カブの育て方・栽培方法
難易度:マークが多いほど難易度が上がります。
- 日当たり日なた
- 土壌酸度中酸性~中性
- 植えつけ株間 小カブ:約10cm 中カブ:15~20cm 大カブ:30~40cm
カブとは
カブの根や葉にはビタミンA、B2、C、カルシウム、鉄、食物繊維が多く含まれ(特に葉に多い)ています。また、根にはデンプン分解酵素のジアスターゼが多く含まれ、胃腸の働きを助けます。カブは和、洋、中華いずれの料理にも使え、酢漬け、汁の実、煮物などでおいしく食べられます。
日本のカブには、ヨーロッパ型(洋種)とアジア型(和種)およびその中間型があります。根の大きさには大、中、小があり、例えば、関東の「金町小かぶ」などの小カブ、京都の「聖護院かぶ」などの大カブ、そして天王寺カブ、近江カブなどの中カブと、地方色豊かで特徴がある品種があります。形も球形、偏球、長形などに分けられ、根色も白、淡緑、紫紅、紅などがあって、栽培するのが楽しみです。
生育適温は20~25℃前後で、高温に弱く、涼しい気候を好むので、栽培の適期は春と秋になります。春にあまり早く種まきすると低温に感応して、トウ立ちします。土壌は保水性、排水性に富んでいることが重要ですが、水はけが悪ければ高畝にします。畑が乾きすぎると裂根の原因になるので、乾きそうな時は水やりします。連作すると土壌病害やホウ素欠乏症などの発生が多くなるので、できるだけ他作物と輪作するようにします。
畑の準備・種まき
種まきの2週間以上前までに、苦土石灰とよく腐熟した堆肥を全面に散布して耕します。1週間前に化成肥料を施して再度耕し、畝を作ります。種まきは、深さ1~1.5cmほどのまき溝を作り、種をスジまきします。その後、5mmほど覆土して軽く押さえ、しっかりと水やりします。
〈POINT〉 堆肥はよく腐熟したものを使う!
施用量は、1平方メートル当たり苦土石灰が2握り(約100g)、堆肥は約2kg、化成肥料(N:P:K=8:8:8)は2~3握り(100~150g)とします。
発芽・間引きなど栽培管理
間引きは1回目を本葉1枚、2回目を本葉2~3枚、3回目を本葉5~6枚の頃にします。株間は最終的に小カブでは約10cm、中カブでは15~20cm、大カブでは30~40cm程度とします。間引きでは病虫害に侵されているもの、生育の特に早いものと遅いものを取り除きます。
〈POINT〉 間引きで残す株の根を傷めないように!
種まき後3~4日で発芽します。間引きは葉が重ならない程度に、残す株の根を傷めないようにするのがコツ。夏は寒冷紗などをかけると強い直射日光から守り、乾燥を防ぎます。冬はビニールトンネルをかけると防寒になります。
追肥・中耕などの栽培管理
小カブの場合は元肥のみで栽培できます。中・大カブでは、2回目、3回目の間引きをした後に化成肥料を散布し、除草を兼ねて軽く中耕・土寄せします。
〈POINT〉 土寄せは丁寧に!
追肥は1平方メートル当たり化成肥料を軽く半握り(約20g)とします。土寄せすると根がきれいになります。
病虫害
害虫ではアブラムシ、コナガ、ヨトウムシ、カブラハバチなどが発生するので、見つけたら捕殺するか殺虫剤を散布します。病害では根こぶ病、べと病などがありますが、根こぶ病が発生したら治す方法がないので、抜き取って廃棄してください。
〈POINT〉 連作は避ける!
根こぶ病の発生をできるだけ少なくするには、連作を避けると共に、完熟堆肥を施用し、高畝にして栽培するとよいでしょう。
収穫
小カブは直径4~5cmくらい、中カブは8~10cmくらい、大カブは20~30cmくらいをおおよその目安として、根が肥大したものから間引くようにして収穫します。収穫が遅れると、すが入ったり根にひび割れを起こすので、早めに収穫します。
〈POINT〉 収穫は早採りを心掛ける!
収穫までの日数は、種まき後、秋まきの小カブは40~50日、中カブは50~60日、大カブは60~90日ですが、早採りしてもおいしく食べられます。