タネから広がる園芸ライフ / 園芸のプロが選んだ情報満載

特集

園芸と地域をつないだ「ガーデンセンター横浜」72年の歴史 園芸と地域をつないだ「ガーデンセンター横浜」72年の歴史

園芸と地域をつないだ「ガーデンセンター横浜」72年の歴史

2024/09/10

「ガーデンセンター横浜」は、前身となる「ガーデンセンター」が誕生した1951年から72年。長い年月、多くの園芸愛好家や地域の方々に親しまれました。去る2023年12月25日に皆さまに見守られて最終日を迎え、現在も思い出のお言葉を頂戴します。ゴールデンウイークになると、苗を買いに行ったという方もいらっしゃると思います。今回は、懐かしい写真と共に「ガーデンセンター横浜」を振り返りたいと思います。

写真で振り返るサカタのタネ「ガーデンセンター横浜」の歴史

1950年代 日本園芸店のはしりとして本社の売店部が誕生

神奈川県横浜市神奈川区桐畑の本社1階に売店部をオープン

1951年12月1日、人員2名の小規模な店としてオープン。園芸店の先駆けとなりました。後に屋内を150平方メートル余りまで、屋外の販売面積を300平方メートルまで拡大しました。

元々はサカタのタネ本社のあった桐畑。現在も店舗は国道とJR東海道線に面し、向かいには幸ヶ谷を見渡せます。 元々はサカタのタネ本社のあった桐畑。現在も店舗は国道とJR東海道線に面し、向かいには幸ヶ谷を見渡せます。
本社1階にオープンした1950年代の売店部(現 ガーデンセンター横浜) 本社1階にオープンした1950年代の売店部(現 ガーデンセンター横浜)

1960年代後半には売り上げが数十倍にアップし、花や野菜の種子はもちろん球根や苗木、園芸用品、肥料、小鳥や熱帯魚なども扱い「園芸用品のデパート」として成長しました。

1970年代「ガーデンセンター」に改称しリニューアル

1974年5月の屋外苗売り場(左)と1976年11月の屋外売り場の様子(右) 1974年5月の屋外苗売り場(左)と1976年11月の屋外売り場の様子(右)

売店部を拡充し、サカタのタネ「ガーデンセンター」に改称

1976年4月、本社移転に伴い、跡地を整備・拡充して売店をリニューアル。新たにガーデンセンターとして立ち上げました。

桐畑の本社跡地にガーデンセンターを開設(1976年) 桐畑の本社跡地にガーデンセンターを開設(1976年)
屋外売り場。小鳥や熱帯魚などの扱いやコーヒーや軽食を提供する休憩エリアがあり「園芸用品のデパート」として親しまれていたことが伺える(1977年4月) 屋外売り場。小鳥や熱帯魚などの扱いやコーヒーや軽食を提供する休憩エリアがあり「園芸用品のデパート」として親しまれていたことが伺える(1977年4月)
屋外売り場(1979年5月) 屋外売り場(1979年5月)
屋内売り場。お歳暮シーズンにはシクラメンやポインセチアのフラワーギフトセールを開催(1980年12月) 屋内売り場。お歳暮シーズンにはシクラメンやポインセチアのフラワーギフトセールを開催(1980年12月)
屋内売り場。お中元向けにアジサイや観葉植物のグリーンギフトの対応も。(1986年7月) 屋内売り場。お中元向けにアジサイや観葉植物のグリーンギフトの対応も。(1986年7月)

1990年代 創業80周年を記念し、全館新装改装

本格的なガーデニングブームに対応するため、1992年末、542平方メートルの敷地に新本館をオープン(1993年3月に全館新装オープン)。生花や花束、ギフト用の洋ラン、花鉢類や観葉植物など、豊富な品ぞろえが自慢の1階と、園芸教室や催事用のスペースを用意した2階で構成。温室やペットショップも併設し、顧客満足度の高い「夢のある店づくり」を実現しました。

2階建ての本館1階には壁面いっぱいにキーパールームを配置。生花や花束、ギフト用の洋ラン、花鉢類や観葉植物などの品ぞろえも豊富に取りそろえた。(1993年1月) 2階建ての本館1階には壁面いっぱいにキーパールームを配置。生花や花束、ギフト用の洋ラン、花鉢類や観葉植物などの品ぞろえも豊富に取りそろえた。(1993年1月)
屋外売り場(1996年) 屋外売り場(1996年)
屋外売り場 屋外売り場
種売り場 種売り場
お会計場 お会計場
当時は平置きの駐車場 当時は平置きの駐車場

サカタのタネ ガーデンセンター湘南がオープン

1998年10月10日、2番目の直営店としてJR東海道線の大船駅~藤沢駅間にガーデンセンター湘南をオープンしました。これに伴い、桐畑の店舗をガーデンセンター横浜へと改称しました。

