サカタのタネ 通信販売のお客様を訪ねて【第2回】花とともに地域に根付く企業へ 兵庫県 ハリマ化成 加古川製造所のマリーゴールド園

『サカタのタネ 通信販売のお客様を訪ねて』では、サカタのタネで購入された植物を、どのように工夫して楽しまれているのか、皆さまのお庭や花壇に訪問してご紹介しています。第2回は、2019年に開園した、兵庫県加古川市野口町のハリマ化成 マリーゴールド園です。

1,900平方メートルにおよぶハリマ化成 加古川製造所の北側敷地は、毎年6~11月にかけて一面オレンジ色に彩られます。ハロウィーンやクリスマスなど季節のイベントを楽しめる地域の方々との交流の場でもあり、ファンの方も多いというマリーゴールド園に込められた想いに迫ります。

ハリマ化成株式会社のプロフィル

写真提供:ハリマ化成

ハリマ化成株式会社は、マツの樹脂(松やに)を活かした化学製品を70年以上にわたり製造する企業です。「自然の恵みをくらしに活かす」理念のもと、加古川製造所ではマツや大規模なマリーゴールド園を活用した地域交流を行っています。

毎年マリーゴールドの種をまき、地域イベント・ハロウィーン・クリスマス飾りなどで地域とつながる「花と緑の工場づくり」を推進し、開かれた工場を目指しています。

マリーゴールドが彩る工場敷地 誕生のきっかけ

「購入した当初、この敷地は雑草の多い空き地でした。定期的に実施されている工場見学や株主総会でお客様をお招きするにあたり、社員からの『除草作業を続けるだけでなく、花畑を作って、見てもらったらどうだろうか』という意見を採用し、社長陣頭指揮の下、整備を進めたのがマリーゴールド園の始まりです。」

写真提供:ハリマ化成

「『自然の恵みをくらしに活かす』という企業理念のもと、構内にはマツ以外にもたくさんの花木や樹木を植樹しています。マツは20種類、約400本も植わっているんですよ。私たちが目指しているのは、『ハリマ化成といえば加古川の花の工場』って言っていただけるような会社です。」

今回、お話を伺ったハリマ化成 加古川製造所 総務課二係の今里さん 写真提供:ハリマ化成

ハリマ化成の敷地には、事業の象徴であるマツの木が敷地全体を囲うように植樹されています。敷地内にはマリーゴールドだけでなく多彩な植物が植えられており、自然豊かな景観づくりが進んでいます。 

敷地内にはたくさんの種類のマツが植えられている

広大な敷地での試行錯誤から生まれた新しい工場の姿

これまでマリーゴールド園にまく種は数品種を試作してきました。育てやすさや花の大きさ、コスト面などを検討した結果、現在はマリーゴールド「マーチ オレンジ」を毎年栽培しています。種の総数は36万粒にものぼり、開花状況に合わせ時期を分けて種まきを行っています。

「マリーゴールド園は、当初から社員の手で育てています。最初のころは、栽培の基礎知識にも乏しかったので、種をまいたら直後にハトに食べられたり、土をたくさんかけたら発芽せーへんかったり、その中でだんだん分かってきまして。本当は、株間は25cmくらいで種まきしたいんですけど、そんなうまいこと種まきできる機械がなくて……。種をまき過ぎてもよくないので、ペットボトルに種を入れて、キャップに穴を開けて、振ってまくという方法を取っています」

甲子園球場の内野くらいの面積を誇る園でのマリーゴールド栽培は、一筋縄にはいかず、現在も試行錯誤しながらよりよい方法を模索しているそうです。

「敷地が広いので、勢いよく散水したら水圧で枯れてしまったり、病気になってしまったりと、さまざまな課題がありました。特に負担となっているのが除草作業です。本当は雑草ひとつない一面オレンジの絨毯にしたいのですが、常に雑草との闘いです。園を2区画に分け、多いときは有志の従業員100人がかりで除草します。しかし、向こうが終わっても、気が付いたらまたこっちが……といった具合で、特に2025年は雑草の勢いが半端なかったですよ」

