プランターで始める家庭菜園!初心者におすすめの野菜・ハーブ16選
2025/01/28
家庭菜園に興味はあるけれど、失敗したらどうしようと不安な方もいるかもしれません。そんな方には初心者でも挑戦しやすい「プランター栽培」がおすすめです。
この記事では、はじめて家庭菜園に挑戦する方のためにプランター栽培ではどのような野菜を選ぶとよいか、どんな材料や道具が必要かなどを詳しく解説していきます。野菜を上手に栽培するポイントを抑えて、楽しく家庭菜園を始めましょう!
目次
プランター栽培の魅力やメリットとは?
家庭菜園の方法には「地植え」と「プランター栽培」があります。
地植えとは、畑や花壇などの地面に直接野菜を植える栽培方法です。根を地中深くまで伸ばせるため、野菜が丈夫に育ちます。土壌が雨などの水を吸収して蓄えるので、よほど乾燥していなければ水やりの頻度に気を使う心配もありません。しかし、病害虫対策がしにくいなどのデメリットもありますし、庭がないマンションなどでは難しいです。
一方でプランター栽培とは、プランターや鉢に野菜を植える栽培方法です。マンションのベランダなどの狭いスペースでも家庭菜園が可能なことが大きなメリットです。また、プランター栽培ならプランターの置き場所を簡単に移動できるので、日に当てる時間を調整できます。時々プランターを回して野菜全体に日光が当たるようにすることで徒長(節間が延び、弱々しく伸びること)を防げます。さらに、作物に合った排水のよい土で植え付けることができ、根腐れを起こす心配が少なく、初心者でも挑戦しやすいという特徴があります。
簡単に育てられるプランター栽培におすすめの野菜13選
家庭菜園に初めて挑戦する方のなかには、野菜の栽培は難しいという印象を持つ方もいるかもしれません。そこで今回は、初心者でも比較的育てやすいプランター栽培におすすめの野菜を13選、ご紹介します。
ミニトマト
- ● 種まき時期:3月上旬〜5月中旬 発芽地温20~30℃(初心者には苗からがおすすめ)
- ● 植え付け時期:5月上旬〜6月下旬
- ● 収穫時期:6月中旬〜10月中旬
※記載している時期は目安です。地域や条件、品種に合わせた栽培をおすすめします。
ミニトマトは成長が早く、開花から50日ほどで収穫ができます。人工授粉が不要で、長い期間収穫が可能です。また大玉トマトに比べて実が付きやすく、収穫量が多いのも初心者にはうれしいポイント。種からでも苗からでも育てられますが、初心者は苗から育てた方が栽培しやすいのでおすすめです。
ナス
- ● 種まき時期:2月上旬〜3月上旬 発芽地温25~30℃(初心者には苗からがおすすめ)
- ● 植え付け時期:4月下旬〜5月上旬
- ● 収穫時期:6月中旬〜10月中旬
※記載している時期は目安です。地域や条件、品種に合わせた栽培をおすすめします。
一般的にナスは、夏の暑さや雨に強く、手入れが簡単なため初心者でも育てやすい野菜です。ベランダで育てる際は日光がよく当たる場所にプランターを設置し、水が不足しないよう意識することが栽培成功のポイントです。肥料を十分にやり、収穫後の剪定を行うなど、上手に育てると秋口まで収穫ができます。種からでも苗からでも育てられますが、初心者は苗から育てた方が成功しやすいのでおすすめです。
ゴーヤー
- ● 種まき時期:3月下旬〜5月上旬
- ● 植え付け時期:5月上旬〜6月上旬
- ● 収穫時期:7月上旬〜9月下旬
※記載している時期は目安です。地域や条件、品種に合わせた栽培をおすすめします。
ゴーヤーは、別名「ニガウリ」や「ツルレイシ」とも呼ばれるつる性の夏野菜です。栽培にはつるを絡ませる支柱やネットが必要ですが、暑さや病害虫に強いためお手入れの手間がかからず、初心者の家庭菜園におすすめです。つるや葉が豊富に育つ特徴があり、グリーンカーテンとしても利用できます。種からでも苗からでも育てられますが、初心者は苗から育てた方が成功しやすいです。
青シソ(大葉)
- ● 種まき時期:4月〜5月(初心者は苗からがおすすめ)
- ● 植え付け時期:4月下旬〜6月上旬
- ● 収穫時期:5月下旬〜10月下旬
※記載している時期は目安です。地域や条件、品種に合わせた栽培をおすすめします。
