ミズナ/キョウナの育て方・栽培方法
難易度:マークが多いほど難易度が上がります。
- 学名Brassica rapa L.(japonica group)
- 和名/別名千筋菜、壬生菜、柊菜
- 英名Mizuna、Mibuna
- 原産地/生産地日本
- 分類アブラナ科アブラナ属
- 発芽地温20~30℃
- 生育適温15~25℃
- 日当たり日なた
- 土壌酸度弱酸性
- 植えつけ株間5cm(大株15cm以上)
ミズナ/キョウナとは
ミズナ(水菜)は京都で発達した菜類で、関東ではキョウナ(京菜)とも呼ばれています。古来から煮炊き用途が中心でしたが、近年、癖のなさとシャキシャキした食感からサラダ用食材として普及し、今では和洋中のさまざまな料理に使われるようになっています。また、ミズナはビタミンA・C・E、カルシウム、リン、鉄、葉酸、植物繊維などが豊富に含まれていて、栄養的にも大変優れた野菜です。
ミズナには、いわゆるミズナとこれから分化したミブナの2種類があり、ミズナは欠刻がある「切葉」で、ミブナは欠刻がない「丸葉」です。ミズナはシャキシャキした食感を生かしたサラダや、煮くずれしないことから鍋物に向いており、ミブナは風味のよさから、煮物以外に漬物にも向いています。
品種には早生、中生、晩生があり、この順番で葉色は濃くなり、耐寒性が強くなるなどの特徴があります。
生育の適温以上では軟弱徒長し、適温以下では伸長が鈍ります。より低温に合うと花芽ができて、その後の高温でトウ立ちしやすくなります。ミズナの由来が、畝間に水をためて栽培していて「水入菜」と呼ばれたことにちなんでいるように、生育初期は十分な水が必要です。しかし後期は、特に高温期で過湿害が出やすいので、水やりに注意しましょう。土壌はあまり選びませんが、酸度は中性が適するので、苦土石灰でしっかりと中和します。
畑の準備
畑への直まきが基本ですが、育苗して移植栽培も可能です。種まきの2週間以上前までに苦土石灰を散布し耕します。1週間前に堆肥と化成肥料を散布して再度耕し、畝を作ります。畝幅は80cm、高さは10cm程度にします。プランターでの栽培も手軽にできます。
〈POINT〉 畑は排水に注意を!
1平方メートル当たり苦土石灰は2握り(約100g)、堆肥は約2kg、化成肥料(N:P:K=8:8:8)は2握り(約100g)とします。育苗する場合は本葉3枚程度の苗を定植します。
種まき、間引きなどの管理
小~中株どりでは、条間20cmで、まき溝に0.5~1cm間隔にスジまきするか、5cm間隔で作ったまき穴に種を3~5粒まき、土を5mmほど覆土して軽く手で押さえ、しっかり水やりします。スジまきでは本葉3~4枚頃までに間引きながら、株間5cmにします。穴まきでも本葉3~4枚頃までに1本立ちにします。
〈POINT〉 間引きは残す株の根を傷めないように!
種まき予定日に畑が乾燥している時は、事前に水やりをしっかりします。まき溝は幅2cm、深さ1cm程度に、まき穴は直径2~3cm、深さ1cm程度に作ります。大株にする場合は、本葉6~8枚時に間引いて、株間を15cm以上にします。
定植後~収穫までの栽培管理
種まき後20~30日までは水管理が重要で、水分を切らさないようにしましょう。ただし高温期では、生育後期の過湿は軟腐病を招くので注意しましょう。追肥は株の生育を見ながら2~3回行います。目安は草丈が10cmの時1回目、20cmの時2回目とします。
〈POINT〉種まき後の水やりはしっかりと!
草丈が15cmを超える頃から、土の表面が乾いてきたら水やりします。追肥は1回につき1平方メートル当たり、化成肥料(N:P:K=8:8:8)を軽く1握り(約30g)とします。冬は寒さに当たると春にトウ立ちするので、トンネルなどで保温します。
病虫害
ミズナで特に問題となるコナガ、アブラムシなどの害虫は、防虫ネットなどによるトンネル被覆栽培で物理的に防ぎます。病害では根こぶ病や立枯病が問題となります。立枯病を防除するには種まき時に土壌潅注剤を用いましょう。
〈POINT〉 病虫害は耕種的・物理的防除で!
土壌病害の根こぶ病は治せませんので、次の栽培からは連作を避け、水はけをよくします。また、土壌の酸度を苦土石灰によって中性付近に調整します。
収穫
種まき後収穫までの日数は、夏期では30~40日、冬期では80日前後で、収穫の目安は草丈20~30cmですが、間引き菜から利用できるので、大きさにこだわらず、使いたい時に随時収穫するのがよいでしょう。
〈POINT〉 収穫は早めに!
株元を持って根ごと引き抜き、根のつけ根を刃物で切って収穫します。その際、根部を畑に残すと、根こぶ病などの土壌病害の原因となるので、畑から持ち出すよう心掛けます。