夏場の厳しい暑さの下での長時間作業は熱中症の危険性もあり、無理は禁物です。しかし、雑草が増えるとマリーゴールドの生育にも影響するため、放置もできません。取材当時※も除草作業をされている従業員の方がいらっしゃいました。

※2025年5月下旬

「小さなお子さんがよく通ったり、保育園のバス停になっとったりするので、かわいい置物を置いています。ここでマリーゴールドの世話をしていると、お年寄りや買い物に行く方に『ありがとう、いつも楽しんでいるよー』って言っていただけるのが、僕らのモチベーションがグッと上がる理由の一つになっています。他にも、学生さんやサラリーマンなど、ここを通っておられるいろんな方が『元気できれいだな』って思える場所になればと思ってやっています。」 

「どんだけマリーゴールド好きやねんって言われるんですけど、出勤してくるときに、朝日に当たったマリーゴールドが一面めっちゃきれいで、『あ、今日も頑張ろう』という気持ちになれます。最初は一面、オレンジのマリーゴールド園だったところ欲が出てきまして、スイセンやウメなど四季折々の植物も植えています。」

マリーゴールドの他にもミモザなどさまざまな植物が植えられている

「フラワーセンターなどに行って栽培のアドバイスを聞いてみると、土を少しずつ改良して、『10年は辛抱してください』と言われます。でも、うちの社長が待ってくれへんのですよ(笑)。社長は植物が大好きでね。もっと、もっと、ってアイデアと情報を山ほど持ってきてくれるんです。」

こうした植物の栽培管理や企画に取り組む背景には、「自然を活かした花の工場として地域に根付いていきたい」という想いがあります。植栽は景観を整えるだけではなく、地域の交流の場としても大きな役割を果たしています。

マリーゴールドが咲いていない冬場~早春はスイセンが楽しめる

環境に配慮して操業されていますが、「化学工場はにおいが強い」というかつてのイメージがまだ残っていることもあるといいます。現在の工場は花や樹木に囲まれた豊かでクリーンな環境になっており、地域の方から「ハリマ化成、変わったね」とお声をいただくこともあるそうです。

取材時の2025年5月下旬には蕾がたくさんついているマリーゴールド「マーチ オレンジ」

マリーゴールド園でつながる地域との関わり

「11月に加古川市で行われる『加古川ツーデーマーチ』というウォーキングイベントがあります。せっかくならマリーゴールド園も通ってもらおうと提案し、コースに組み込んでもらいました」

ハッとするような鮮やかな花々は、従業員の方だけでなく近隣のみなさんや、通勤・通学で行き交う方々にとっても日常の癒やしとなっています。さらに、季節ごとのイベントも魅力の一つです。

2025年6月には見ごろを迎えるマリーゴールド「マーチ オレンジ」 写真提供:ハリマ化成

「マリーゴールドの種まき時期をずらして、開花期の前半は株主総会に合わせて、後半はカボチャのオレンジ色にかけてハロウィーンイベントに合わせるように開花調整をしています。ハロウィーンでは社員が仮装して、来てくれた子どもたちにささやかながらお菓子を配って、地域との交流の場にさせていただいています」

2025年10月のハロウィーンイベントの様子 写真提供:ハリマ化成

「12月には、クリスマスイルミネーションをしています。そのころには、マリーゴールドは土にすきこみます。『今年はこんなコンセプトでいこう!』とレイアウトを作って、自分らで飾りつけをして……手作り感、満載ですよ」

2025年12月のクリスマスイルミネーションの様子 写真提供:ハリマ化成

こうした取り組みにより、マリーゴールド園は単なる工場敷地内の花畑を超えて、地域のつながりを深める場として親しまれています。ハリマ化成 加古川製造所の近くにお越しの際は、ぜひこの鮮やかなオレンジ色の風景をお楽しみください。

サカタのタネ 公式オンラインショップでは、今回ご紹介したマリーゴールド「マーチ オレンジ」をはじめ、豊富なマリーゴールドの品種を取りそろえております。元気や癒やしを貰えるマリーゴールドの栽培にぜひ挑戦してみてくださいね。

文:園芸通信編集部 写真:園芸通信編集部、ハリマ化成株式会社(一部提供)

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