インゲンの育て方・栽培方法
難易度:マークが多いほど難易度が上がります。
- 学名Phaseolus vulgaris L.
- 和名/別名インゲンマメ
- 英名Snap bean、Kidney bean
- 原産地/生産地中央アメリカ
- 分類マメ科インゲンマメ属
- 発芽地温25℃前後
- 生育適温20℃前後
- 日当たり日なた
- 土壌酸度弱酸性~中性
- 植えつけ株間 つるあり種:30~40cm つるなし種:25~30cm
インゲンとは
インゲンはカロテン、食物繊維、ビタミンC、ビタミンB群、カルシウムなどを豊富に含みます。たっぷりの熱湯でさっと下ゆでした後、スープの具、天ぷら、ゴマあえ、バター炒め、サラダ、煮物などに使え、和風、洋風、中華、どんな料理にも相性が抜群です。緑色が美しく、料理の彩りとしても重宝な野菜です。
インゲンは、つるの有無から、つるあり種(つる性種)とつるなし種(わい性種)に分けられます。つるなし種は種まきから収穫までの期間と収穫できる期間共に短く、反対に、つるあり種はいずれも長くなります。また、両種の雑種で半つる性などの品種が育成されています。サヤの非常に長い品種もあります。
日本のインゲン品種は、実が大きくなる前の緑色サヤを食用にするサヤインゲンが主ですが、乾燥した完熟種子を煮豆などに利用する、子実用品種もあります。
1年に3回も作れることから、関西では三度豆などといわれます。温暖な気候を好みますが、寒さには弱く、霜には極端に弱い野菜です。霜さえ気をつければ、4~7月の間、花が咲いた頃に次の種をまけば連続収穫できます。酸性土に弱いので苦土石灰をきちんと施してください。連作を嫌うので、3年程度の輪作にします。湿害に弱いので、畑の水はけ対策をしっかりしておきましょう。
畑の準備
直まきまたは定植の2週間以上前までに苦土石灰を全面散布し、深く耕します。その後、1週間前には堆肥と元肥を施して耕し、畝を作ります。つるなし種は畝幅75cm、株間25~30cmの2条(条間25cm)とし、つるあり種は畝幅100~120cm、株間30~40cmの1条とします。
〈POINT〉 畑は水はけ対策を!
1平方メートル当たり、苦土石灰は2握り(約100g)、堆肥は約3kg、化成肥料(N:P:K=8:8:8)は3握り(約150g)とします。畝の高さは水はけの悪い畑では20~25cmほどに高くします。
種まき、間引きなどの管理および定植
直まきは直径7cm、深さ3cm程度に作った穴に、ポット(9cm)まきは土をポットの上端から3cmほど低いところまで入れたポットに、3~4粒をまき、それぞれ2cmほど覆土をしてから水やりをします。発芽後、ポットまきは初生葉が展開し始めたら、直まきは本葉2枚になったら、2本立てとします。ポットまきでは本葉が2枚になったら定植します。
〈POINT〉 種まき後の水やりはあっさりと!
インゲンは、種まき後に土が湿りすぎていると腐りやすいので、水やりはあっさりとします。間引き後は、残した株の株元の土を軽く押して、株がぐらつかないようにします。
支柱立て・追肥などの栽培管理
つるあり種は本葉4枚になるとつるが伸び始めるので、つるが巻きつくための支柱やネットを立てます。追肥は、1回目を開花始めに、2回目を収穫始めに行い、同時にくわなどで肥料と土を混ぜます。追肥量は1回につき、1平方メートル当たり化成肥料(N:P:K=8:8:8)を軽く1握り(30~40g)とします。つるなし種は栽培期間が短いので追肥は不要です。
〈POINT〉 つるなし種も倒伏防止を!
つるなし種も倒伏を防ぐため、短い支柱を立て、ひもなどで軽く縛るとよいでしょう。
病虫害
病気では、梅雨期や秋雨期に炭そ病が、9月頃の多湿時にさび病が多発するので薬剤防除します。害虫では、生育初期の若い本葉の裏側などにアブラムシやハダニがつきやすいので、取り除くか薬剤による防除を行います。
〈POINT〉 アブラムシは幼苗期から防除を!
アブラムシはウイルス病を媒介するので早めの防除に努めましょう。
収穫
つるなし種は、種まき後40~50日くらいで収穫が始まり、収穫期間は15日くらいです。つるあり種は種まき後65~70日くらいで収穫が始まり、1カ月は収穫できます。いずれも花が咲いてからは約2週間後で、実のふくらみがわずかに見えてきたら収穫適期です。
〈POINT〉 サヤを収穫する時枝を傷めないように!
サヤを収穫する際は枝を傷めないよう、ハサミで切り取るか、指で収穫しましょう。採り遅れるとサヤがかたくなるので早めに収穫します。また、早めに収穫すると株の負担も少なく、長く収穫できます。