サヤエンドウ/スナックエンドウ(スナップエンドウ)の育て方・栽培方法
難易度:マークが多いほど難易度が上がります。
- 日当たり日なた
- 土壌酸度弱酸性~中性
- 植えつけ株間30cm
サヤエンドウ/スナックエンドウ(スナップエンドウ)とは
エンドウは古代エジプトですでに栽培されていましたが、我が国での本格的な普及は明治時代からです。ビタミンCに富み、ビタミンA、B1、食物繊維も多く、ミネラル分も豊富な緑黄色野菜です。調理は加熱を短時間にすることがポイントです。
エンドウには、未熟なサヤを食べるサヤエンドウや豆を大きくしてサヤごと食べるスナックエンドウ、サヤの中の豆を食べる実エンドウ(グリーンピース)の3種類があります。
花には、白花種と紅花種があります。つるが伸びる「つるあり種」と、つるが伸びないわい性の「つるなし種」がありますが、つるあり種の方が長い間収穫が楽しめます。
エンドウは冷涼を好み、15~20℃が生育の適温です。低温に強く、幼苗は4~7℃の低温に耐えます。低温にあたることで花芽の分化が進むことから、秋まき春採り栽培が一般的ですが、株が大きくなると耐寒性が失われてきますので早まきは避けましょう。酸性土壌に特に弱いので、必ず苦土石灰を施して土壌酸度を中和しておきます。また連作を大変嫌いますので、少なくとも3~4年以上エンドウを栽培していない場所を選びます。過湿にも弱く、土壌水分の多いところでは、根腐れを起こし生育が悪くなりますので水はけに心がけましょう。
畑の準備
最低3~4年間エンドウを作ったことがない畑を選び、種まきの2週間以上前に必ず苦土石灰を全面に散布してよく耕します。種まきの1週間以上前に堆肥と元肥を施して再度耕し、種まきまでに畝をつくります。水はけの悪いところは高畝にします。
〈POINT〉 酸性土を嫌う!
苦土石灰を1平方メートル当たり3~4握り(150~200g)を施用して酸性を矯正します。完熟堆肥は1平方メートル当たり約1.5kg、化成肥料(N:P:K=8:8:8)は1握り(約50g)、過リン酸石灰は軽く1握り(約30g)とします。
種まきから間引きまでの栽培管理
種まきの穴はビンなどの底を利用して深さ3cmほどに作り、1穴に4~5粒をまき、2cm ほど土をかけます。乾燥しないようしっかりと水やりします。6~10日で発芽します。本葉が3枚ほどの時に込み合っているところや生育の悪い苗を間引いて2本立ちにします。
〈POINT〉 秋まきは早すぎないように!
秋まきでは早まきするほど越冬中に分枝数が多くなり、開花期も早まりますが、耐寒性が低下し、寒害・凍害を受けやすくなりますので、草丈が10cmほどで越冬するよう、種まき時期を選びましょう。
追肥・支柱立てなど収穫の栽培管理
追肥は秋まきでは種まき1カ月後と開花前に、春まき・夏まきでは開花後と収穫最盛期に施します。その後は収穫終了まで1カ月ごとに追肥します。防寒対策は株元にワラや刈草を敷いたり、不織布などで覆うとよいでしょう。つるあり種は、つるが伸びてきて15~20cmの頃に、1.5~2mの支柱を立てて誘引します。
〈POINT〉 つるボケしないように施用量を守る!
追肥量は1回1平方メートル当たり化成肥料(N:P:K=8:8:8)を軽く1握り(約30g)としますが、エンドウは肥料のやり過ぎに注意しましょう。冬、葉のふちが赤くなるのは寒さによる害です。
病虫害
水はけが悪いと生育初期に立枯病が出ることがあります。また、収穫期の後半のうどんこ病の発生を少しでも遅らせることが、収量を上げるポイントです。害虫はウイルスを媒介するアブラムシを早期駆除し、ハモグリバエは発生初期に速効性の殺虫剤を株全体に散布します。
〈POINT〉 うどんこ病の発生を抑える!
うどんこ病の発生をできるだけ抑えるためには、つるが込んできたら整枝して風通しをよくしたり、高温乾燥時には草勢が衰えないように水を切らさないようにしましょう。
収穫
サヤエンドウはサヤが大きくなってその中の実のふくらみが外側からわずかに見え始めた時に、スナックエンドウは実が十分にふくらみ、サヤがまだ緑色をしている時に、また、実エンドウ(グリーンピース)は実の太りが目立ち、サヤにしわが出始めた時に収穫します。
〈POINT〉 収穫は適期に
収穫はサヤの付け根を指の爪先でつまむか、ハサミを使って切り取ります。サヤエンドウの収穫適期は開花後25日くらいですが、これを過ぎると硬くなります。