ボール状の面白い花を咲かせるアリウム。実はアリウムにもたくさん種類があって早く咲くもの、小さいもの、紫花以外のものなどガーデンに合わせてお楽しみいただけるのです。あなたにぴったりのアリウムを探してみませんか。
使い方に合わせて品種を選ぼう
切り花にするだけじゃない!ガーデンで引き立つアリウム
アリウム(Allium)は切り花向けの球根植物として紹介されることが多いですが、草丈や草姿がだいぶ異なる個性的な品種がいろいろあり、庭植えの球根植物としての活躍の場がたくさんあります。一般的に流通している品種でも、そのほとんどが原種に近い状態のまま栽培され、販売されています。
アリウム属は世界に数百種あるので、その形態は原産地によりさまざまです。近年交配による育種や、新しい原種の園芸品種への導入も進み、従来のイメージとは異なる品種が次々と紹介されています。切り花にするだけではなく、ガーデンのいろいろなポイントを上品に彩ってくれる魅力的な品種をご紹介しましょう。
バラや宿根草に合わせて 背の高いアリウム
花房直径 10~15cm程度
草 丈 100~120cm以上※1


アリウムを代表する品種として「ギガンチューム」は、切り花材料として長く親しまれています。もちろん庭植えにしても見事ですが、やや開花期が遅く、春の花壇材料としては利用しにくい点がありました。近年、他品種との交配により、早咲きの「アーリーセンセーション」が作出され、まだ春の花が残っているうちに代表的なスタイルのアリウムが咲くようになりました。
紫花のギガンチュームタイプだけでなく、花色の違うアリウムもあります。「ピンクジュエル」は桃色に緑の目の優しい色合いが魅力的な品種です。さらに開花時に葉がきれいなのも特徴です。
※花房、草丈サイズは目安となり、品種によってサイズが異なることがあります。
※1ピンクジュエルの草丈は50~60cm
花壇植えにぴったり 中型のアリウム
花房直径 5~8cm程度
草 丈 30~60cm以上


白花の「コワニー」や紫花の小輪咲き「丹頂」など代表的な中型のアリウムは、切り花としては手ごろな扱いやすい草姿ですが、花壇では扱いにくいところがあります。一方、「パウダーパフ」は草丈が手ごろでボリュームのある、今までなかったタイプの中型品種です。きれいな葉がワイドに展開し、1つの球根から花が数本上がります。
「アンプレクタンス グレイスフル」も小さめの球根から花茎が数本上がり、ボール状のかわいらしい花を咲かせる品種です。どちらも40㎝程度と花壇材料にちょうどよい草丈で、アリウムらしい花を咲かせる親しみやすい魅力を持った品種です。
※花房、草丈サイズは目安となり、品種によってサイズが異なることがあります。
コンテナ植えに 小型のアリウム
花房直径 4~7cm程度
草 丈 10~20cm以上


アリウムには背の高い迫力のある品種がありますが、背の低いかわいらしい品種もあります。例えば、「カメレオン」はピンクと白のバイカラーの花で、微妙に花色を変化させて咲いていきます。とても小さなアリウムで、開花期が長いのも魅力です。
「プラティコール」は平らな花茎を持つ、ユニークな草姿の品種です。少しカールした葉を横に展開させ、ピンポン玉程度の花をかわいらしく咲かせます。どちらも草丈10㎝程度ですので、コンテナ栽培も可能です。
※花房、草丈サイズは目安となり、品種によってサイズが異なることがあります。
約25cmの巨大花 超大輪のアリウム
花房直径 20~25cm程度
草 丈 50~70cm以上※2


「スターマイン」はおそらく最も花の大きくなる品種の一つで、直径約25㎝の大きな花を咲かせます。開花期が長いのも魅力で、4月中旬から花芽を付け、5月になって花が紫色に色づいてからゆっくりと膨らんでいきます。ボリュームたっぷりのボール状の花は存在感抜群です。
※花房、草丈サイズは目安となり、品種によってサイズが異なることがあります。
※2表記の花房、草丈のサイズは、スターマインのサイズになります。
初夏のガーデンにもっとアリウムを!
群植やコンテナ植えなど今までにない楽しみ方をしてみよう
草丈の高いアリウムは宿根草や低木の植え込みとの組み合わせなど、よく直立する花茎と背の高さを生かした植栽がおすすめです。花期の合うバラなどと組み合わせてみるのもよいと思います。他の植物から飛び出すように花が上がる演出はとても効果的です。
中型のアリウムはちょうどスイセンやチューリップと同じぐらいのボリュームですから、球根花壇への植栽も面白いと思います。アリウムの欠点だった、開花期に葉が傷んでしまうことのないような新品種も増えてきています。
小型のアリウムはムスカリのように群植してみたり、コンテナでの寄せ植えに使ってみたりと用途の広がりが期待できます。それぞれの品種の個性にあった場所に植え込んで、春の後半戦、初夏のガーデンを彩ってみましょう。