シソには青シソと赤シソがあります。別名「大葉」と呼ばれる青シソの葉は、香りが豊かで食卓でもなじみ深い品種です。一方、赤シソは日本に古くから群生し、赤い葉を梅干しや漬物の色付けに使われることが多い品種です。青シソは、暑さに強く丈夫で多少の日陰でも育ち、生育旺盛で1カ月程度で収穫ができます。日本の風土に合っているため、育てやすい野菜です。
リーフレタス
- ● 種まき時期:3月下旬〜5月上旬
- ● 植え付け時期:5月上旬〜6月上旬
- ● 収穫時期:7月上旬〜9月下旬
※記載している時期は目安です。地域や条件、品種に合わせた栽培をおすすめします。
レタスは「結球タイプ」「半結球タイプ」「非結球タイプ」に分かれており、リーフレタスは玉のようにならず成長する「非結球タイプ」に分類されます。レタスの根は浅く張る特徴があるため、プランターでも栽培が可能です。ほかのレタスの品種に比べて成長が早く、植え付けから1カ月ほどで収穫できます。
葉ネギ
- ● 種まき時期:2月下旬〜10月上旬
- ● 植え付け時期:5月上旬〜6月上旬
- ● 収穫時期:7月上旬〜9月下旬
※記載している時期は目安です。地域や条件、品種に合わせた栽培をおすすめします。
葉ネギは「万能ネギ」とも呼ばれ、さまざまな料理の彩りとして使える便利な野菜です。病害虫の被害に遭いづらく、栽培期間が短いので初心者にも育てやすいのが特徴です。株元を3cmほど残しておくと新芽が伸びてくるので、数回にわたって収穫ができます。
コマツナ
- ● 種まき時期:3月中旬〜10月中旬
- ● 収穫時期:種まきから30~40日後(春まき)、種まきから80~100日後(冬まき)
※記載している時期は目安です。地域や条件、品種に合わせた栽培をおすすめします。
コマツナはほぼ一年を通して種まきが可能な野菜です。家庭菜園経験者からは育てやすい野菜として知られており、初めての家庭菜園におすすめです。基本的に寒さに強い特性を持っている野菜ですが、長期にわたって低温が続くと花芽ができやすくなるため、初心者の方はトウ立ちが遅い品種を選ぶのが成功のコツです。
ミニハクサイ
- ● 種まき時期:4月上旬〜下旬(春まき)、8月上旬〜下旬(夏〜秋まき)
- ● 植え付け時期:4月上旬〜7月上旬、8月上旬〜11月下旬
- ● 収穫時期:6月中旬〜7月中旬、10月中旬〜12月下旬
※記載している時期は目安です。地域や条件、品種に合わせた栽培をおすすめします。
冬野菜の代表格として、鍋の具材や漬物などでも人気のあるハクサイ。中でもミニハクサイは通常のハクサイよりも小ぶりなため、プランターでも育てやすい品種です。種まきから収穫までの栽培期間が約50日~60日と短く、種まき時期を工夫すれば長期間収穫できます。
ミニダイコン
- ● 種まき時期:4月上旬〜下旬、8月中旬〜9月上旬、9月上旬〜下旬
- ● 収穫時期:6月上旬〜7月中旬、10月下旬〜11月下旬、1月上旬〜3月上旬
※記載している時期は目安です。地域や条件、品種に合わせた栽培をおすすめします。
ミニダイコンは使い切りやすいサイズで、サラダや煮物などに重宝します。赤や紫などカラフルな品種もあり、彩り豊かです。通常のダイコンより根が短いため土を深く耕す必要がなく、深めのプランターでも育てやすいです。栽培期間が短いので、病害虫によるリスクも低く済みます。
小カブ
- ● 種まき時期:4月中旬〜5月上旬、7月下旬〜9月中旬
- ● 収穫時期:6月中旬〜7月中旬、8月上旬〜9月上旬、10月中旬〜11月中旬
※記載している時期は目安です。地域や条件、品種に合わせた栽培をおすすめします。
カブは煮物や漬物などに使われ、大きさによって大カブ、中カブ、小カブに分けられます。中でも小カブは直径が5〜6cmほどと小さいので、プランター栽培が可能です。苗ではなく種から育てるのが一般的で、種まきから1カ月半ほどで収穫できます。
ラッカセイ
- ● 種まき時期:5月上旬〜6月上旬
- ● 収穫時期:10月中旬〜11月中旬
※記載している時期は目安です。地域や条件、品種に合わせた栽培をおすすめします。
ラッカセイは、「ピーナツ」の名称でも親しまれているマメ科の植物です。栄養価が高いのが特徴で、いって食べるイメージが強いかも知れませんが、実は採れたてのものであれば、ゆでて食べることもできます。暖かい地域での栽培が盛んですが、涼しい地域でも育てられます。ラッカセイの花が咲いて地中に潜っていく部分を子房柄(しぼうへい)といい、子房柄の先が土の中で成長するとラッカセイの実になります。土の中で育つ可食部は虫の被害を受けにくいため、害虫対策が比較的簡単ですが、深さと表面積が十分確保できる大きさのプランターを選ぶのが家庭菜園での成功のポイントです。
