ニンジンの育て方・栽培方法
難易度:マークが多いほど難易度が上がります。
- 日当たり日なた
- 土壌酸度中酸性~中性
- 植えつけ株間 短根系:10~12cm ミニ系:6~8cm
ニンジンとは
ニンジンは緑黄色野菜の代表で、栄養価が高く、カロテン、ビタミンB2やC、葉酸、食物繊維などが多く含まれます。カロテンには抗酸化作用があり、体内で一部はビタミンAに変わります。生食や炒め料理、煮込み料理、漬物など、あらゆる料理で重宝される野菜で、彩りの点でも欠かせません。
ニンジンの種類は大きく長根種と短根種に分けられますが、金時などの長根種は一部の地域で栽培されているだけです。現在は短根種の五寸、三寸ニンジンなどと称される品種が主に栽培されています。これらの品種のなかには、ニンジン臭が少なく食味がよくてサラダなど生食に向くものもあり、カロテンの量が多く赤色の濃い品種があります。その他に、黄色いニンジンや、プランター栽培で作りやすい長形や丸形のミニニンジンもあります。
冷涼な気候を好みますが、幼苗時は高温にも比較的強いので、家庭菜園では夏まきで秋~冬に収穫する栽培が最も適しています。本葉3~5枚で10℃以下の低温にあうと花芽ができ、春になるとトウ立ちするので、秋まきや春まきでの早まきは避けましょう。ニンジンの種は吸水力が弱く、種まき後に土が乾くと極端に発芽が悪くなるので、発芽まで乾燥させないように。土が酸性ほど生育が遅れるのでしっかりと苦土石灰をまきます。
畑の準備
種まき予定の2週間以上前に完熟堆肥、苦土石灰および元肥を散布してから深さ20~25cmをよく耕します。堆肥はよく腐熟していても、塊はほぐして散布します。耕す時、石などは取り除き、ゴロ土はできるだけ砕くか取り除きます。畝を作る前にもう一度耕すとよいでしょう。
〈POINT〉 未熟堆肥は使わない!
1平方メートル当たり完熟堆肥約3kg、苦土石灰2握り(約100g)、元肥の化成肥料(N:P:K=8:8:8)を2握り(約100g)と過リン酸石灰を軽く1握り(約30g)とします。未熟堆肥は股根になりやすいので使わない方がよいでしょう。
種まき・発芽まで
畝面をできるだけ平らにしてから、幅2~3cm、深さ1cmほどの溝を作り、種まきは2~3mm間隔の条まきとします。覆土は5mmほどとし、手やクワの背で軽くおさえ、たっぷりと水やりします。乾燥を防ぐため切りワラや腐葉土で覆います。5~10日で発芽しますが、それまで乾燥しないよう、ときどき水やりします。
〈POINT〉 水は切らすな!
畝が乾燥している時は種をまく前に水をやり、土を湿らせておきます。ニンジンの種は発芽するのに光が必要(好光性)ですので覆土は厚すぎないように注意しましょう。
間引き・追肥などの栽培管理
1回目は本葉1~2枚の頃に込んだところをすくように間引きます。2回目は本葉3~4枚の頃に、葉と葉が重ならない程度(2~4cm)に行います。3回目は本葉5~6枚の頃に6~12cm間隔になるように間引きします。2回目と3回目の間引き後、畝面に追肥し、肥料と土をよく混ぜながら軽く中耕して、株元に土寄せします。
〈POINT〉 間引きは残す株を傷めないように!
間引きの時、土が乾いている場合は、あらかじめ水やりして土を湿らせてから間引くと作業がしやすくなります。雑草も必ず抜き取っておきます。追肥は1回ごとに1平方メートル当たり化成肥料(N:P:K=8:8:8)を1握り(約50g)とします。
病虫害
病気は夏の高温期に黒葉枯病、黒斑病が発生することがあるので、殺菌剤を散布します。 害虫はネキリムシやキアゲハ、キンウワバの幼虫に注意し、よく見回って捕殺しますが、捕殺できなければ殺虫剤を散布します。前作でネコブセンチュウが発生した畑で栽培する場合は専用の薬剤で消毒します。
〈POINT〉 ネコブセンチュウ発生畑は避ける!
黒葉枯病は春から秋にかけて発生し、乾燥や肥料不足でひどくなります。ネコブセンチュウ対策で薬剤を使わない場合は、マリーゴールド、ハブソウやクロタラリアなどの対抗植物を植えましょう。
収穫
肥大したものから順次収穫していきます。三寸ニンジンは種をまいてから100日程度、四寸、五寸ニンジンは110~130日程度で収穫期になります。秋に貯蔵する場合は、掘り上げて土つきのまま1カ所にまとめて土を掛けておきます。
〈POINT〉 収穫は遅れないように!
土から根が出ているとその部分が緑化しますので、土寄せをしておきます。収穫が遅れると根が裂けてしまうことがあります。