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生育条件
- 日当たり
- 日なた~半日陰
- 土壌酸度
- 弱酸性 pH6.0~6.5
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栽培管理
- 地植え適所・土質
- 土質は選ばないが、どちらかというと水持ちのよいやや粘質で中性に近い弱酸性の土壌を好む。
- 鉢植え用土
- 市販の野菜用培養土、または、赤玉土7:腐葉土3を混合し、苦土石灰と化成肥料を、用土10L当たり各10~20g入れてよく混ぜ合わせ、1週間ほどなじませる。
- 鉢サイズ・種類
- [丸鉢]直径24cm(8号鉢)では1株、直径30cm(10号鉢)では2~3株植え。[65cm幅の長型プランター]3~5株植え。[鉢の深さ]20cm以上。
- 植え付け
- [畝]畝幅40cmで1条植え、90cmで3条植え。[株間]10~20cm。
栽培暦
エンツァイ(エンサイ)とは
原産地では一年中収穫できる多年草ですが、日本では冬の寒さで枯れてしまうため一年草扱いになります。種は「エンツァイ」や「エンサイ」などの名前で市販されていますが、茎の中が空洞になっているので「空芯菜®(くうしんさい)」の呼び名で一般的に普及しており、ほかにもヨウサイ、アサガオ菜、カンコンなどいろいろな名前を持っています。
中華料理に欠かせない食材で、若い葉と茎は柔らかく、ホウレンソウに似た食感であまりクセがありません。また、βカロテンをはじめ、ビタミン類やカルシウムも多く含み、ミネラル分も豊富で栄養価が高いことも特徴の一つです。
エンツァイは、多少の変異はありますが、品種改良の手が加えられていないことが多く、品種はそれほどないため、商品名が違っても特性は大きく変わりません。最近では、従来よりも細葉の系統も流通しています。
ポイント
栽培適温は20~30℃で、日当たりのよい高温多湿の環境を好み、夏場の葉物野菜として好適です。低温には弱いので、種まきや植え付けは十分に気温が上がる5~7月いっぱいまでがよいです。収穫は、主茎を摘芯した後に伸びる柔らかいわき芽を次々に摘み取りながら、6~10月ごろまで行えます。生育は旺盛で、つるを切って挿し木をしても簡単に根付くような強さを持っていて、栽培は容易です。
土づくりの準備
畑
2週間以上前
種まきまたは苗を定植する2週間以上前に酸度調整のため、苦土石灰を1平方メートル当たり100g全面に散布して耕します。

1週間前
さらに、種まきまたは苗を定植する1週間前に完熟堆肥2kgと化成肥料(8-8-8)を100g施して、再度耕します。

鉢植え
深さ20cm以上のプランターを使用します。直径24cm(8号鉢)で1株、直径30cm(10号鉢)、65cm幅の長型プランターで2~3株植えとします。
市販の野菜用培養土を利用すれば土づくりの必要がなく、すぐに使えるので便利です。自分で用土を調合する場合は、赤玉土7:腐葉土3を混合して、そこに苦土石灰と化成肥料を用土10L当たり各10~20g入れてよく混ぜ合わせておき、1週間ほど土となじませます。

種まき・発芽までの管理
発芽適温が20~25℃なので、4月下旬~5月以降の気温が安定して遅霜の心配がなくなり、地温が上がってからなら直まきできます。それより前に種まきをする場合は、育苗ポットやセルトレーにまいて育苗してから植え付けます。発芽温度が不足する場合は、状況によりビニールハウスやトンネルでの保温が必要なこともあります。
1条の場合

3条の場合

直まきする場合は、深さ約1cmの溝を作り、エンツァイの種が約1cm間隔になるようにすじまきします。1cm程度の覆土をして、軽く手のひらで鎮圧します。発芽するまでは、土の表面を乾かさないようジョーロのハス口を使って水やりに気を付けます。

鉢植え
先にたっぷり水やりをして、水分が落ち着いてから種まきをします。
鉢植えの場合は、エンツァイの種が重ならないように3~4粒ずつ点まきにします。育苗する場合も1カ所2~3粒まきにします。1cm程度の覆土をして、軽く手のひらで鎮圧します。発芽するまでは、土の表面を乾かさないよう水やりに気を付けます。