インゲン
- ● 種まき時期:4月中旬〜6月上旬(つるなし)
- ● 収穫時期:6月上旬〜7月上旬、7月下旬〜8月中旬(つるなし)
※記載している時期は目安です。地域や条件、品種に合わせた栽培をおすすめします。
和洋中どの料理にも使えて、栄養も豊富なインゲンには「つるあり」タイプと「つるなし」タイプがあります。「つるなし」タイプは「つるあり」タイプに比べて収穫量は落ちますが、収穫期間が短く省スペースで栽培ができるため、家庭菜園やプランター栽培におすすめです。成長が早く、1年間で3度収穫できる場合もあります。
エンドウ
- ● 種まき時期:10月中旬〜3月中旬
- ● 収穫時期:4月中旬〜7月上旬
※記載している時期は目安です。地域や条件、品種に合わせた栽培をおすすめします。
エンドウは、栄養豊富な緑黄色野菜に分類されるマメ科の野菜です。少ない株数でも、たくさん収穫できるため、プランターでの家庭菜園におすすめです。品種には、つるが伸びて育つ「つるあり」タイプと、つるが伸びない「つるなし」タイプがあり、家庭菜園では草丈が低くて狭いスペースでも育てられる「つるなし」タイプがおすすめです。また、花には紅花種と白花種がありますが、育てやすさに大きな違いはありません。赤い花と白い花、お好みの花色で選んでみるのも家庭菜園の楽しみの一つですね。
初心者でも育てやすいプランター栽培におすすめのハーブ3選
ハーブは、プランターで簡単に栽培ができる品種が多く、害虫もつきにくいものも多いため、野菜に比べてあまり手間がかかりません。料理の調味料や彩りとして使うだけでなく、ハーブティーとして楽しめるものもあり、さまざまな用途に役立ちます。家庭菜園の初心者にも栽培しやすいためぜひ挑戦してみてください。
バジル
- ● 種まき時期:4〜6月
- ● 植え付け時期:5〜7月
- ● 収穫時期:5〜11月
※記載している時期は目安です。地域や条件、品種に合わせた栽培をおすすめします。
豊かな香りでイタリア料理に欠かせないバジルは、収穫までの期間が短いため手間が少なく、初心者でも育てやすいハーブです。暑さに強く、春から夏にかけて気温の上昇とともに成長します。寒くなる前にプランターを室内に移動すれば冬の栽培も可能ですが、室温や日当たりに気を付ける必要があるため、初心者の場合は春に種まきして夏に育てるのがおすすめです。3~4カ月の間収穫できるので、いろいろな料理に活用しながら育てる楽しみを味わえます。
カモミール
- ● 種まき時期:3〜4月、9〜10月(ジャーマンカモミールのみ)
- ● 植え付け時期:3〜4月、9〜10月(ジャーマンカモミールのみ)
- ● 収穫時期:3〜6月
※記載している時期は目安です。地域や条件、品種に合わせた栽培をおすすめします。
カモミールは、リンゴに似た甘い香りがするハーブで、リラックス効果が高いことからハーブティーやアロマ、入浴剤などに利用されます。1年で収穫できるジャーマンカモミール(一年草)と複数年にわたって育成するローマンカモミール(多年草)の2種類があり、どちらも気温が15〜20℃の春先に種まきをすると1週間以内に発芽します。生命力が強いため失敗しにくく、開花3日ほどで収穫できます。
ルッコラ
- ● 種まき時期:3月上旬〜6月下旬、9月上旬〜11月中旬
- ● 植え付け時期:4〜7月、9〜11月上旬
- ● 収穫時期:4月上旬〜8月上旬、10月上旬〜12月下旬
※記載している時期は目安です。地域や条件、品種に合わせた栽培をおすすめします。
サラダやパスタなどに利用され、ゴマのような香りと辛みが特徴的なルッコラ。高い発芽率と虫に強いことなどから、初心者向きのハーブとして人気があります。成長が早く、種まきから1カ月半ほどで収穫が可能です。収穫時は、外側の葉から順番に収穫することで中心部の葉が成長し続けるため、長期間にわたって収穫を楽しめます。
プランター栽培に必要な7つの道具
