2018/07/19
サラダ、スープ、炒め物など普段の食卓でも登場回数が多いキャベツ。胃腸を整える働きの他、栄養価も高く、さまざまな調理法で日々食べていきたい野菜です。
キャベツならではの成分として「キャベジン」と呼ばれるビタミンUを含むことが特徴で、市販の胃腸薬にも使用されていることでも有名ですね。ビタミンUは、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の予防や治療によいといわれている他、荒れて傷ついた胃の粘膜や肝臓の機能回復にも期待できるといわれています。
また、ビタミンCが豊富に含まれていることも特徴です。このビタミンCは、キャベツの捨ててしまいがちな外側の葉や芯に特に多く含まれているといわれています。
「食べた後に眠たくなる、食べた後に頭がぼーっとする」……そのような方も多いのでは? 実はそのような方にもキャベツはおすすめ食材の一つなのです。
薬膳では、「食べた後に眠たくなる」のは胃腸の弱り、お疲れのサインとされています。キャベツの薬膳的な働きは、胃腸を整えて身体を元気にしてくれますので、そんなサインが出たときにはキャベツの力で胃腸力を上げていきたいですね。
食べ過ぎや胃もたれや胃痛、おなかの張り、口内炎、げっぷなどの改善や、二日酔いのむかつきにも効果的。胃腸力を上げると、身体へ栄養が届きやすくなりますので、頭もすっきり元気につながります。
そのため、疲労回復や虚弱体質の改善にも有効だといえます。キャベツに含まれるビタミンCやビタミン Uは火を通すと損なわれるので、生で食べるのがよいとされていますが、たくさんの量を食べたいときには、ゆでる、煮るなど、火を通して調理するのがおすすめです。煮込みの料理では、キャベツの栄養が溶け出しているので煮汁も一緒に飲むとよいですね。
レモンとショウガですっきりした後味。
材料(2人分)
- キャベツ…100g
- 塩…小さじ1/4
- レモン…20g
- ショウガ…少々
作り方
- キャベツは太めの千切りにし、塩をする。
- レモンは皮をすりおろし、レモン汁を搾る。
- ショウガは千切りにする。
- 1のキャベツの水気が出たら軽く絞り、2のレモン汁、レモンの皮、3のショウガを加えて混ぜ合わせる。
北山 彩子(きたやま・さいこ)
薬膳料理研究家。薬膳フードデザイナー。
学習院女子短期大学家庭生活学科食物専攻 卒業後、多忙な会社員生活を送る中で、食の大切さを認識し、薬膳に興味を持つ。国立北京中医薬大学日本校中医薬膳専科および中医中薬専攻科を卒業し、同中医臨床研究科に所属。国際中医師、国際中医薬膳師、中医薬膳師の資格を持つ。東京・自由が丘にて主宰する薬膳料理教室「FOOD and LIFE」やテレビ・雑誌出演を通じ、誰にでもできる身近で家庭的な薬膳料理を提案している。
ホームページ:http://foodandlife.co.jp/