ガーデンセンター湘南店舗入り口(1998年) ガーデンセンター湘南店舗入り口(1998年)
駅まで続く駐車場待ちが発生 大盛況のガーデンセンター湘南オープン

約7000平方メートルの敷地に総面積約4000平方メートルの売り場と約100 台(後に300 台)分の駐車場を設け、高品質で値ごろ感のあるオリジナルの種子や球根、苗、園芸資材などをそろえたガーデンセンター湘南。

コンテナガーデンやハンギングバスケット、山野草、ハーブなどのほか、ミニカボチャ「プッチィーニ」やニンジン「ベータリッチ」などの青果や、地元産の野菜も販売。オープン初日は開店前から駐車場は満車で、車が大船駅まで続くほど大盛況でした。
開店当時の売り場(1998年10月) 開店当時の売り場(1998年10月)
鉢も苗木も広いスペースに利用シーンを提案したディスプレー(1998年10月) 鉢も苗木も広いスペースに利用シーンを提案したディスプレー(1998年10月)

2000年代 開設50周年を機にガーデンセンター横浜をリニューアル

リニューアル工事。建物がなくなると敷地の広さに気づかされる(2002年) リニューアル工事。建物がなくなると敷地の広さに気づかされる(2002年)

ガーデンセンター横浜 リニューアルオープン

ガーデンセンター横浜開設50周年を機に、2002年4月、生産農家や流通業者とともに顧客満足度No.1の店舗を目指し、提案型・都市型園芸店のモデルとして、また園芸情報発信基地として吹き抜けで大きな窓ガラスを取り付け、開放的な店舗に生まれ変わりました。

リニューアルオープン時の店舗内。駐車場は従来の倍の150台を用意(2002年) リニューアルオープン時の店舗内。駐車場は従来の倍の150台を用意(2002年)
リニューアル直後の屋内売り場。広い店内に豊富な園芸資材を取りそろえる(2002年4月) リニューアル直後の屋内売り場。広い店内に豊富な園芸資材を取りそろえる(2002年4月)
リニューアル後の店舗外観。提案型・都市型園芸店のモデルに(2007年8月) リニューアル後の店舗外観。提案型・都市型園芸店のモデルに(2007年8月)
屋内売り場。最新の園芸情報発信基地として整備された(2007年8月) 屋内売り場。最新の園芸情報発信基地として整備された(2007年8月)
屋内洋ラン売り場(2007年8月から9月) 屋内洋ラン売り場(2007年8月から9月)
屋内多肉植物売り場(2007年8月から9月) 屋内多肉植物売り場(2007年8月から9月)

ガーデンセンター湘南閉店

2005年11月、敷地が再開発計画による短期借地(5年)であったことから、園芸愛好家に惜しまれながら閉店しました。

2010年代 創業100周年を機にガーデンセンター横浜を再リニューアル

2013年3月、雨天でも快適に買い物できる環境を整備するとともに「横浜発信。種から青果物、その素材を使った料理まで一貫したスタイルでお客様にご提供する」というコンセプトのもと、カフェや青果売り場を常設する園芸店に再リニューアルしました。

屋外売り場に屋根を設置し、再リニューアルしたガーデンセンター横浜(2013年3月) 屋外売り場に屋根を設置し、再リニューアルしたガーデンセンター横浜(2013年3月)
再リニューアル後の本館裏 屋外野菜苗売り場(2013年3月) 再リニューアル後の本館裏 屋外野菜苗売り場(2013年3月)
本館に常設された青果売り場「サカタマルシェ」。王様トマトや「フリーダム」など当社品種がそろう(2013年3月) 本館に常設された青果売り場「サカタマルシェ」。王様トマトや「フリーダム」など当社品種がそろう(2013年3月)
種や球根、洋ランを取り扱う別館(2013年3月) 種や球根、洋ランを取り扱う別館(2013年3月)
別館、種・球根売り場(2013年3月) 別館、種・球根売り場(2013年3月)
別館奥、洋ラン売り場(2013年3月) 別館奥、洋ラン売り場(2013年3月)
本館内レストラン「GREEN BONDS CAFÉ(グリーン ボンズ カフェ)」。お買い物の合間のカフェタイムにぴったりな店内。「王様トマトカレー」など人気メニューが並ぶ(2013年3月) 本館内レストラン「GREEN BONDS CAFÉ(グリーン ボンズ カフェ)」。お買い物の合間のカフェタイムにぴったりな店内。「王様トマトカレー」など人気メニューが並ぶ(2013年3月)
季節の風物詩になった横濱朝顔市(2015年7月) 季節の風物詩になった横濱朝顔市(2015年7月)

2020年代 ガーデンセンター横浜70周年、通信販売90周年

2013年3月、雨天でも快適に買い物できる環境を整備するとともに「横浜発信。種から青果物、その素材を使った料理まで一貫したスタイルでお客様にご提供する」というコンセプトのもと、カフェや青果売り場を常設する園芸店に再リニューアルしました。

国道に面した看板をおしゃれにリニューアル(2020年3月) 国道に面した看板をおしゃれにリニューアル(2020年3月)

