制作・文・写真
青木純子
あおき・じゅんこ
園芸家・フォトグラファー。京都市在住。庭で育てた草花を使い、生花のアレンジや押し花、ドライフラワーを作るアフターガーデニングを提案。2015年から『ガーデンフラワーカレンダー』(主婦の友社)を発行。ホームページはhttp://www.j-aoki.gr.jp/
【第35回】ロンドン旅行記4〜ロンドンの園芸店とセント・ジェームズ・パーク
2016/11/01
英国風庭園はもちろん、ロンドンで絶対に訪ねたかったのが街の園芸店。どんな園芸店があるのか興味津々でした。今回は、ロンドンの園芸店、ウエスト・シックス・ガーデンセンターとセント・ジェームズ・パークをご紹介します!
ロンドンにたくさんある公園や園芸店は見逃せません!
ロンドンの公園や園芸店はガーデナーにとって宝の山!
今回のロンドン旅行の目的は、もちろん、美しい英国風庭園を巡ること。でも、それにも増して知りたかったのが、園芸大国イギリスの園芸店事情でした。ロンドンのガーデナーはどんな園芸店で植物を手に入れ、庭作りをしているのか?
今月は、数々訪ねた園芸店の中でも一押しの店、ウエスト・シックス・ガーデンセンターと、バッキンガム宮殿近くのセント・ジェームズ・パークの魅力をお伝えします。
提案型の園芸店、ウエスト・シックス・ガーデンセンター
2015 年、ロンドンガーデニングショップ小売部門で1位に選ばれた、地下鉄の駅、ラベンスコート・パークの南にあるウエスト・シックス・ガーデンセンター。タネや園芸道具が充実し、植物を取り入れた都会のおしゃれな生活を提案しています。手入れの行き届いた裏庭は、どこかのプライベートガーデンを訪ねたような雰囲気。至る所に植物の育て方や組み合わせ方などのヒントがちりばめてあり充実度満点でした。
園芸道具や植物がハイセンスに飾られた店内!
おしゃれな店内では、多肉植物やエアープランツ、観葉植物などがコーナーごとにハイセンスにコーディネートされ、見て回るだけで飾り方の参考になります。また、タネや園芸道具の種類も豊富で思わず見入ってしまうほど。ちなみに、ここでは支柱の先に付けるさまざまな形や大きさの緑のキャップとガーデニングダイアリー、温度計などを購入しました。
インドアもアウトドアも、植物のある生活を提案!
裏庭に作られた2部屋続きのショールーム。たくさんの植物が壁や天井、床などに飾ってありました。これもショップの提案の一つ。植物をインテリアとして、おしゃれに生活に取り込む方法の紹介です。植物たちのおかげでアンティーク調の家具とモダンな室内が自然に調和し、心落ち着く空間になっています。また、店の奥の倉庫では、屋外のガーデニングライフの提案も! 園芸道具以外に、鏡やドア、窓枠などが壁面に飾られ、屋外のガーデニングライフの演出もさすがです。
ロンドンの街を歩くと、よく見掛けるウインドーボックス。花材は、夏はゼラニウムやフクシア、ペチュニアなど日本でもおなじみの植物が多用されています。緑の葉ものはヘデラや整形されたツゲなど。球やツリー状に整形されたツゲは園芸店で簡単に手に入るから、手軽に寄せ植えが作れて便利です。レンガの古い壁に映える個性的なウインドーボックス、街並みを鮮やかに彩ります。
ロンドンの中心にあるセント・ジェームズ・パーク
セント・ジェームズ・パークはロンドンで一番古い公園。バッキンガム宮殿や国会議事堂、セント・ジェームズ宮殿に囲まれています。地下鉄のセント・ジェームズ・パーク駅を降りてクイーン・アンズ・ゲート通りを渡るとすぐ。早朝5時から真夜中まで一年中開いていて、夏はホース・ガーズ・パレードが見られます。ロンドンの都会のど真ん中にあるパブリックガーデンだから、ロンドン子も観光客も気軽に訪ねられ便利です。
公園を訪ね、帰りに近くの園芸店に寄る。こんな旅はガーデナーにとって最高です。公園ではイングリッシュガーデンを構成する植物を実際に見ることができるけれど、時には「この植物は何?」と知らない植物に出合ったりします。そんなときは、近くの園芸店をチェック! 運よく店頭に同じ植物が並べてあったら名前が分かります。後は性格を調べるだけ。ロンドンで出合った植物が庭やベランダで育てられたら、大切な思い出の植物になること間違いありません!
次回は、クリスマスの飾り付けの参考になる「簡単クリスマスアレンジ・アラカルト」を取り上げる予定です。お楽しみに!