ハナナの育て方・栽培方法
難易度:マークが多いほど難易度が上がります。
- 学名Brassica rapa L.(和種ナバナ・在来ナタネ) Brassica napus L.(洋種ナバナ・西洋ナタネ)
- 和名/別名ナバナ(菜花)、苔菜、折り菜、茎立ち菜、摘み菜、油菜、菜の花
- 英名Rape
- 原産地/生産地諸説
- 分類アブラナ科アブラナ属
- 発芽地温20℃前後
- 生育適温15~20℃
- 日当たり日なた
- 土壌酸度弱酸性
- 植えつけ株間15~20cm
ハナナとは
ハナナ(ナバナ類)は、トウ立ち後の花茎と蕾や若葉を利用する野菜で、特有の歯ざわりとほのかな苦味は早春の味として欠かせません。優れた緑黄色野菜で、ビタミンE・K・C、ナイアシン、葉酸、カロテン(体内でビタミンAになる)、カリウム、カルシウム、鉄などのミネラル類が多く、食物繊維も多く含みます。調理は、おひたし、カラシ和え、サラダに利用したり、炒め物、一夜漬けにも好適と多彩です。
ハナナ(花菜)はナバナ類のうち、和種ナタネの主に蕾を利用する品種群をさします。ナバナ類には他に、茎立菜(クキタチナ)と言って、西洋ナタネの茎葉を利用する品種群があります。ただし、茎立菜にも蕾主体に利用する品種もあります。ハナナの葉は淡緑色で、ロウ質は少なく、花は小さく、逆に、茎立菜の葉は濃緑色で、ロウ質は多く、花は大きい特徴があります。
ナバナ類は寒さに強く、氷点下で茎葉が凍結しても枯れませんが、生育を順調にさせるためには、日当たりよく、暖かい所で栽培します。土はあまり選びませんが、有機質に富み、排水性に優れている土壌が適します。土が酸性では生育が悪いので、苦土石灰でpHを6.0~6.5に調整します。過湿には弱いので、畝を高くするなどして、水はけをよくします。密植すると風通しが悪くなり、病害の発生が多くなり、側枝の出が少なくなります。
畑の準備
種まきあるいは定植の2週間以上前までに、苦土石灰を散布し耕します。1週間前に堆肥と化成肥料を散布して、再度耕します。畝幅は1条では50cm、2条では70cm程度とし、畝の高さは15~20cmにします。育苗する場合は、本葉4~5枚程度の苗を定植します。
〈POINT〉 畝は高めに作る!
畑への直まきが普通ですが、育苗後移植栽培も可能です。1平方メートル当たり苦土石灰は2握り(約100g)、堆肥は約2kg、化成肥料(N:P:K=8:8:8)は2握り(約100g)とします。
種まき、間引きなどの管理
種まきは、種まき用の穴(直径3~4cm、深さ1cm)に4~5粒をまき、ごく薄く土をかけます。穴の間隔(株間)は15~20cm程度にします。本葉が2~3枚頃に2本立ちに間引きし、4~5枚頃に間引きして1本立ちにします。間引きはハサミで地際から切り取ると残す株を傷めません。
間引きは残す 株の根を傷めないように!
種まき前に穴に浸透性殺虫剤を混和すると、アブラムシなどを防除できます。種は好光性なので、覆土はごく薄くします。長期収穫をする場合は、株間を30~35cmほどに広くします。
収穫までの栽培管理
本葉が4~5枚頃(間引きで1本立ちにした時)に畝面全体を中耕し、株元に十分土寄せをします。追肥は、早生種では収穫が始まったら1回目を行います。中生種・晩生種では、種まき1カ月後に1回目の追肥をします。いずれも、その後は収穫終了まで1カ月毎に追肥します。
〈POINT〉 追肥はやり過ぎないように!
追肥量は、1回に1平方メートル当たり軽く1握り(約30g)とします。追肥の場所は畝の肩部分と条間に施します。
病虫害
病気は立枯病、白さび病、菌核病などが発生しますが、早期発見と早期防除が肝要です。害虫はアブラムシ、コナガ、アオムシなどです。背が低い時は防虫ネットをトンネル状にかけて防ぎます。背が高くなってきてからは薬剤を散布しますが、収穫の1週間前までとします。
〈POINT〉 早期発見・早期防除!
浸透性殺虫剤利用は間引きのポイントを参照のこと。根こぶ病が発生したら治せませんので、抜き取って畑から除去します。同じ場所でのアブラナ科野菜の栽培は3~5年は休みましょう。
収穫
茎が伸びて蕾が膨らんだ開花直前が収穫適期です。種まきから収穫までの日数は、年内どりの場合、早生種で60日、中生種で75日、晩生種で90日を過ぎたぐらいが目安です。種まきが遅い場合、年内収穫ができません。3月上・中旬頃からの収穫となります。
〈POINT〉 適期に収穫する!
収穫の方法はハサミなどで切り取るか、手で茎を折って収穫します。収穫してすぐに食べない場合は、できるだけ早く冷蔵庫に保管します。