夏から始まるハボタンの種まき。多粒まきでつくるリースや鉢植えに、神奈川県横浜市で花と緑のボランティア活動をされている「上星川GreenUp プロジェクト」上星川レジデンスの皆さんに挑戦いただきました。多粒まきの楽しみ方を栽培レポートとともにご紹介します。ぜひチャレンジしてみてください。
ハボタンの種まきのコツ
発芽適温は20℃前後で、日陰の涼しい環境で、種まき用の育苗箱やセルトレーなどの容器に用土を入れ、溝を作り、溝の上に等間隔で種まき(すじまき)して3mmぐらい土をかけます。種まき後は風通しのよい半日陰に置くようにして、水を切らさないように管理すれば、3日ほどで発芽します。発芽後は日に当てて徒長しないようにします。
夕方に種をまきます
種は吸水して5~6時間後の温度に反応して発芽し始めます。夕方に種まきをすると5~6時間後には日中より気温が下がっているので、発芽しやすくなります。
覆土はバーミキュライトを5~8mmかけます
バーミキュライトには断熱効果があるので、日中の暑さを避けることができ、気化熱によって温度を下げる効果もあります。
種まき後は台などの上で管理します
種をまいたトレーは、直接地面に置かず台などで持ち上げて、下を風が通るようにすると、気化熱でいくらか温度が下がります。特に夜温の低下は根の伸長がよくなります。
病気が出ないよう栽培する環境に注意します
ハボタンの種まき時期は、気温が高く立枯病が出やすいので、清潔な土を使い水やりに注意します。
ハボタンのリースの作り方
用意するもの
- 鉢:直径30cmのリース型
- ハボタンの種:250粒程度
- 土:赤玉土(小粒)と培養土を半々
- その他:殺虫剤(粒状)、活力剤、ネイチャーエイド 有機の液肥、カリウム多めの肥料、つまようじ
使用したハボタン

「ハーモニー」
50粒

「ローブ(R) レッド」
50粒

「ドレス ピンクバイカラー」50粒

「傘混合※」
100粒
※傘混合は、2021年をもちまして販売は終了しました。
ハボタンのリースの栽培方法
※神奈川県横浜市での栽培方法です。地域や条件に合わせた栽培方法をおすすめします。









実践した4つのポイント
① 土づくり
種まき時の肥料はなし。粒状の殺虫剤を混ぜ、活力剤入りの水で底面給水して湿らせます。
② 置き場所
発芽2日目まで屋内、その後は南向きの屋外へ移動。地面から50cmほどの高さの風通しのよい台の上を定位置に。
③ 日差し
密にまくと芽が光を求めて徒長するので、毎日鉢をくるくる回してまんべんなく日に当てます。暑い日は遮光ネットを活用。
④ 水やり
根は乾いているときに伸びるので、水やりはメリハリが大事。光合成する朝に水をやったら、夕方は乾いていてもOK。
「上星川GreenUpプロジェクト」ハボタンの多粒まき体験レポート
「上星川GreenUpプロジェクト」とは?
推進団体名:上星川レジデンス(神奈川県横浜市)
2015年から「横浜市の地域緑のまちづくり事業」に参加しようと町会などの組織を超えてお花好が集まった団体です。
横浜駅から西に走る相模鉄道(相鉄線)に沿って、上星川駅(上星川商店会)~東川島町~西谷駅に向かう通称「水道みち」沿道の街をフラワーロードにして、道行く人の目を楽しませ、会話の弾む美しい街、安心安全なコミュニティーを作ることを目標に活動しています。
商店街と地域の人が一丸となって、ハンギングバスケットやコンテナを置くことで、「きれいだね!なんと言うお花?」という会話が聞こえてくるような地域を目指しています。モットーは「街に緑と笑顔を増やそう」。
ハボタン多粒まき 皆さまの体験レポート
渡邊さん
播種日:9月18日/9月25日
発芽日:9月21~23日/9月29日
葉が色づき始めた日:11月下旬

12月20日撮影

12月20日撮影
●使用したハボタン

切り花用混合 まっすぐ伸びる 葉ぼたん

ハーモニー

ドレス ピンクバイカラー

ドレス スノー
●感想
種をまく鉢の大きさ、種の数(種まきの密度)により生育が違うことにビックリ!!ハボタンを小さくも大きくも育てられることを初めて知りました。自分で種から育てて、寄せ植えに生かせるなんて!
●サカタのタネ 担当者のコメント
そうなのです!!植物は鉢の大きさ、植える密度で大きさをある程度コントロールできます。ハボタンはその中でもコントールしやすい植物。いろんな植え方を楽しんでください。
白根さん
播種日:9月12日
発芽日:9月14日
葉が色づき始めた日:11月16日ごろ

