チンゲンサイの育て方・栽培方法
難易度:マークが多いほど難易度が上がります。
- 学名Brassica rapa L.var.chinensis
- 和名/別名体菜、シャクシナ
- 英名Pak-choi、Chinese mustard
- 原産地/生産地中国
- 分類アブラナ科アブラナ属
- 発芽地温20~25℃
- 生育適温20℃前後
- 日当たり日なた
- 土壌酸度弱酸性~中性
- 植えつけ株間 3本仕立て:15cm 1本仕立て:5cm
チンゲンサイとは
チンゲンサイは、1970年代の中国野菜ブームのなかで日本にすっかり定着した代表野菜です。カリウム、カルシウムや鉄などのミネラル類、カロテン(体内でビタミンAになる)、ビタミンC、Kやナイアシンなどのビタミン類が豊富な緑黄色野菜です。煮くずれせず、歯切れがよいため、油炒め、煮物、和え物、汁の実などの料理に適します。
葉柄部(軸)が帯緑色(緑色を帯びる)のものがチンゲンサイで、パクチョイは白色のものを言います(農水省によって1983年に統一)。チンゲンサイはパクチョイより生育期間が短いことが特徴です。逆に、パクチョイの特徴は低温に敏感に反応しやすく、トウ立ちが早いことです。春早く栽培する場合は生育が早く、トウ立ちが遅い品種を選び、夏の高温期の栽培では節間が伸びにくく、生理障害が起きにくい品種を選びます。
涼しい気候を好む一方で、夏の暑さにも比較的強い方なので、春から秋まで栽培可能ですが、作りやすいのは春まきと秋まきです。低温に当たると花芽ができ、春になるとトウが立ち、開花しやすくなります。その場合は、トウが立つ前に収穫するか、トウを食べます。土壌はあまり選びませんが、乾燥しやすい土の場合は、水やりを適切に行います。
畑の準備
畑への直まきを基本としますが、育苗して移植栽培も可能です。種まきの2週間以上前までに苦土石灰を散布し耕します。1週間前に堆肥と化成肥料を散布して再度耕し、畝を作ります。畝幅は80cm、高さは10cm程度にします。雑草防止のため、黒ポリマルチをするとよいでしょう。
〈POINT〉 畑は水はけに注意を!
苦土石灰は1平方メートル当たり2握り(約100g)、堆肥は約2kg、化成肥料(N:P:K=8:8:8)は2握り(約100g)とします。育苗する場合は本葉3枚程度の苗を定植します。
種まき・間引きなど育苗管理
普通種では株間を15cmとして、種まき用の穴(直径3~4cm、深さ1cm)を作って種を4~5粒まき、5mmほど覆土をして軽く手で押さえ、しっかりと水やりします。間引きは、本葉2枚頃に2本立ちにし、本葉3~4枚頃に1本立ちとします。
〈POINT〉 種まき後の水やりは十分に!
まき溝の間隔(条間)は20cmとします。種まき後3~4日で発芽します。ミニチンゲンサイでは、株間を15cmとした場合は3本仕立てとし、5cmとした場合は1本仕立てとします。間引きは残す株を傷めないよう注意します。
土寄せ・水やりなどの栽培管理
1本立ちに間引いたあとに、マルチなしの場合は畝全面を軽くかきまぜ、株が倒れないように株元に土寄せします。マルチありの場合は、倒れている株の根元に土を補って起こしてやります。畑が乾燥してきたら水やりします。
〈POINT〉 水やりを適切に
水やりは春・秋は午前中に、夏は夕方に行います。生育期間が短いので、追肥は基本的にはしません。
病虫害
チンゲンサイの主な害虫は、コナガ、アブラムシ、キスジノミハムシ、ハモグリバエなどで、病害では白さび病、べと病、軟腐病などが主なものです。いずれも早期防除に努めます。根こぶ病が出ると治せませんので、次の栽培からは連作を避け、水はけをよくします。
〈POINT〉 病虫害は耕種的・物理的防除で!
害虫は、寒冷紗、不織布などによるトンネル被覆を行って防除します。また、アブラムシの飛来防止のため、シルバーストライプ入りポリマルチが効果的です。
収穫
普通種は、種まき後から収穫までの日数は、夏まきで50日、春・秋まきで55日、冬まきで70~80日です。大きさの目安は、草丈20cm程度、株元の直径が4~5cm程度です。ミニ種の場合は草丈10~15cm程度で収穫します。
〈POINT〉 収穫は早め早めに!
株元を持って根ごと引き抜き、根の付け根を刃物で切って収穫します。採り遅れると葉柄部がスジっぽくなりますので、葉柄部がふくらんできたら収穫して構いません。