文・編集
園芸通信編集部
サルスベリ
2019/08/06
中国原産の落葉樹で、日本でも古来親しまれ、夏を代表する花木の一つであるサルスベリ。どうしても他の花が少なくなる盛夏、猛暑酷暑に耐えて咲く貴重な花であり、個人の庭や街路樹でもおなじみです。滑らかな樹皮からサルスベリの名がついていますが、実際にはサルは滑らずに登ることができるとか。別名の百日紅(ひゃくじつこう)は、開花期間が100日、とは大げさながら、梅雨の末期からお彼岸前ごろまで長く咲き続けることから名付けられています。サルスベリの名所から、まだ珍しいわい性種が一面に植えられた秩父ミューズパーク、大木でかつ本数が多い国営昭和記念公園、見上げるような巨木の石光寺、この3カ所をご紹介します。
秩父ミューズパーク
秩父ミューズパークという名前は、ギリシャ神話に登場する人間のありとあらゆる知的活動をつかさどる女神の名前「ミューズ」(英語ではMuse)にちなんで名付けられています。ミュージック(音楽)、ミュージアム(博物館)、アミューズメント(娯楽)などの語もこのミューズを語源としています。秩父ミューズパークには多彩なアトラクションや娯楽施設、イベントがあり、四季折々の花とともに、どの世代でも一日を楽しめる公園です。広大な園内の一角、「斜面広場」に約7300株のサルスベリが植栽されています。ここのサルスベリはわい性種(本来のものに比べて背丈が低いもの)で、ピンク(サマーファンタジー)、白(ホワイトフェアリー)、紫(パープルクイーン)の3品種が3600㎡に咲き誇り、他のサルスベリ名所とは異なる独特の景観です。「斜面広場」には遊歩道と平坦地にベンチがあり、市街地を一望できる展望休憩ポイントにもなっています。
施設概要
〒368-0102
埼玉県秩父郡小鹿野町長留2518
電話番号:0494-25-1315(秩父ミューズパーク管理事務所)
休園日:なし(施設によって定休日あり)
開園時間:終日(施設によって営業時間あり)
入園料:無料(有料施設あり)
駐車場:無料駐車場あり(第3駐車場のみ夏季有料)
見ごろ:7月下旬~9月上旬(開花状況は気温により変動するため事前にご確認ください)
国営昭和記念公園
国内有数の規模を誇る国営昭和記念公園。ここは昭和天皇陛下御在位50年記念事業の一環として立川飛行場跡地に建設された国営公園です。早春のフクジュソウから始まり、秋のコスモスなど、四季折々の花が楽しめる園内です。夏の花を代表するサルスベリは、広い園内のうち、カナール北傾斜面、昭島口ゲート近く、レインボープール内などに、計208本が植栽されています。カラーは赤、ピンク、白の3種類。鮮やかな花色に加え、樹高、花房ともに大きく、とても見応えがあります。
施設概要
〒190-0014
東京都立川市緑町3173
電話番号:042-528-1751(国営昭和記念公園管理センター)
定休日:年末年始(12月31日・1月1日)、2月の第4月曜日とその翌日
開園時間:3月1日~10月31日は9:30~17:00、11月1日~2月末日は9:30~16:30、4月1日~9月30日の土・日・祝日は9:30~18:00(時間は変更になる場合あり。要確認)
入園料:大人(15歳以上)450円、小人(小・中学生)無料、シルバー(65歳以上)210円(無料入園日あり)
駐車場:有料駐車場あり
見ごろ:8月上旬~9月上旬
石光寺(せっこうじ)
石光寺は約1300年前、天智天皇の勅願で、修験道の祖とされている役小角(えんのおづぬ)により開山されました。1991(平成3)年には、開山当時の石造弥勒像が発見され、日本最古の石仏とされています。関西花の寺第20番札所としても有名で、特にボタンとシャクヤクの名所として知られています。11月下旬から1月初旬の寒ボタン、4月中旬から5月初旬のボタン、5月初旬から中旬のシャクヤクの時期には、多くの観光客が訪れます。盛夏、石光寺の山門には、境内からあふれ出すように咲く、サルスベリの古木があります。樹齢は約250年。お寺の壁に覆いかぶさるような枝ぶりで、鮮やかな紅色の花がしだれるように咲く姿は実に見事です。
施設概要
〒639-0273
奈良県葛城市染野387
電話番号:0745-48-2031
拝観時間:8:30~17:00(11~3月は9:00~16:30)
拝観料:大人(中学生以上)400円、小学生200円、団体・障がい者割引あり
駐車場:無料駐車場あり
見ごろ:7月下旬~9月中旬(開花状況は気温により変動するため事前にご確認ください)