元肥は控えめに、追肥は花房3段目が開花し始めからこまめに施す!
肥料は窒素、リン酸、カリが8-8-8を例にお話しします。元肥は、有機質でゆっくり効く緩効性肥料を控えめに1株当たり約26gを施します。追肥は、効き目が早い速攻性肥料を使って、各花房の開花に従い、少量ずつ増量していくことがコツです。
・花房3段目が開花し始め(1段目の果実がゴルフボール大になったころ):約3g
・花房4段目が開花し始め:約5g
・花房5段目が開花し始め:約8g
・花房6段目(収穫が始まるころ)以降、各段の開花し始め:約11g
肥料は、はかりで正確に量ってもよいですが、3本指で1つまみ約1.5g、5本指で1つまみ約5g、1握りは約30gといった具合に手ばかりで施してもよいです。
「幼果期の日当たり」調節は葉の茂みの活用がおすすめ
トマト栽培において日照は不可欠でありながらも、幼果期に「直射日光を当て過ぎないこと」はとても大事です。幼果が「日焼け」すると果皮が硬くなり、果実肥大に耐えられず裂果する原因の一つになります。そこで、リーフカバー(葉の茂み)を活用することをおすすめします。そのためにも、葉をしっかり作る意識を持つことが生育の中で重要なポイントです。また、芽かき、下葉かきなどの手入れは病気を広げないようにハサミを利用するなら一回一回消毒を行うか、手で行います。その際になるべく傷口を触らないようにしてください。
ご家庭でできる酷暑対策は「遮光ネット」や「防草シート」の活用を!
暑さ対策としてプロの生産者は、霧状の水を継続的に噴霧して気化冷却を行う「細霧冷房」の導入、遮光ネットや防草シートなどの資材を活用しています。家庭菜園で暑さ対策をするのは装置がないので大変ですよね。遮光ネット(寒冷紗)や防草シートは一般のご家庭でも取り入れやすいと思います。遮光ネット(寒冷紗)や防草シートの色を黒から白、また遮熱性の高い材質のシート(タイベック等)を使用すると地温上昇を抑制できるので、環境に合わせて取り入れてみるとよいと思います。
「摘果」は勇気を持ってしっかりと!
私たち農家の間で「摘果」は当たり前のことですが、家庭ではなかなか勇気のいる作業だと思います。私たちは1~3段目までくらいを3果程度に減らします。本来ならば上段まで摘果するのがベストなのですが、なかなか難しいと思います。意識的に取り組むと、実りが弱くなる収穫時期の後半までしっかり収穫を楽しめると思います。できれば酷暑対策の上の図のように、雨よけをして果実に雨水が当たらないように、園芸フィルムなどで屋根を作って雨よけ栽培ができるといいですね。