9月17日撮影

翌年2月5日撮影
●使用したハボタン

バニーミックス

ドレス レッド
●感想
自分なりに徒長、肥料、遮光などに気を付けながら育てました。「バニー ミックス」と「ドレス レッド」を混ぜてまいたら「ドレス」の方が「バニー」よりも生育旺盛で成長が思わしくなかったです。12月中旬には寒くなり、きれいに色付きました!
●サカタのタネ 担当者のコメント
鉢の中央に鉢を置いてお手製のリースを作るのは面白いアイデアですね。「ドレス」と「バニー」を一緒に種まきしたことがなかったのですが、「ドレス」の方が生育旺盛なのですね。勉強になります。
有山さん
播種日:9月10日
発芽日:9月13日
葉が色づき始めた日:1月9日ごろ

翌年1月28日撮影

翌年1月28日撮影
●使用したハボタン

ドレス レッド

ドレス スノー

傘 混合

切り花用混合 まっすぐ伸びる 葉ぼたん
●感想
徒長してしまった分、色付きが悪くまとまりがない感じになってしまいました。冬になってから、日当たりのいいところに移動して色付きがよくなったのですが、なかなかハボタンらしくならなかったです。
●サカタのタネ 担当者のコメント
ハボタンは、種まき時期・生育の早晩にかかわらず、一定の温度に下がると発色します。発芽後は、苗をしっかり日に当てると徒長を防げるので、次回は試してみてください。
笹瀬さん
播種日:9月14日
発芽日:9月18~19日
葉が色づき始めた日:11月10日ごろ

翌年2月4日撮影

翌年2月8日撮影
●使用したハボタン

傘 混合

ローブ® レッド

ドレス スノー

ローブ® ピンクバイカラー

切り花用混合 まっすぐ伸びる 葉ぼたん
●感想
発芽してから徒長気味になったので、土寄せして対応しました。2階のベランダで育てたせいか、虫の被害はほとんどなかったです。
●サカタのタネ 担当者のコメント
かわいらしい仕上がりですね!徒長してしまったときの対策として土寄せはいいと思います。寄せ過ぎないように気を付けてください。
髙野さん
播種日:9月10日
発芽日:9月11日
葉が色づき始めた日:11月11日ごろ

10月15日撮影

10月15日撮影
●使用したハボタン

ハーモニー

ローブ® レッド

ドレス ピンクバイカラー

傘 混合
●感想
10月中旬に虫を発見!下の部分に黄色くなってしまう葉が多かったです。
●サカタのタネ 担当者のコメント
これはモンシロチョウの卵です。見つけたらすぐに処分しましょう。下葉が黄色くなってしまうのは、肥料切れが原因かもしれません。発芽後に追肥を行うと改善されると思います。
横田さん
播種日:9月10~11日
発芽日:9月12~13日
葉が色づき始めた日:12月8~10日ごろ

12月10日撮影

12月10日撮影

翌年2月4日撮影
●使用したハボタン
【リース】

ローブ® レッド

ハーモニー

ドレス ピンクバイカラー

ドレス レッド
【四角の鉢】

ドレス ピンクバイカラー

ハーモニー

切り花用混合 まっすぐ伸びる 葉ぼたん

ドレス レッド
●感想
リースは水切れしやすいので水やりに注意しました。11月中旬ごろは順調に成長していたのですが、12月に入り青虫に食べられてしまいました。毎日気を付けていたのに残念です。
●サカタのタネ 担当者のコメント
とっても素敵な作品ができたのに残念でしたね。ハボタンは葉が命!葉を食害するアオムシ、ヨトウムシ、コナガの幼虫がよく付くので、2週間に1度、殺虫剤を散布します。また、幼苗時はナメクジ、アブラムシも付くことがあるので、目を凝らして観察し、早めに駆除しましょう。
今回の体験で使用したハボタンの種の一部は、サカタのタネ オンラインショップでご購入いただけます。
※ハボタンの販売期間は毎年5月下旬~11月中旬までになります。
※傘混合は、2021年をもちまして販売は終了しました。