カボチャの育て方・栽培方法
難易度:マークが多いほど難易度が上がります。
- 学名Cucurbita maxima Duch.(西洋カボチャ) Cucurbita moschata Duch.(日本カボチャ) Cucurbita pepo L.(ペポカボチャ)
- 和名/別名カボチャ
- 英名Pumpkin
- 原産地/生産地南アメリカ
- 分類ウリ科カボチャ属
- 発芽地温25~30℃
- 生育適温20℃前後
- 日当たり日なた
- 土壌酸度中酸性~中性
- 植えつけ株間1~1.2m
カボチャとは
カボチャは体内でビタミンAとなるカロテンが多く、果肉の黄色が濃いほど豊富です。また、ビタミンC、たん白質、食物繊維、ミネラル(特にカリウム)を豊富に含み、栄養価が高い緑黄色野菜です。「冬至カボチャ」といわれるように、野菜の中でも保存性がよいことから、貯蔵しておき、ビタミン源の少ない冬にも食べたいものです。
カボチャには日本種、西洋種、ペポ種の3種があります。日本種は昔から栽培されていたため、地方品種が多くあります。果肉は粘質です。これに対して、西洋種の肉質は粉質で、果皮の色は黒緑色、白皮、赤皮などがあります。未熟果をサラダや漬物に利用する新しい品種も人気です。ペポ種には若どり用のツルなしカボチャや、外観が色とりどりのものがあり、栽培する楽しみがあります。
西洋カボチャは冷涼で乾燥した気候を好み、日本カボチャは高温多湿に耐えます。ペポカボチャは耐暑性があります。土質を選ばず、日当たりさえよければ旺盛に育つ作りやすい野菜です。根は広く張るので吸肥力が強く、ほかの作物が栽培できない場所でも作れますが、チッ素肥料が多く残っている畑や、チッ素肥料を多肥にするとつるぼけとなります。水はけが悪いと茎葉に疫病が発生しやすいので、水はけをよくします。
種まき~定植の育苗管理
種まきは、ポット(9~12cm)まきと直まきいずれも、直径4~5cm、深さ1cmくらいの穴を作り、4~5粒をまいて土をかぶせ、手で軽く押さえて水やりします。本葉1~2枚の時に2本に間引きし、本葉2~3枚で1本立ちにします。
〈POINT〉 確実な発芽には保温を!
直まきではホットキャップをかぶせて保温し、ポットまきでも25~30℃前後になるよう保温します。3~5日ほどで発芽します。定植適期苗は本葉4~5枚(種まき後30日前後)です。
畑の準備~定植または直まきまで
定植または直まきの2週間以上前までに苦土石灰を散布して深く耕します。1週間前に、直径30~40cm、深さ30cmほどの穴を掘り、底に堆肥を入れ、掘り上げた土に化成肥料、過リン酸石灰をかきまぜて穴に埋め戻し、周りの土を集めて高さ10cmほどの定植床または直まき床を作ります。株間は1mほどにします。
〈POINT〉 肥料のやりすぎ厳禁!
苦土石灰は1平方メートル当たり2~3握り(100~150g)、1穴当たり堆肥は約1kg、化成肥料(N:P:K=8:8:8)は1握り(約50g)、過リン酸石灰は軽く1握り(約20g)とします。定植は深植えにならないように注意しましょう。定植後はホットキャップをかぶせ、つるが伸びてきたら取りはずします。
定植後~収穫までの栽培管理
整枝は、西洋種では親づる1本と子づる1本、日本種、ペポ種では親づる(本葉5~10枚で摘芯)と子づる2~4本の仕立てとし、着果前は他の子・孫づるはかき取り、後は込みすぎたつるを摘除します。ペポ種でツルなし種(ズッキーニ)の整枝は不要です。追肥は、着果した果がこぶし大になった頃に、化成肥料を株元から40cmのあたりに施します。
〈POINT〉 つるの整理は早めに行う!
追肥は、化成肥料を1株当たり軽く1握り(20~30g)とします。着果を確実にするため、雌花が咲いたら、早朝、雄花の花粉を雌しべにつける(人工授粉)のもよいでしょう。
病虫害
うどんこ病と疫病が大敵です。うどんこ病は雨量が少なく、乾燥ぎみの天気が続く時に発生します。疫病は水はけが悪い畑や、長雨が続いた時に発生が多くなります。雨による泥のはね上がりを防ぐために、株元にポリマルチをしたり、つるの下にワラを敷いたり、果実にはマットを敷くとよいでしょう。
〈POINT〉 病害は初期防除に努める!
うどんこ病は初期のうちにしっかりと防除します。ポリマルチのデコボコは水たまりができやすいので、畝作りの時注意しましょう。
収穫
西洋種は開花後40~45日ほど経って、果梗のひび割れが十分コルク化したら収穫します。日本種は開花後25~30日経って品種特有の色になり、果面に白い粉がふきだしたようになってきたら収穫します。ズッキーニは開花後4~7日、長さ20cm程度、太さ3~4cmで収穫します。
〈POINT〉 着果と摘果は確実に行う!
西洋カボチャは収穫後、風通しのよいところに置き1週間ほど乾燥させる(キュアリング)と、日もちがよくなり、また、おいしくなります。