら15~20cm間隔に定植します。植える場所は日当たりや風通し、水はけのよい場所が適しています。植え付けの1~2週間前に1平方メートル当たり苦土石灰100gをまいて、深さ30cmくらいまで掘り起こし、定植直前に堆肥3kg、化成肥料100gをすき込んでよく耕します。プランターに植える場合は市販の培養土を使うか、育苗用土に堆肥を2割、化成肥料を用土10L当たり20gを混ぜて土ごしらえをしておきます。
ポットに根が回ったら、苦土石灰をまいてよく土ごしらえした場所に定植する
定植する苗の根がびっしり張っていたら、根鉢の底の部分を指でほぐし、土を落としてから植えると活着が早まります。くれぐれも土を落とし過ぎないよう気を付けます。石灰と堆肥や肥料を同時に施すと、効果が薄れるので、別々に混ぜましょう。
秋から冬、そして春と、花を咲かせながら成長するため、定期的な追肥が必要です。咲き始めは肥料の三要素の中でもリン酸、カリ分が多く含まれている配合肥料を月に1度与えます。花をきれいな状態で長く咲かせるためには、咲き終わった花がらを付け根から摘みます。よく開花させるためには日光によく当て、窒素肥料を控えぎみにし、水やりも株がややしおれてきたら与えると、徒長のないしっかりとした株に育ちます。
秋から開花させるには8月20日前後にタネをまきますが、9月中旬までにタネをまけば年内に開花します。9月下旬まきでも年明けには開花しますので、一度にタネをまかず、何回かに分けると、失敗のリスク分散にもなります。
2018年5月1日更新
菅野政夫(かんの・まさお)
1952年山形県生まれ。神奈川県立相模原公園副園長、サカタのタネグリーンハウス館長。1973年坂田種苗株式会社(現(株)サカタのタネ)入社後、試験場勤務20年以上、オステオスペルマムなど栄養系植物の栽培・育種に携わる。