2018年に直売部通信販売課は、ガーデンセンター横浜のある桐畑に部署移動しました。2021年には、創業の地、桐畑で節目の年を迎え、周年ロゴもそれぞれ成されました。

ガーデンセンター横浜70周年記念ロゴ(左)と通信販売90周年記念ロゴ(右) ガーデンセンター横浜70周年記念ロゴ(左)と通信販売90周年記念ロゴ(右)
70周年お祝いムードいっぱいの屋内売り場(2021年8月) 70周年お祝いムードいっぱいの屋内売り場(2021年8月)

ガーデンセンター横浜閉店

桐畑本社に開設された「売店」時代から72 年。ガーデンセンターは幾度も店舗改装や売り場レイアウト変更を行い、良質な商品と充実した品ぞろえでお客様のニーズに応えてきました。2023年12月、非常にたくさんの園芸愛好家に惜しまれながら、閉店しました。

2023年、72年目の秋に催事場で72年間を振り返る写真展を開催しました 2023年、72年目の秋に催事場で72年間を振り返る写真展を開催しました
72 年間のご愛顧に感謝の気持ちをこめて、クリアファイルとうちわの閉店ノベルティグッズを作成 72 年間のご愛顧に感謝の気持ちをこめて、クリアファイルとうちわの閉店ノベルティグッズを作成

ガーデンセンター横浜のフロアマップ

2023年10月当時のガーデンセンター横浜のフロアマップです。当時の店頭の様子をご案内いたします。

ガーデンセンター横浜基本情報(2023 年10 月10 日当時)

● 店舗面積:1900平方メートル
● 取扱商品数:種約700種、球根約250種、植物約1500種、資材約1500種
● 営業時間:10時~18時、毎週水曜日定休

ガーデンセンターマップ

1店舗入り口

国道側の入り口は、いつも季節の植物でお客様をお出迎えしていました。

店舗入り口

2屋外 花鉢・花壇草花売り場

きれいに咲いた季節の花苗がずらりと並び、多くのお客様が花壇や寄せ植えなどのコーディネートに悩みながら思い思いの買い物を楽しんでいらっしゃいました。

屋外 花鉢・花壇草花売り場

3花鉢・観葉売り場

ご自宅用からギフト、小鉢から大型のものまで、あらゆるニーズに応えられるよう、たくさんの種類の花鉢と観葉を扱っていました。

花鉢・観葉売り場

4多肉・サボテン・チランジア売り場

定番品種からマニアが好む希少なものまで、各種取り扱っていました。年に数回開催していたフェアは、いつも好評でした。

多肉・サボテン・チランジア売り場

5園芸資材・鉢・園芸薬品売り場

初心者向きの商品から園芸専門店ならではのプロ向きの商品まで、園芸に関するあらゆる資材が並んでいました。病害虫の被害にあった植物片を持参して、園芸薬品売り場のアドバイザー目当てにご来店されるお客様も多くいらっしゃいました。

園芸資材・鉢・園芸薬品売り場

6種・球根売り場

種は、通常商品だけはなく、通信販売オリジナル商品も陳列し、いつも充実のラインアップでした。毎年秋には、チューリップやスイセンの球根が平台に並べられ、取り扱い品種の多さに驚くお客様も少なくありませんでした。

種・球根売り場

あの日あの時のガーデンセンター

昭和、平成、令和の時代に、地域の方はもとより、多くの園芸愛好家のお客様に愛されてきたガーデンセンター。ここでは、その歴史を数字や品目で振り返ります。

ピーク時の来店者数

約2,000人/日 ※2018~2023年調査

例年、ゴールデンウィークから5月の第2日曜日の母の日にかけてがピークでした。

人気の園芸フェア・催しテーマ

多肉・サボテン
バラ
クリスマスローズ

コレクション欲をそそる植物のフェア・催しが特に人気でした。

人気の講習会

野菜講習会
カンキツ講習会
洋ラン講習会
土・肥料講習会

クリスマスローズ講習会やバラ講習会も人気でした。

地域連携のイベント

近隣の小学校への栽培指導
お買い物体験の受け入れ

店舗内はもちろん、小学校へ出張指導も行っていました。町内会にも加入していました。

花・野菜種、苗、球根にみる月別売れ筋商品

花・野菜種、苗、球根にみる月別売れ筋商品 花・野菜種、苗、球根にみる月別売れ筋商品

2022年1月~2022年12月調査

用土・肥料は、黒ピートミックス、資材は手袋が複数の月で売れ筋商品にランクインしていました。

昭和・平成・令和にみる人気商品

花・野菜種、苗、球根にみる月別売れ筋商品
資材では、平成にテラコッタ鉢がブームになり、令和には、オーガニック系の資材に注目が集まっていました。

「ガーデンセンター横浜」72年の歴史 こぼれ話

社員ブログ バックヤード編はこちら

社員ブログ バックヤード編はこちら

サカタのタネ 公式オンラインショップのご案内

JADMA

Copyright (C) SAKATA SEED CORPORATION All Rights Reserved.