ハクサイの育て方・栽培方法
難易度:マークが多いほど難易度が上がります。
- 日当たり日なた
- 土壌酸度弱酸性~中性
- 植えつけ株間40~50cm
ハクサイとは
ハクサイは水分が多く、味が淡泊でくせがないため、煮物や鍋物、炒め物、漬物など用途はさまざまです。また、ビタミンC、カルシウム、カロテンを含み、腸の働きを助ける植物繊維も多く、カロリーも低いので健康維持に役立ちます。
ハクサイには結球種、半結球種がありますが、主流は結球種です。なかでも球の先端で葉が重なり合う品種(包披形)が多く栽培されています。また、球の形から砲弾形、タケノコ形(紹菜)に分けられ、特にタケノコ形はキムチ漬けや油炒めに向く品種です。
種まきから収穫までの日数から、早生、中生、晩生種がありますが、家庭菜園では早く収穫できる早生種~中生種が作りやすいでしょう。結球の内部まで黄色い黄芯系品種が育成され、漬物などにしても色がきれいなことから人気が出ています。
ハクサイという名前は文字どおり全体が白いことからきており、中国北部原産のアブラナ科野菜で、冷涼な気候を好みます。結球は種まき後40~45日で開始しますが、その時の結球温度は15~16℃と低いことから、家庭菜園では温度が上昇していく春よりも、比較的温度が高い夏から秋に種まきし、秋から冬にかけての低温期に収穫する栽培の方が作りやすいでしょう。また、土壌水分の過剰に弱いので有機物を施したりして土の水はけをよくしましょう。
畑の準備・種まき
直まきまたは定植の2週間以上前までに、苦土石灰を全面に散布し深く耕します。その後、1週間前には堆肥と元肥を施して耕し、畝をたてます。種まきは、直まきとポット(7~9cm)まきいずれの場合も直径5cm、深さ1cmくらいの穴を作り、5~6粒をお互いに離してまき、覆土を5mm程度にして軽く押さえます。
〈POINT〉 種まきは適期に!
苦土石灰は2~3握り(100~150g)、堆肥は約3kg、元肥は化成肥料(N:P:K=8:8:8)を3握り(約150g)程度とします(いずれも1平方メートル当たり)。ポットまきは害虫や乾燥の影響を受けにくい利点があります。
発芽・間引き、定植までの栽培管理
3~4日で発芽します。間引きは直まき、ポットまきともに子葉が開ききった頃に3~4本立ちに、本葉が2枚になった頃に2本立ちにします。ポットまきでは本葉4~5枚になったら2本立ちのまま定植します。その後、本葉6~7枚になったら順調な生育をしていて病虫害のない株を1本残します。
〈POINT〉 間引きで残す株の根を傷めないように!
ポットまきの苗を定植する際は、鉢土がくずれないよう定植前日にしっかり水やりをしておきます。また、定植後も土が乾いていたら水やりします。
追肥・中耕・土寄せから収穫までの栽培管理
追肥の1回目は1本立ちに間引いたあと、1握り(約50g)ほどの化成肥料を株の周りにばらまきます。そして、株がぐらつかないように株元に軽く土寄せします。この後、2週間おきに1握りを合計2~3回施し、除草もかねて軽く土寄せします。
〈POINT〉 肥料は株にかからないように!
最後の追肥の頃は細い根が地表近くにたくさん張ってきているので、根を傷めないよう土寄せはしない方がよいでしょう。追肥で葉などに肥料が残っていると肥料やけを起こすので注意しましょう。
病虫害
軟腐病、べと病、根こぶ病などが重要です。なかでも軟腐病は結球間近になって茎の地際から腐り始めて悪臭を放つようになります。発生してからでは防除できないので、予防的な薬剤散布が大切です。害虫はアオムシ、アブラムシ、コナガ、ヨトウムシが発生しますが、早期防除につとめましょう。
〈POINT〉 病虫害は早期防除を!
軟腐病や根こぶ病は連作をしない、畝を高くして水はけをよくする、などである程度防ぐことができます。
収穫
収穫は頭を押さえてみて固くしまっていて十分結球したものから収穫します。種まきしてから早生種で60日前後、晩生種で100~120日で収穫できます。収穫時期のハクサイは地面にぴったりくっついていますので、球を斜めに押して外葉との間にできたすき間に包丁を入れて芯を切断します。
〈POINT〉 貯蔵するなら完全に結球するまで待つ!
中生・晩生種は霜の害を受けないように、結球がほとんど完了した頃に外葉で包んで肩の部分をひもで縛っておくと、寒さによく耐え、遅くまで畑に置くことができます。