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失敗しない栽培レッスン(野菜)

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ゴボウの育て方・栽培方法

難易度
  • 春まき
  • 秋まき
  • 地植え

難易度:マークが多いほど難易度が上がります。

  • 学名Arctium lappa L.
  • 和名/別名岐多岐須(キタキス)、馬蕗または旨蕗(ウマフブキ)
  • 英名Edible burdock、Great burdock、Lappa
  • 原産地/生産地ユーラシア大陸北部
  • 分類キク科ゴボウ属
  • 発芽地温20~25℃
  • 生育適温20~25℃

生育条件

  • 日当たり日なた
  • 土壌酸度中酸性~弱酸性

栽培管理

  • 植えつけ株間 長根種・太短根種:10~15cm 短根種:3~8cm

栽培暦

ゴボウとは

ゴボウを食用としているのはわが国くらいで、原産地であるユーラシア大陸北部や中国などにおいては薬用としての利用が大部分です。シャキシャキした歯ざわりと独特の香りが日本人の嗜好に合うようで、きんぴらや天ぷらのかき揚げなどの他、煮物に用いたり、細切りにしサッとゆでてサラダにも利用します。食物繊維は野菜の中で最も多く、低カロリーのため、ヘルシー野菜として見直され消費量も多くなってきています。

ゴボウには従来、根が長い滝の川群と太くて短い大浦群がありますが、大浦群は一般には見られません。現在のゴボウ品種は、滝の川を代表とする長根種とそれらの改良型の短根種(太系も含む)が中心となっています。

家庭菜園では収穫までの日数が短く、掘り取りが容易な短根種(または太短根種)の栽培をおすすめしますが、耕土が深い畑では長根種の栽培に挑戦するのもよいでしょう。他に、葉を食用にする葉ゴボウがあります。

ポイント

ゴボウの生育適温は20~25℃で、地上部は3℃以下で枯れますが、根部は極めて耐寒性が強くマイナス20℃にも耐えます。また、耐暑性もあるので作りやすい野菜です。強い光線を好み乾燥には強いですが、浸水・過湿には弱いので、排水がよく耕土が深い畑が適します。ゴボウは特に連作を嫌うので、3~5年は他の作物を栽培します。酸性土壌に弱いので、苦土石灰を十分散布して酸性を中和しておきます。

畑の準備

畑は水はけがよく、少なくとも3年はゴボウを作っていない畑を選びます。種まきの2週間以上前に、苦土石灰をまいて深く耕します。1週間前には完熟堆肥と化成肥料を施し、再びよく耕します。その後、幅50~60cm、高さ10~30cmの畝を作ります。耕土が浅い場合は高畝にします。

〈POINT〉 堆肥は完熟したものを!

苦土石灰は1平方メートル当たり3握り(約150g)、堆肥(完熟)は約3kg、化成肥料(N:P:K=8:8:8)は2握り(約100g)とします。未熟堆肥や石ころ、かたい土塊などは岐根(また根)の原因となるので、完熟堆肥を用い、石ころやかたい土塊を取り除きます。

種まき・発芽までの栽培管理

直径5cm、深さ1cmのまき穴を作り、あらかじめ吸水させた種を1穴につき4~5粒まきます。ゴボウの種は好光性種子ですので、覆土はごく薄くします。軽く押さえてからたっぷり水やりし、発芽まで水を切らさないようにします。発芽(種まき後10日~2週間)がそろったら1回目の中耕・土寄せをします。

〈POINT〉 こまめに除草する!

種皮がかたいので、種を一晩水に浸して吸水させます。株間は長根種と太短根種が10~15cm、短根種が3~8cmとします。ゴボウは初期生育が遅いので、雑草に負けないようにこまめに除草します。

間引きから収穫までの栽培管理

間引きは、本葉1枚時(春まき:種まき後30~40日)で2本立ちとし、本葉3~4枚時(50~60日)で1本立ちとします。そして1回目の追肥・中耕・土寄せをします。その後、草丈が30cmになるまでに1~2回、追肥と中耕・土寄せを行います。秋まきでの間引きは翌春本葉2~3枚の頃に1本立ちにします。

〈POINT〉 肥料不足にならないように!

追肥量は1平方メートル当たり化成肥料を軽く1握り(約30g)とします。間引きは、葉が素直に上に伸びているものを残します。ゴボウは比較的多肥条件が向いており、肥料不足になると、す入りが多くなります。

病虫害

ゴボウの病虫害では、連作による線虫の被害が大きく、岐根が多発するようになります。この他、病害では黒斑細菌病、うどんこ病などが発生し、虫害ではアブラムシやヨトウムシ、ネキリムシ類などが発生しますので、早期発見、早期防除を心掛けます。

〈POINT〉 連作は避ける!

線虫の一種、ネコブセンチュウは多くの野菜に寄生繁殖するので、前作の野菜の根部を常に調べるよう心掛け、畑の選定に注意します。イネ科植物、キャベツ、ネギなどとの輪作がおすすめです。

収穫

長根種は春まきでは150日前後、直径2cmほどまでに収穫します。長期間収穫しないとすが入るので、適期に全部掘り取り、土をかぶせて保存します。短根種は種まき後約75日、太さ1.5~1.7cm、長さ30~40cmを目安に収穫します。いずれも根が細くても(直径1cmほどから)若ゴボウとして利用できます。

〈POINT〉 若採りして風味を楽しもう!

収穫は葉を刈り取り、根の脇を30~40cmほど掘り下げ、根の首部を両手で持って、掘り下げた穴側にやや倒すようにして引き抜きます。土つきゴボウの調理では風味を生かすため、皮はむかずにタワシなどでこする程度にします。

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