この作業のポイント
エンツァイの種はアサガオに似て皮が固いので、湿らせたティッシュの上に種を置いて、一晩ほど吸水させてから種まきをすると発芽率がよくなります。

定植・間引き
畑
ポット苗は、発芽して双葉が開いたら2本立ちに間引き、本葉2~3枚までに1本立ちにして、本葉4~5枚になったら株間10~20cmで定植します。
苗を植え付けるときは、ポットから根鉢を崩さないように取り出し、株間10~20cmで浅めに植え付け、土を密着させるように手で軽く押さえます。植え付け後は、たっぷりと水やりします。
直まきの場合は、本葉2枚程度で株間5~6cmに間引いて、本葉4~5枚で節間の詰まったしっかりした株を残すようにして、株間10~20cmになるように間引きます。
1回目の間引き

2回目の間引き

鉢植え
ポット苗は、発芽して双葉が開いたら2本立ちに間引き、本葉2~3枚までに1本立ちにして、本葉4~5枚になったら株間10~20cmで定植します。
プランターで直まきの場合は、本葉2枚程度で2本立ちに間引いて、本葉4~5枚で節間の詰まったしっかりした株を残して、1本立ちにします。
1回目の間引き

2回目の間引き

苗を植え付けるときは、ポットから根鉢を崩さないように取り出し、株間10~20cmで浅めに植え付け、土を密着させるように手で軽く押さえます。植え付け後は、たっぷりと水やりします。
水やり
畑
根付くまでは、土の表面が乾いたら水やりします。根付いた後は、基本的に雨任せで水やりはしませんが、晴天が続き、乾燥するようなら適宜水やりします。
鉢植え
土の表面が乾いたらプランターの底から流れ出すくらいたっぷりと水やりします。
この作業のポイント
エンツァイは、東南アジアなどでは水田の水路わきに自生しているのが見られ、半分水に漬かっていても元気に育つくらい、水の好きな作物です。乾いた普通の畑でも元気に育ち、旺盛に根を伸ばす強いところがありますが、乾燥が続くと生育が遅れ、茎や葉も硬くなってしまいます。定期的な追肥と土が乾いたら水やりを切らさないようにするのがポイントです。
摘芯
エンツァイは、間引きが終わって1本立ちになった後、茎が20~30cm伸びたら、地際から5~6節を残して摘芯します。残した葉の根元からわき芽が伸びて、これを順に収穫します。

畑
エンツァイの収穫は長期間になるので、窒素分の多い肥料を追肥して、肥料切れを起こさないように気を付けます。摘芯が済んだところで状況を見ながら、化成肥料を1カ月に1回のペースで1株当たり30g程度、または、液体肥料を週1回のペースで追肥を行います。
つるが混み合ってくるとわき芽がだんだん細くなってしまうので、つるが重なり合ってきたら、株元の太い分枝を切り取って、風通しをよくします。
鉢植え
鉢植えも摘芯が済んだころから窒素分の多い肥料を追肥して、肥料切れを起こさないようにします。化成肥料なら10g程度を2週間に1回、液体肥料なら週1回、水やりを兼ねて追肥します。
病害虫
エンツァイに付く病害虫は少ないですが、病害では褐斑病、虫害ではイモキバガ、ヨトウムシ、アブラムシ、ハダニなどに注意します。
褐斑病はカビによる病気で、葉に褐色の斑点が出て広がります。連作を避け、余分な枝、つるを除去して風通しをよくして、病気が発生した葉や株は早めに除去します。
イモキバガやヨトウムシはガの幼虫で、見つけ次第、早めに取り除きます。特にヨトウムシは、丸坊主にされることがあります。株近くの土の中にもぐりこんでいるので、掘り出して捕殺します。
アブラムシは、ウイルス病を媒介するので、発生が見込まれる場合はネットを被覆するか、きらきらと光る防虫テープなどで飛来を予防します。
梅雨明けに乾燥が続くとハダニが付きやすくなるので、朝晩、水やりのときに葉裏にもしっかり葉水をかけて予防します。
収穫
種まきから約2カ月すると収穫時期になり、茎が20~30cmほど伸びたところで行う摘芯が最初の収穫になります。この後、残った茎から順に伸びてくるわき芽を20~25cmほどの長さで摘み取って収穫します。
収穫したエンツァイも乾燥に弱いので、水にぬらしたキッチンペーパーで切り口を包んで、密閉できるビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室に立てて保管します。
エンツァイは、ニンニクとの相性がよいので『鷹の爪』と合わせて油炒めにして、シャキシャキした歯切れのよさを楽しみます。ほかに和食風に葉茎が柔らかくなるまで塩ゆでしておひたしやみそ汁の材料にもなります。
この作業のポイント
収穫は、つるの根元から摘み取るのでなく、必ず下葉を2~3枚残して収穫するようにして、また次に伸びてくるわき芽を摘み取ります。伸びすぎて収穫が遅れると茎葉が硬くなってしまうので、こまめに摘み取ります。

監修:福島剛
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