いざ家庭菜園を始めようとしても、何が必要かわからない方も多いのではないでしょうか。家庭菜園では、使う道具によって作業のやりやすさが大きく変わります。ここでは、プランター栽培を行ううえで欠かせない七つの道具を紹介します。
プランター
プランターには容量や形状、素材などさまざまな種類があり、それぞれ特性が異なります。たとえば、底穴の大きさや形状は排水性に影響し、プランターの深さは根の伸び具合に大きく影響します。
野菜は種類によって実の大きさや根の長さなど育ち方も異なるため、上手に育てるためには栽培する野菜に適したプランターを選ぶ必要があります。
プランターの選び方は、このあと「プランター選びの3つのポイント」で詳しくご紹介します。
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培養土
培養土とは、基本用土と補助用土に肥料などを混ぜた土のことです。培養土の半分以上は基本用土で構成され、そこにピートモスやバーミキュライトなどの補助用土や、堆肥などの肥料を混ぜて作ります。ちなみに、市販の培養土はさまざまな用土や肥料を組み合わせ、育てる植物に合わせて調整されています。
基本用土の種類
赤玉土:関東ローム層の赤土を粒状にサイズごとにより分けたもの。通気性、排水性、保水性、保肥性がよい。弱酸性。
黒土:関東ローム層の表面のふかふかした黒い火山灰土。保水性、保肥性がよい。有機物を含む。根菜栽培に適している。
鹿沼土:栃木県鹿沼地方の火山性の土。通気性、保水性がよい。軽量で鉢の用土としても使われる。強酸性。
日向土:九州南部で採れる軽石の一種。通気性、水はけがよく、繰り返し使える。弱酸性。
軽石:火山からの噴出物が固まったもの。水はけがよく軽量で、鉢底石などによく用いられる。
水ごけ:水ごけを乾燥させたもの。通気性、保水性がよい。
補助用土の種類
ピートモス:コケやヤナギなどが泥炭化した酸性の土。保水性、通気性がよい。
ココピート:ココヤシの葉や幹から作られた土。ピートモスの代替品として使われる。
バーミキュライト:ヒル石から作られた人工土。保水性、通気性がよく軽量。
パーライト:真珠岩や黒曜石から作られた人工の小石。通気性、水はけがよく軽量。
腐葉土:広葉樹の落ち葉が土状になったもの。通気性、保肥性、保水性がよく、有機質を含む。
堆肥:動物・植物由来の有機物を分解して発酵、腐熟させたもの。肥料分が豊富。
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鉢底石
鉢底石とは、鉢底に敷く石のことで、主に赤玉土や軽石が使われます。鉢底石を使用することで排水性や通気性が高まり、根腐れや成長の妨げになる腐敗菌が増えるのを防ぎます。それによって土の水分量が適切に保たれ、野菜が健やかに育ちます。
スコップ
スコップには小型の「移植ゴテタイプ」や筒型の「土入れタイプ」、大型でとがった「剣型タイプ」、大型で先端が平らな「角型タイプ」があります。プランター栽培ではコンパクトで使いやすい「移植ゴテタイプ」や「土入れタイプ」がおすすめです。
種
家庭菜園には種から育てる方法と苗を植え付ける方法がありますが、種からの栽培には多くの魅力があります。たとえば、種は苗に比べて安価に購入できます。そのため、広範囲で栽培をしたい方や予算を抑えたい方にとっては経済的です。また、苗から育てる場合と異なり発芽の喜びを味わえるのも利点で、成長の過程をより一層楽しめる魅力があります。さらに、種は多様多種な品種から選ぶことが可能です。苗では手に入りにくい珍しい品種や自分好みの品種を栽培する自由度が高いため家庭菜園の醍醐味(だいごみ)をより楽しめます。
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苗
一方で苗を植え付ける方法は、栽培のしやすさが魅力です。苗を使うことで、発芽などの初期段階を省略できるため、手間や失敗が少なく初心者でも成功しやすいです。さらに、苗はすでに成長が進んでいるため短い期間で収穫できます。初めて家庭菜園に挑戦する方や、長期間の管理に自信がない人におすすめの栽培方法です。
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※苗の生育状況により、お届け時期が若干変更になる場合があります。
支柱
