2018/04/19
赤や黄色で色鮮やかなトマト。老若男女問わず好きな方も多く、夏の食卓には欠かせませんが、見た目だけでなく身体にもうれしい野菜です。
「トマトが赤くなると医者が青くなる」と言われるほど、優秀な働きがある食材です。疲れた胃腸の働きを高めて、消化を促進する働きがあります。夏は冷たいものを取り過ぎで胃腸の働きが悪くなることで夏バテにつながりますが、この働きにより夏バテを未然に防ぐことができます。
また、薬膳の視点からも水分を補って身体を潤す働きもあるので、暑さによる口の渇きや喉の渇きを癒やしてくれます。身体をやや冷やす性質を持ち、体内にこもった熱を冷ます働きは、鼻血や発熱、口内炎などのほてりを伴う症状の改善にも役立ちます。
トマトの酸味のもととなっているクエン酸は、疲労物質を取り除いて疲労回復にも役立つため、体力を消耗し疲れがちな夏の身体を癒やすのにおすすめです。
また、特にリコピンが豊富に含まれており、リコピンには抗酸化作用のほか、生活習慣病を予防する働きや紫外線によるお肌のダメージを防ぐなど美肌の面でも優れた特徴があります。ビタミンやミネラルも豊富なため、汗とともに流出しがちなミネラル分も補えます。暑い夏を乗り越えるには欠かせない野菜といえるでしょう。
トマトを加熱することにより、リコピンを体内に吸収しやすくなる上、火を通すことで食べられる量も増えるので加熱して食べるのもおすすめ。たくさん収穫できたときにはホールトマト(トマトの水煮)を作り置きしておくと、トマトソースにしたりトマトジュースにしたりと料理の幅も広がり重宝します。
また、瓶詰のホールトマトを作って、ご近所の方やご友人にプレゼントしてはいかがでしょうか。使用しやすく鮮やかな彩りで喜ばれること間違いないでしょう!
保存に便利な水煮は贈り物にもおすすめ。
材料
- ミニトマト「アイコ」、「イエローアイコ」…適量
- 空き瓶…適宜
作り方
- トマトを湯むきする。
- 1の湯むきしたトマトを煮沸消毒した瓶に入れ、トマトがかぶるくらいの水を入れ、 瓶のふたをする。
- 瓶の高さと同じくらいの鍋に瓶ごと入れ、瓶の高さまで鍋に水を入れて点火する。
- 沸騰後15分ほど加熱して完成。
※保存期間の目安は冷蔵で約2カ月です。
北山 彩子(きたやま・さいこ)
薬膳料理研究家。薬膳フードデザイナー。
学習院女子短期大学家庭生活学科食物専攻 卒業後、多忙な会社員生活を送る中で、食の大切さを認識し、薬膳に興味を持つ。国立北京中医薬大学日本校中医薬膳専科および中医中薬専攻科を卒業し、同中医臨床研究科に所属。国際中医師、国際中医薬膳師、中医薬膳師の資格を持つ。東京・自由が丘にて主宰する薬膳料理教室「FOOD and LIFE」やテレビ・雑誌出演を通じ、誰にでもできる身近で家庭的な薬膳料理を提案している。
ホームページ:http://foodandlife.co.jp/