2018/09/20
「いつまでも身体も心も元気で過ごしたい」そう思いませんか。薬膳は、身体や心を健康に保つための食事です。薬膳で身体と心を健康に保つためには、血液の流れがスムーズであることが大切なことの一つであると考えられています。その血液の流れには、十分な血液量が必要です。「量があり」「流れが整うこと」で血液の質が上がり、身体と心の元気につながると考えます。
薬膳では「ホウレンソウ」は血液の量を増やす働きを持つといわれている食材ですので、血液の質を上げるのに適しています。
女性は特に血液の量が足りない傾向にあるといわれていますので、ホウレンソウは強い味方。薬膳では、血液量が足りないときには、貧血だけではなく、顔色が悪い、乾燥肌、ころころした便、目の充血、目の乾燥、爪の乾燥、足のつりなどの身体への症状のほか、不安感、心配などの心の症状が現れることもあると考えます。
また栄養学的にも、ホウレンソウに含まれる鉄分は、血液中の酸素を全身に運搬するヘモグロビンの成分であり、不足すると貧血や筋肉疲労、頭痛や息切れなどの症状が現れます。
また、鉄分の吸収を高めてくれるビタミンCも含まれています。ホウレンソウに豊富に含まれている葉酸は、鉄分の吸収を促進しますので、血を補うには効果的な食材といえるでしょう。アクとなるシュウ酸は、鉄分やカルシウムの吸収を悪くするのでゆでて水にさらしてから食べますが、水につけるとビタミンCが流出するので短時間にしましょう。
根元の赤い部分には、骨の形成に重要なミネラルであるマンガンが含まれるので、ホウレンソウを食べるときには捨てずに丸ごと使いたいですね。血液量を補い、血質を改善することは、身体も心も健康であるために大切なことなのです。
ホウレンソウとごま油は、腸を潤す働きがあるといわれているので、慢性的な便秘でお悩みの方におすすめの組み合わせです。
材料
- ホウレンソウ…240g(1把程度)
- ごま油…大さじ 1
- しょうゆ…大さじ 1
作り方
- ホウレンソウは洗い、さっと下ゆでをする。ゆでたら水に取る。
- 1のホウレンソウを赤い根元の部分は残したまま、5cm長さに切る。赤い根元の部分は食べやすいように縦半分~1/4に切る。
- 焦がししょうゆを作る。フライパンにごま油を熱し、温まったらしょうゆを入れてふたをする。音が静かになったらふたを取り、よく混ぜる。
- ボウルに2のホウレンソウと3の焦がししょうゆを入れ、混ぜ合わせる。
※焦がししょうゆは、煮詰め具合により濃度が変わります。お好みの味になるように煮詰め時間をご調整ください。
北山 彩子(きたやま・さいこ)
薬膳料理研究家。薬膳フードデザイナー。
学習院女子短期大学家庭生活学科食物専攻 卒業後、多忙な会社員生活を送る中で、食の大切さを認識し、薬膳に興味を持つ。国立北京中医薬大学日本校中医薬膳専科および中医中薬専攻科を卒業し、同中医臨床研究科に所属。国際中医師、国際中医薬膳師、中医薬膳師の資格を持つ。東京・自由が丘にて主宰する薬膳料理教室「FOOD and LIFE」やテレビ・雑誌出演を通じ、誰にでもできる身近で家庭的な薬膳料理を提案している。
ホームページ:http://foodandlife.co.jp/