限られたスペースでのプランター栽培において、支柱は欠かせない道具の一つです。
支柱は主に野菜の成長を支えたり伸び方を誘導したりする役割があります。支柱を使うことで野菜同士の間隔が確保され、風通しや日当たりがよくなるため健康的な成長が促進され、限られたスペースでも効率よく野菜栽培できるようになります。また、適切に配置することで、実や葉が地面と接することを防ぎ、病気や害虫のリスクを低減することもできます。プランターに支柱を立てる際には1本ではなく複数本を立て、ひもで結ぶなど倒れないように固定して使いましょう。
プランター選びの3つのポイント
いざプランターを準備しようと思っても、いろいろな種類があって迷ってしまいますよね。おすすめしたいサイズや材質など、プランター選びのヒントをお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
サイズ
プランター選びにおいてサイズは重要な選定基準となります。株間や根張りに応じた容量、サイズを選ぶように心がけましょう。
【一般的な容量とサイズの目安】
・13〜16L:横幅60〜70cm、高さ20cm前後
・20〜25L:横幅60〜65cm、高さ30cm前後
上に伸びるトマトなどの果菜類は、栽培に支柱を使用するため、支柱が安定して立てられる30cm以上の深型プランターがおすすめです。また、ニンジンやミニダイコンなどの根菜類は、土の中に深く根を張るので深さが30cm以上かつ幅の広いプランターを選びましょう。バジルは株間を10cm以上あける必要があるため、横幅60cm前後の標準サイズがおすすめ。株が張り、たくさんの実がなるナスは、根が深く張るので、深型で横幅60cm以上の大型プランターだと安心です。
材質
プランターにはプラスチック製や木製のほか、素焼きなどの素材があります。
最も一般的なプラスチック製のプランターは値段が安くて軽く、腐食にも強く種類が豊富にあるため人気があります。木製のプランターはアンティークのような雰囲気のデザインが多くおしゃれで、通気性も高いといった特徴がありますが、プラスチック製に比べると少し値が張り、サイズのバリエーションが少ないなどのデメリットがあります。
素焼きは排水性や通気性がよく、自然になじむデザイン性が魅力のプランター素材で人気がありますが、耐久性はほかのプランター素材に比べると低いのが特徴です。しっかりと焼かれているため腐食等の心配はありませんが、温度の急激な変化や強い衝撃により割れる懸念があります。落としたりしないなど適切な管理を行うことで長く利用できます。
プランターは、野菜に適したサイズかどうかだけでなく、移動などの利便性も考慮して検討するようにしましょう。
形状
ベランダなどの限られたスぺースで家庭菜園を行う場合には、プランターの「形状」にも意識を向けてみましょう。
たとえば、長方形のプランターは横に広がるスペースを有効活用しやすく、複数の野菜を一度に育てるのに適した形状です。根菜類やサラダ菜、ハーブなど、広いスペースを必要としない野菜を同時に育てたい際には長方形のプランターがおすすめです。
正方形のプランターは、縦横が均等な広さを持ち狭い場所でも安定して使えます。野菜を均等に配置するため、四方から均等に成長する野菜を育てるのに適しています。
丸形のプランターは、根が均等に広がりやすいため、正方形のプランターと同様に四方からバランスよく成長する野菜に向いています。ただし、隣り合う株同士の葉が触れ合いやすいため複数の野菜を同時で育てたい場合には注意が必要です。
プランターに植えてみよう!プランター栽培の始め方
ではここからは実際のプランター栽培の始め方についてご紹介します。
1. 鉢底ネット、鉢底石を敷く
まず、プランターの底に鉢底ネットを敷きます。
その上に鉢底石を入れます。
鉢底ネットは土の流出や虫の侵入を防ぐ役割があり、鉢底石は通気性や排水性をよくするために使います。
2. プランターに土(培養土)を入れる
続いてプランターのフチまで培養土を入れます。入れ終わったら、プランターのふちに沿って土を押さえる鎮圧という作業を行い、土をならします。そうすることで、プランターのふちから土が2~3cmほど下がり、水やりの際に水が流れ出てしまうのを防ぐ「ウォータースペース」を作れます。
3. 種をまく/苗を植える
野菜栽培は、種をまくか、苗を植え付けるかのどちらかからスタートします。ここでは3つの種まき方法と、苗の植え方について解説します。
「ばらまき」の手順
- 1. 種を指でつまみ、1カ所にまとまらないようにばらまきます。
- 2. 種が隠れるくらいに上から土をかけます。
- 3. 手のひらで土の表面をやさしく押さえます。
「すじまき」の手順
- 1. 定規や指で、土の表面に種をまく溝を作ります。
- 2. 半分に折った厚紙の折り目に種を出し、溝に沿って種を並べます。
- 3. 指でつまむようにして溝を埋めます。
- 4. 手のひらで土の表面をやさしく押さえます。
「点まき」の手順
- 1. 定規や指で、土の表面に種をまく溝を作ります。
- 2. 溝に沿って1列、20〜30cm間隔で1〜2cmの穴を作ります。
- 3. 穴の中に1〜数粒ずつ種をまき、土をかぶせます。
- 4. 手のひらで土の表面をやさしく押さえます。
苗を植える手順
- 1. 土に苗が入る程度の穴を掘ります。
- 2. 根鉢(根とその周りについた土)を崩さないよう、穴に苗を入れます。
- 3. 株に土を寄せて上から軽く押さえ、株を安定させます。
- 4. 根鉢の肩が隠れるまで土をかぶせます。
4.種まき後の水やり
土にまいた種が流れないよう、ジョウロのハス口を上に向け、やさしいシャワーになるようにして満遍なく水をやります。このとき、土の表面に水がたまりそうになったら一度水やりを止めてください。しばらくして、土の表面の水が吸収されたら、再度水をやります。
この作業を5〜10回ほど繰り返し、鉢底からたっぷりと水が出てきたら終了です。
鉢皿を使う場合には、野菜の病気の原因となる雑菌の繁殖と、根腐れ防止のため、たまった水は必ず捨てましょう。
日々のお手入れと注意点
プランター栽培を楽しむための、日々のお手入れ方法と注意点を説明します。
日当たりのよい場所にプランターを置く
プランター栽培では日当たりが大切です。育てる野菜に応じてプランターの置き場所を移動することが成功のポイントです。日光を好む植物を育てる場合は西日を避け、少なくとも1日6時間程度は日が当たる場所に置きましょう。反対に、日陰を好む植物の場合は、直射日光を避け、日照時間を1日1~2時間程度に抑えましょう。また、水やりしてもすぐに乾いてしまったり葉焼けしたりしてしまう場合は、日当たりがよすぎる可能性があるので、プランターを日陰の位置に移動してみましょう。
水やりをする
プランター栽培は、地植えに比べて土が乾燥しやすいため水やりには意識を向けるようにしましょう。葉や花に水が当たらないように注意しながら、プランターの下から水が出るまでたっぷりと満遍なく水をやるのがポイントです。
水やりは土の表面が乾いた時や、土の中に数cm指を入れても乾いている時に行います。湿っていればまだ水やりの必要はありません。
また季節によって適切な水やり時間帯があります。夏場は根腐れを防ぐため、気温が下がる早朝か夕方以降。冬場は冷えを防ぐため、気温が上がる午前中がおすすめです。
追肥を行う
プランター栽培は土の量が少なく乾きやすいため、水やりの回数が多くなり肥料分が流れやすい性質があります。そのため追肥が必要です。
追肥とは、野菜が育ち始めたタイミングで与える肥料のことです。液肥を通常10日~2週間に1回くらい与えるとよいでしょう。苗に直接触れない隅の方に少量まき、土をかぶせて少し水を注ぐとよく効きますよ。
プランター栽培で家庭菜園を始めるなら
家庭菜園初心者でも始めやすいプランター栽培。新鮮な野菜を収穫できて、自分で野菜を育てる喜びがあります。挑戦したいけれど、プランターやスコップなどの道具や種苗を一式そろえるのは大変だと感じている人もいるかもしれませんね。
サカタのタネオンラインショップでは、種や苗のほかにも家庭菜園に必要な道具を数多く取りそろえています。かさばる園芸用品も自宅に配送してくれるので便利です。ぜひチェックしてみてください。
まとめ
初めてプランター栽培を始める人に向けて、おすすめしたい野菜とハーブの種類を紹介しました。道具や種苗をそろえたら、本記事で種のまき方や植え付け方、水やりのコツなどをおさらいしてみましょう。
自分で育てた野菜は格別においしく感じるもの。収穫を楽しみつつ、さまざまな野菜やハーブにチャレンジしてみてくださいね。